真冬の怪異

初夢

ああー、まだ２日目だと言うのに気分は最悪。

理由は見た初夢が最悪だったから。

着替えて顔を洗い、朝食を頂くためテーブルの前の椅子に座る。

見渡すとお母さんも双子の弟も私と同じように顔色が悪い。

笑顔なのはお父さんと去年の暮５歳になった妹だけ。

家の母方の家系は預言者を多数輩出している。

だから見た初夢が予知夢にならないかと思い、気分が最悪なの。

お父さんの「いただきます」の後、家族全員が「「いただきます」」と言って食事が始まる。

と、笑顔の妹が話し始めた。

「ネエー、聞いて！　聞いて！

アタシねー、一富士二鷹三茄子の初夢を見たんだよ」

「ホー凄……」お父さんが何か言いかけたけど、それを打ち消す勢いで私とお母さんと弟が「「どんな夢だった？」」と妹に問いかける。

「うんとね、富士山がドカーンって噴火する夢と、半島語で鷹って名付けられたミサイルが海の向こうの大国に着弾する夢と、茄子科の植物のマンドラゴラが悲鳴を上げてる夢をね、立て続けに見たの。

何か良い事あるのかなー」

私が見た初夢と同じだ。

お母さんと弟も同じ夢を見たらしく、「「同じだ」わ」と呟いていた。

もっと詳しく言うと、富士山が噴火して、登山客や観光客それに富士山の周辺市町村で暮らしてる人たちが次々と溶岩に飲み込まれて行く夢。

核ミサイルを玩具にしている半島の付け根側の国の鷹と名付けられた核ミサイルが、海の向こうの大国の西海岸に着弾した為、海の向こうの大国が報復の核ミサイルを発射して第３次世界大戦が勃発した夢。

最後に茄子科の植物であるマンドラゴラが悲鳴を上げながら逃げ惑う夢を見たの。

お母さんと弟も同じ内容の初夢を見たらしい。

予知夢じゃ無いよね、偶然母方の血を引く４人が同じ夢を見ただけだよね？

偶々だよね？　

誰か答えてよー。