表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

7秒目 カワイイ子は好きじゃない!!


 「よろしくぅー!いやぁ会えて嬉しいなぁー!」


 「は、はぁ…」


 その女の子は雛乃の手を取り大袈裟にブンブンと縦に振る。



 「私の名前はね!戸部奈々(トベナナコ)って言うの!」



 戸部奈々子と名乗る女の子はフリフリした服を着た、未成年くらいの可愛い子だった。雛乃はこの元気一杯のキラキラした女の子のノリが好きではなく、あまり、友好的な感情が持てなかった。


 「あ、あぁ…どうも、私は久納雛乃。」


 「じゃあ、じゃあ、その人は?」


 奈々子は木嶌を指を差しキラキラした目で聞く。しかし、木嶌は少し離れたところで手を本当に軽く出しただけでそれ以上の返答をしなかった。


 「はぁ、失礼なやつでしょ?ああいう奴なのよ。」


 「ほえー……え、彼氏さんなのですか?」


 「はあ!?」


 「はひっ!すみません!!」



 あまりの軽率な奈々子の言葉に一瞬キレる雛乃。それを聞こえていたのか、木嶌はフッと笑う。奈々子は焦りながらも、身ぶり手振りを加えて謝罪をした。


 「か、彼氏さんじゃなかったのですね!早とちっちゃいましたぁ……じゃあ、ちょっと挨拶してきますね!」


 「あー、うん。」



 奈々子はテケテケと歩き、木嶌に近付き、両手を出して握手をねだる。


 

 「よろしくです!私は戸部奈々子!よろしくね!」



 さっき話した声より少し高めで、よろしくをよおしくっと聞こえるくらいの馬鹿っぽいしゃべり方をする奈々子。その姿を冷たい目で見ている雛乃。



 (はぁーこういうのが男にモテるのよねぇ……馬鹿馬鹿しい)




 しかし、木嶌の目はとても冷たく、奈々子を見下したような目をしていた。



 「ほ、ほぇ?」



 そして、木嶌は奈々子に非道な言葉を投げ掛ける。



 「寄るな、ブス」



 「!?!?」



 「ちょ、ちょっと!あんた!」



 奈々子は驚きと悲しみの顔をしていた。雛乃は駆け寄り、奈々子を庇う。



 「それは酷くない!?初めて会った人に無礼だとは思わないの!?」


 「本当のことを言ったまでだ。」



 奈々子を抱き締めたように庇っていた雛乃は奈々子の顔をチラリと見た。



 奈々子は歯を食い縛り、怒りに満ちた表情をしていた。



 「絶対許さない……」ボソッ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ