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神国


「ねえ知ってる?」


「何を?」


「今年も沢山の生き霊が出たじゃん」


「ウン、それがどうしたの?」


冬休みに入ったからか、女子高生らしい私服の女の子たちが電車の中で姦しく喋っていた。


毎年の事だがクリスマスの夜になると、カップルを羨む多数の独り者の男と少数の女性の生き霊が国中に出現する。


何かそういう事が起きる力が我が国には満ちているらしい。


それが神国と言われる謂われらしいのだが。


女の子たちのお喋りは続く。


「それがね、今年は本物の霊も多数現れたんだって」


「嘘ー、ホントなの?」


「ホント、ホント。


西海岸の豪雪地帯の広範囲で停電が発生したじゃない」


「ウン、ウン」


「停電が発生した時、生き霊になっちゃってた多数の人たちがそのまま幽霊になっちゃたんだって。


って、お爺ちゃんが言ってた」


「そう言えば、あんたのお爺ちゃん高名な霊媒師だったわね。


でもどうして生き霊が本物の幽霊になっちゃたの?」


「お爺ちゃんの話しでは、生き霊になる人たちって心が凄く冷え切る為になるんだけど、生き霊になると意識が身体に戻って来ない限り動けなくなるんだって。


で、意識が無いから停電になったときエアコンや炬燵、それにヒーターなどの電気を使う暖房器具を使っていた人たちは部屋がどんどん冷えて行くのに対処出来ず、身体も冷え身も心も冷え切ってそのまま死んじゃうんだって」


「へーそうなんだ」


「ウン、ユーチューブに、身も心も冷え切って亡くなった人たちが運び出されて行くところを映した動画が出ているよ」


「ホント、後で見てみるね。


私も気をつけなくちゃ」


「アンタは大丈夫よ」


「なんで?」


「アンタ、私が羨ましく思うほどモテルじゃん」


「そうか」


「そうだよ」


「「アハハハハハハハ」」


そうか私は死んでいたのか、だからつきまとっている女性の真ん前に立っているのに気がついて貰えなかったのか。





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