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流行


十数年前まで環境保護団体が声高に主張していた、地球温暖化阻止の声は今では全く聞こえてこない。


そりゃそうだ、温暖化どころか地球は年々寒くなり氷河期が到来しているのだから。


人間の行いより自然の摂理の方が強かったってところだろうか。


まあ地球温暖化が氷河期到来の引き金を引いたのかも知れないがね。


氷河期到来で人の生息地域はどんどん狭くなって行く。


各国政府は食糧の確保に難儀し、国民を選別し差別化を加速する。


人類が生存していく上で必要不可欠な職業についている人たちに優先的に食糧を配布、それ以外の人たちに対しては自給自足で生きて行くように促した。


と言っても、今迄農業などに従事した事の無い人たちが急に農業などの一次産業に従事するなんて事は無理。


政府に見捨てられた殆どの人は自死を選択する。


政府も自死を試みる人たちの為にそれを幇助する人を罰する事が無くなり、逆に推奨するようになった。


だが自死を選んでも、地面は硬く凍りつき埋める事が出来無いし、遺体を焼却しようにもその燃料を確保する事が不可能な状態。


亡くなった人の遺体は氷で作られた棺桶に入れられ、数百年から数千年後、もしかしたら数万年後の氷河期が解消した時に自然に返す方法が取られる。


そんな中、どうせ数千年、数万年の間氷漬けになるのならと、自分自身の遺体を墓標とするやり方が流行り始めた。


例えば、筋肉隆々のボディービルダーの男は筋肉が盛り上がった状態で氷漬けになり、陸上競技の走者だった男は両手を高々と上げゴールする姿で氷漬けになった。


また、カップルで共に死を選んだ男女は抱き合いキスを交えた姿で氷漬けになるなど、思い思いの姿で自死し氷漬けになる。


それが今全世界の若者たちの間で流行している、自死のやり方だった。





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