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ベランダは下着の宝庫

 俺は、上京して東京の大学に行く。そして、彼女を作って楽しい大学生活を送る。それが夢だった!ついに、その夢が叶う時が来たのだ!


「ここでいいのかな⋯⋯。」


 俺は、一人暮らしをするよりも生活費が安いシェアハウスに住むことになった。その名も、シェアハウスさくら!名前の由来は知らん。


 シェアハウスは、1つの建物に複数人で暮らす寮みたいなものだ。


 どんな住人と一緒に暮らすことになるのだろうか、不安な一面とてもワクワクする。シェアハウスで生活するには協力が必要だということを聞いた。


 いくらシェアハウスでも、初日からノコノコ入っていく訳にもいかず、インターホンを押す。


ピンポーン


「あれ、誰も出ない⋯⋯。」


 しばらく、周りをウロウロしていると⋯⋯。


「あれ!?不審者!?」


 女性が後ろから俺の事を指して叫んだ。


「い、いや!今日からここに住むんですけど⋯⋯。」

「あー。男の子が来るって言ってたね。そう言えば⋯⋯。」

 金髪でサラサラのロングヘア。オマケに巨乳の可愛いお姉さん!

「あ、岡野健です!お世話になります!」

「私は、塚田里美ね。って言っても昨日来たばっかりだけど。」

「え!?大人っぽい人だからてっきり先輩かと思ったよ!」

「そぉ?私そんなに美人?」

「ええ!」

「そんなに私を褒めちぎると、夜襲いに行っちゃうぞ~!」


 ぜひ、お願いします!鍵開けて待ってます!


「いや~。参っちゃうなぁ~。」

「いつまでもここにいても仕方ないから中に入ったら?荷物届いてるわよ~。」

「あ、うん。」


 玄関のドアを開けて中に入る。靴箱には、ハイヒール、ブーツなど女性物の靴しかない。

 靴箱は占拠されているので、とりあえず揃えて端の方に置いておくことにした。


「男子は、2階ね!上にダンボール運ぶの大変だったのよ?」

「手伝ってくれたんですか!?どこか空き部屋に置いておいてくれたら自分でやったのに~。ありがとう!」

「あー。あとエッチな本持って来てるんだね~。」

「あ、開けたんですか!?」

 

 このシェアハウスはプライバシーの保護は保証されないようだ。


 気まずくなったので自分の部屋に上がる。

 この部屋は、ベランダもついていて1人で過ごすには少し広いくらいだ。


ガラガラ


 ベランダの引き戸を開ける。外に出ようと一歩踏み出すと。


パサッ


 頭に何か当たった。いい匂い。ん?

そこには、女性物の下着が干してあった!

 ここ、俺の部屋だよな?外に出て名札を確認すると、岡野と書いてある。


「ちょっと、塚田さん!!」


 俺は、叫んで彼女を呼ぶ。


「なになに!?どうしたの?ゴキブリ!?」

「違いますよ!なんでブラジャーとパンティーがここに干してあるんだ!?」

「あー、ごめん!部屋に入り切らなくって借りてるの忘れてたわっ」

 てへっ。みたいな顔をして訴えてくる。

「分かったよ。分かったから気をつけて⋯⋯。」

「はーい。」

 彼女は下着を取り込み自分の部屋へと帰っていく。


 これが1人目の住民

 塚田里美だ。

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