意味は?
あー駄目だ、眩暈はするわ、足は縺れるわ、酒を飲んだあと風呂に入るもんじゃないな、ただでさえ飲み慣れていないのに。
ようやく部屋に辿り着きドアを開け、スリッパを脱ぎすて襖を開けて部屋の中に入る。
「あら? どちら様?」
「え?」
女性の声で顔を上げると、3~40代の綺麗な女の人が掘り炬燵に足を入れ座ったまま此方を見ている。
あ!?部屋を間違えた。
「す、すいません!
部屋を間違えました」
「ふーん、ま、良いわ。
それより一緒に飲まない?」
「え、でも……」
「飲まないのだったら、貴方が無理矢理押し入って来たって騒ぐわよ」
「そ、そんな……」
「どうする?」
「飲ませて頂きます」
「じゃ、入りなさい」
女の人は炬燵布団を捲り僕を炬燵に招く。
炬燵に足を入れ座ると杯を手渡され酒が注がれる。
「いただきます」
クイっと呷る。
杯にまた酒が注がれた。
「大学生?」
「はい」
「そこのスキー場に遊びに来たのかな?」
「はい」
「1人で?」
「先輩や友人等10人程で来ています」
「後輩って言葉が無いって事は、まだ1年生なのかな?」
「はい、去年の春入学しました」
「じゃ、まだ10代なんだ?」
「はい」
「フフフ」
あ!
女の人の手が炬燵の中で僕の浴衣の裾を捲り足を撫でる。
「あら、真っ赤になっちゃって。
フフフフ。
もしかして経験無いのかしら?」
「は、はい………………」
恥ずかしさから顔が下を向く。
「食べちゃいたいな」
その言葉に顔を上げ女の人の顔を見て僕は息を飲む。
女の人の口が顎まで裂け、口から蛇のような舌が出入りしていて、瞳が縦長になって金色に光っている。
「た、た、食べちゃいたいって、…………ど、ど、どういう意味で、で、ですか?」
「決まっているじゃない」
その言葉と共に僕は畳に押し倒された。