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チュートリアル

俺の目の前にはゴブリンがいた。


「はぁ?」


「ギャアギャア!!」


ゴブリンは叫び声を上げて棍棒を俺の脳天目掛けて振り落とす。

おいおい、嘘だろこんなのありかよ?俺の思考はパニックになりかけたが、ゲームで培われたプレイヤースキルつまりpsで棍棒の落下点から離れる。


「おっし。」


目の前のゴブリンの頭上にはLV1という表示があり、視界の下にはアイテムスロットらしき物が9つある。そして辺りはゴツゴツした岩に覆われていて、そこには怪しく光る紫色の電灯が設置してある。


「つまりここがAWの世界という訳か。」


ゴブリンはそんな俺の言葉を無視して棍棒を俺の体目掛けて再び振る。


「おっと、危ねえー」


後ろに軽く飛ぶことで攻撃を回避し、スロットの右端にある刀を押す。

そこからは長剣が鞘が付いた状態で左腰の辺りに発生し、それを掴み視界の左から飛んできた棍棒に合わせ弾き返し、鞘から長剣を抜き取りゴブリンの体を左肩から右の脇腹辺りまで切断する。


「ぎゃあ…!」


ゴブリンは絶命し灰と化した。


「取り敢えず外に出よう。」


外に出るまでは体感5分も掛からず、その間にゴブリンを6体ほど倒し体は完璧に慣れていた。


「早速これとはたまげたな。はぁ、」


そう言った彼の目の前には壊滅状態であると遠目でもわかるほど燃え盛っている街の外観が映っていた。


「ん?何だこれ?」


そこには、先程洞窟内で見た電灯とは色が異なる白色の電灯を発見した。だが、それどころではないと判断し、街に向けて足を速める。


「…」


それから、しばらくして街に着いたが目を疑いたくなるような光景が広がっていた。


これが本当にゲームの世界だというのか!?

そこには言葉に表すとするならば阿鼻叫喚の世界が広がっていた。


友の亡骸を抱え泣き叫ぶ者


モンスターに襲われても対抗する術がなく殺される者


イカれて殺し合いを始める者。


「こんなの馬鹿げてる。」


俺は無意識の内にこんな言葉を口から漏らしていた。

だがそんな時に知っている声が耳に入ってきた。


「なんなんだよ!これも夢なら早く覚めてくれよ!!くそくそくそー!」


この声はそうこの世界から消失した少年の声だと即座に気づいた。だが、その声の持ち主は周りの人々によって発見できない。


「取り敢えず、こいつ等を出口まで連れていくか。」


「お前ら!!落ち着け!こんな所で争っていたら死人が増えるだけだ!だから、俺に付いて来てくれ!」


「お前に着いて行ったてどうせ死ぬんだ!!!」


若い男が殴り掛かってきた。がその手をつかんで背負い投げをして無力化する。やはり、俺の言葉じゃみんなを動かせないのか。。絶望が見えてくる。ならばせめて、彼だけは助けないといけない。

恐らくこっちの方で声がしたから出口にいるだろうとおおよその見当をつける。


「待ってろよ、拓郎。」


俺は家の屋根に登り出口の方へと疾走する。先程気絶させた男を担いで。

出口に着くとそこには前髪は七三分けの黒髪ロングの身長は180センチメートルくらいの女性が立っていた。


「お前も早く逃げろ!!」


「一人も逃さないわ。」


そう女が言った瞬間に女の両手に2つの輝くナイフがみえ、それを俺の首目掛けて振ったが、それを俺は首を引き避け一旦その場から離れ、男を屋根の上に置いた。


「あらあら、あれを避けるなんて相当の手練のようね。私興奮してきたわ。さあ、始めましょう。」


女は二振りのナイフを構える。


「あぁ、やってやるよ。」


その言葉を引き金に戦闘が始まる。長剣のリーチを活かしてナイフが届かない距離を維持していれば俺が勝てる。そう思って長剣を振るが、女は俺がついた剣の間を器用に避ける。


「人間のできる動きじゃねぇだろ。」


「私も人間なのだからその言葉には傷ついたわ!」


攻撃の手が緩んだ時に女は回し蹴りを俺の右頬にクリティカルヒットさせる。その衝撃で文字通り体が、1回転して屋根の上からレンガ状の地面に衝突しそうになる。が空中で1回転して足から着地する。


「強いな、お姉さん。」


「お姉さんさんね、何年ぶりに言われたのかしら。」


「でも俺には時間がないから、本気で行くぞ。」


「楽しみにしてるわ。」


そういった女の顔は笑っていた。

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