3秒目 もう歩きたくないの!!
目を開けると朝が来た。いや…正確に言うといつも朝だ。この世界は日が落ちない。常に灼熱の太陽が顔を出し、熱で肌をじりじりと焼く。……不思議と日焼けはしないのだが。
私は今バタンと横になり、雲1つ無い空を見上げる。もう熱い砂の上で寝るのは慣れた。っと言うより、ぐったり疲れてしまっては、どこで寝ようが体が勝手に寝てしまうのだ。
お腹もずっと空いている。ここ3日は何も口にしていない。お腹が減りすぎて砂に手を出して飲み込んだが全く腹には貯まらなかった。逆に口が更にパサパサして水分が欲しくなった。最悪だ。
ここまでずっと歩いてきた。
「無理…歩きたくない、歩けない。」
これからはもうずっとここで寝てしまおう。そうすれば餓死か脱水症状で死ぬだろう…いつか。
私は目を瞑った。
「ん?」
目を瞑って少し経つと何かいつもと違う音が近くからした…が、私は寝てしまった。あまりにも疲れてたから…
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目を開ける。周りがボヤけていてよく見えない。目を擦り、伸びをする。
「うーーーーん!」
「目が覚めたようだな。」
「ふぇ!!?」
飛び起きて横を見る。
なんとそこには男が一人座っていた。
「に、、人間!?」
咄嗟に出たその言葉に男は呆れた顔でこう言った。
「……まるでお前が妖怪のような言いぐさだな…」