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自由願望の事なかれ主義者。  作者: 白狐
ーーー幼少期は縛られる悪夢にーーー
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7話 ~覚醒、そして隠居~

まぁ、訓練と言っても知っている魔法を見せてもらうだけなんだが。

母さんの目を盗んでは脱走を試みた。そしてエリーフルに行ってはリフスさんに魔法を教えてもらった。教えてもらい始めてから一年がたった。

最初の方は、基本的な魔力量をあげる訓練から始めた。大きな岩に向かってひたすら魔力の塊をぶつけ続けた。

次に感覚で魔力を操れるように訓練した。

豆知識だが、この世界のあらゆる生命体は魔法を使う際に、その使う対象の魔法をイメージしてから放つ。が、この訓練の内容はこの常識を否定するものだ。俺は無意識下に最善手を打つ手段をもっているが、それをより正確かつ常時的に発動できるよう、反射を利用した訓練を行った。あえてゴブリンの群れの中に入り、背水の陣方式で戦った。最初は危ないシーンも数多くあったが、次第に次に来るであろう一手を予測し、それを対処する術を手に入れた。《予知》の使用も考慮したが、反射による対処と脳を経由し、体に意識的な事をしてから対処とでは、話が変わってくる。

これをマスターした後に魔法を見せてもらった。

ミル一家からは「やばい…化物…」の連発であり、非常に辛かったが、そのストレスを魔法で発散するという悪良循環なる謎のメカニズムが生まれ、非常に強い捗るというありがた迷惑が起こった。


長かった。というよりも、魔眼による魔法の解析が追いつかなかったのだ。やっとの事で魔法を解析し終わり、新たなスキルを沢山手に入れた。

しかし、エルフというものは本当に凄い。

あらゆる魔法を巧みに操り、数多の修羅場をくぐり抜けてきただけはある。

俺はリフスの使える魔法をすべて見せてもらった。もちろん魔力のことも考え、何日にも分けて、だが。

勘のいいやつは察せると思うが、リフスの使える魔法は日を分けないといけないくらい多いいのだ。

因みに習得した魔法は以下の通り。あ、今までのも含めてな。


《火属性》《炎属性》《水属性》《氷属性》

《風属性》《土属性》《自然属性》《光属性》

《闇属性》《時空属性》《補助属性》《血属性》《呪属性》《物理属性》《創造属性》

《結界属性》《記憶属性》


そして《魔法の真髄》を手に入れた。これは魔法というものを理解し、それを使う器がある人のみに与えられるエクストラスキルだ。

なぜだ、なぜこんなにチートなんだ…異世界転生は弱い自分に負い目を感じ、それから必死に成長していくのがテンプレだろうがっ!

くそっ、それに、魔法の真髄ってなんだよ…厨二かよ…。

ちなみにこれは、本来なら長命種が自分の過ごした長い経験を経て、初めて得ることの出来るエクストラスキルだが、まぁそこら辺は魔眼だよな。あらゆる属性を解析し、それを昇華させた。つまり、全属性を応用させた、それが条件だ。こう考えると、リフスさんは本当にすごい人だ。いい人を師匠に持ったと思う。


そして、俺は気付いた。今の俺なら、種族本来の力を解放してもコントロール出来るんじゃないかと。しかし、やはり危険なことは危険な筈だ。だから、俺は木漏れ日の森の洞窟に行き、そこで一度だけ解放してみることにした。



手頃の洞窟を探知し、臆することなく進んでいく。ある程度深い場所まで進み、静かに佇む。

ーーー ふぅ、息を整える。

全身に滞りなく魔力を流し、その流れを全身で感じる。

徐々に魔力の勢いが増していき、それを一気に体内へ集める。魔力を生み出す器官の元へ。すると、体の内から感じたことのないほどの力を感じた。いや、強引に体外へと押し出されている感覚だ。


「くっ…ふっぐ…ぅああぁ…ぐぅう!」


痛い。痛い。

ーーーあああぁああ…痛い。痛い。おそらく暴走だろう。しかし、そこは訓練の賜物だ。魔力を落ち着かせ、全身でその力を感じる。

魔力は何においても全身で感じることが大切なのだ。その状態を少しの間とどめておくと、体が淡い青色に包まれた。そして次第に痛みと共に引いていく。

少しだけ目線が高くなったか?100cm位から130cm位になったようだ。見た目は?

結界魔法を空間に貼り、鏡として利用する。そして驚いた。地毛であった綺麗な銀髪に少しばかり金が入っていた。

それだけじゃない。

足は地球で見る動物のように膝から下が弓を引いているような形になり、肘から上が龍のように鋭く、その先の手からは鋭い指が生え、その間には薄い水かきのようなものがある。さらに9本の狐の尻尾が生え、天使のような純白の翼が背中から生えてくる。そして頭から生えたねじ曲がった2本のツノに細長い耳が生えていた。

顔の半分には赤黒い紋章のような物がある。そして体の周りには妖精を思わせる金と銀の光が円を二つ描いている。全身の色は薄い黒色だ。恐らくだが、これが種族による影響だと思う。


ふむ、凄まじい魔力が体の奥底から湧いてくる。

ちょっと気になったのでステータスを確認してみる。


ーーーエルニアーーー


種族:ヒューマ、エルフ、魔族、亜人、ドワーフ、小人族、竜族、妖精族、水人族、神族


レベル:4


能力

体:57000

力:89000

守:70000

早:54000

知:測定不能

運:700

魔:980000


スキル:魔眼(解析、昇華、使役)、ステータス、鑑定、言語習得、念話、情報収集、気配察知、並立思考、予知、

魔法の応用、無詠唱、想像補正、魔法の真髄、

種族解放


属性:

《火属性》《炎属性》《水属性》《氷属性》

《風属性》《土属性》《自然属性》《光属性》

《闇属性》《時空属性》《補助属性》《血属性》《呪属性》《物理属性》《創造属性》

《結界属性》《記憶属性》


称号:ヘレンの加護、頂点に立つ者、竜神


ーーーーーーーーー


…………?

………………?

……………………?

…………………………ん?


あれ、なんかバグってね?このステータスってやつ。おかしいよな?

種族増えてるし、神族って、ちょ!まじのんなの!?知関しては測定不能って…それに魔なに?あれ…桁が違うじゃん…ってかまだレベル4だし…ゴブリンだよな…?ゴブリンしか倒してないのにこのステって…化物だよね?


え?化物だって?ちょ、おいぃぃいい!なんで化物になってんの!?ちょ、ま!ヤバっ!普通にチートきたぁぁあ!!どうしよ、これ力の使い方間違えたら確実に世界滅びる…

恐らくだけど、種族による遺伝子が関係してるんだろうな~…

つまり俺って唯一無二の破壊兵器ってこと?

絶滅危惧種の化物て…恐怖しかないじゃんか……

異端者認定されるのが何よりも注意すべき点、だよな…


討伐依頼出されないかな?

とりあえず… 魔力を落ち着かせていく、否、抑えていく。すると、金と銀の輪がそれぞれ足元と頭上に行き、体の中心に向かって進んでいく。そして、丁度腹筋のあたりでぶつかり、体の中へ戻っていった。

するとあら不思議。体が元通りになりました。

試しに鏡を張って見てみると、目の周りには赤黒い紋章が残ったままだった。

ってか服とかどうなってるんかな…


『あら、成功したようね』

ヘレン!?そ、そうだ!出来たんだよ~!

『ふふ、そこら辺はまだ年相応なのね~!こうゆう風に幼い感じが堪らないわ…さて、そろそろ天の鎖で…』

ちょ、今明らかに聞こえたぞ!確信犯だ!おい、ちょ!

『冗談冗談…』

なんで明らかに声のテンション落ちてんだよぉ!

『ふふ、そんなことよりも凄いじゃない!これであなたも一人前ね!神にもなれたじゃない!』

いやまだ3歳ですけど!?ってか、神になってどうすんだよ!おれ一応、もと人間なんだよ!?神にいきなりなっても、何をどうしたらいいか…

そ、それよりも凄かったよ!体の奥から力が湧き出てくるんだ…それに服もあれだし…

『そこら辺は魔法の真髄じゃないの?自分の思うような理想な形で何事も勧めてくれるからね。』

な、なるほどね~、便利だな~…恐ろしいぜっ…!

『ま、私は用事があるからそろそろ行くわ!』

……用事?なんの?

『天のく…ゴホン、ちょっとね!』

おい!今なんか…って、消えちゃった…ヤバイ…あの人本当に俺を拘束するつもりだ…


あ、これどうやってお母さん説明しよう…


結局、顔の紋章を手で隠しながら家に帰った。

森の中を難なく抜け、街道に入った。道中も必死に顔を隠した。恐らく隠せてないけど。

いつもの玄関を開け、廊下を経由してお母さんのいるリビングへと入っていく。そして恐る恐る本を読んでいた母さんに話しかけた。


「か、母さん…」

「どうした…の…?っ!?え、エルニア!?そ、それって…」

明らかに狼狽えた様子だった。普段はあまり取り乱したりしない冷静沈着な彼女だが、それ程までに異常な事なのだうか。

「あ、えと…これは…」

「それは魔力痣…どうして!?貴方は…竜王クラス…いや、それ以上なの…?」

「こ、これって…なんなの?」

「それは魔力痣。竜王かそれ以上のクラスに現れる特別な証よ。エルニア、あなたはこれからなるべく人目につかないようにしなさい。どうしましょつ…隠居?……そうね、森の奥ね…その年齢で竜王クラスだとバレると誘拐や洗脳をされて利用される可能性が高い…せめてもう少し大きくなってから人里に出てきなさい…本当にごめんね…また離れ離れになってしまう…」

「気にしないで母さん。僕は大丈夫だよ。木漏れ日の森は庭みたいなものだしね!」


因みに木漏れ日の森は、この世界最大の魔力森林だ。ようは広すぎるのである。しかし、獣族最強と謳われた《九尾の狐》の察知能力には苦もない。こんなことを言えるのはエルニア位だ。


「そう…そこまでいうなら…ごめんなさい、本当にごめんね…」

「気にしないで!また会いに来るからね!」


そして、エルニアは次の日に森へ住み移った。

さてと、これから何をしようかな…それに、やっぱり僕は一人になるんだ…ミル達には俺の魔力痣を見せるわけにはいかないしなぁ~…とりあえず森で暮らすには生活環境を整える必要が出て来た。さて、これからが楽しみだ。ま、こういうのは美少女系のキャラに出会うテンプレだよな~……


そんな事を考えながら過ごす夜は、なんだか眠れなかった。

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