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貢ぎ物


2月14日、この日だけ、人里離れた雪原にある儂が封印されていた祠の前にチョコレートが積み上げられる。


チョコレートは儂に対する貢ぎ物。


海の彼方の宗教のイベント、バレンタインと言ったか? なんて儂には関係無い。


最初に儂にチョコレートを捧げた女、恋に破れ自殺する為に人里離れた雪原を彷徨っていた女だったが、腹を空かせ食い物を所望する儂に持っていたチョコレートを捧げてくれた見返りに、女の望みを叶えてやった。


その女が同じような立場の女たちに儂の事を広めた。


それが毎年2月14日だけ、儂が封印されていた祠の前にチョコレートが貢ぎ物として積み上げられる理由だ。


封印されていたというのは、貢ぎ物が捧げられた事で儂を封印していた理由が破綻したから。


封印していた理由が破綻して開放された儂は何処にでも行けるのだが、今更此処以外に住処を求めるのも面倒くさくて此処に居座っている。


貢ぎチョコレートが欲しくて居座っている訳では無いからな。


さて、貢ぎ物に託された願い事を叶えに行くか。


願い事をした奴等の中には儂には出来ない事を願った者もいる。


恋を成就させてくださいだ? 儂を恋愛の神だとでも思っているのか? そんな事が出来る神なら封印などされないわ!


儂は死を司る神。


最初の女が望んだ願いのように、貢ぎ物を寄越した者たちが恋している男たち、彼等が愛している女に死を与えたりライバルとなる女に死を与えたりする、それが儂に出来る事なのだ。








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