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自由願望の事なかれ主義者。  作者: 白狐
ーーー幼少期は縛られる悪夢にーーー
3/49

2話~生を受けて~

ルディウス家は今日、とてつもなく騒がしがった。

初めて赤子を妻のメリィが出産した。

夫のラスも大はしゃぎだ。従者たちもいつもに増して仕事に磨きがかかっている。




ひょぉぉおおおおおお!!

ただ今僕は、美人さんに抱き抱えられています。

素晴らしいですね。ハリウッドにもこんな人いないよ。優しそうな黄色い目に、鏡の様に光を反射する美しい銀の髪。それにスラッとした線のある体に張りのある胸。白を基調としたドレスに金のネックレス。まるでお姫様かなんかだな。

「□□□□、□□□、□□□□□□?」

「うぁ~い」

(む!?ちょ、声がでん!…あ、俺今赤ちゃんだ。

はぁ~、この美人何て言ってるんだろ…)

「□□!□□□□□□□!□□?」

「う、ぁあ~ぃ!」

(くそっ!結婚してくださいが言えない!ちくしょおおおおおおお!!!)


ーーーシドア語を習得しましたーーー


シドア語、それはシドアに根付く言語である。

又、魔法の詠唱等にも多く用いられる。エルニアは、この言語をほんの数瞬で把握し、理解した。

正確には《憐憫之自立思考アンダーサウト》により最適化し、可能な限り馴染みの有る日本語と類似かさせた物だか。結局はエルニアに還元される。

(!?な、なんだ!?ヘレンの声が聞こえた。と同時に3Dの文字が目の前に浮かぶ。シドア語ってなんだ?語であるから…何処かの言語…だよね?)

「ふふ、元気な子で良かった!」

あれ?美人様が何言ってるか分かる…

「今日はあなたの誕生日よ~!」

あ、ってことは?

「私はメリィ、あなたのお母さんですよ~」

優しく赤子に語りかける美女。あかん。

「う~!?う、ぁ~あ!」

あーくそ!喋りたい!む~!どうしよ…

「あらあら?そろそろおねむの時間かしら?ふふ、お休みなさいエルニア」

…何故俺の名前を?

『エルニア』

(ふぇぁあ!?きゅ、急に出てこないでくれよ母さん!)

『どう?新しい体は』


ーーー念話を習得しましたーーー


念じる、つまり脳内で浮かべた言葉を相手に伝達する能力。伝達速度は近代の電話よりも高速であり、念じた瞬間に相手の脳内へと届く。故に離れていても日常会話が可能であり、実用性は無限大だ。

(あ、まじか…念話?すごいななんか…ってかビビった~!急すぎだろ…)

『あら、ごめんなさいね。それよりもどうかしら、新しい体は?』

(ん、まぁなんとも言えないよ…まだ赤ちゃんだしね。それよりも、俺って色々な種族なんでしょ?なんでヒューマなの?)

『簡単よ、母体がヒューマだからね。けど安心して大丈夫よ。成長していくにつれて、どんどん様々な種族の特徴を持った姿に変わっていくわ。それも隠すことが出来るから、ヒューマの生活に馴染むことも出来るわよ』

エルニアが辿る事になる種族という物は、途轍も無くチートであった。

(そうなんだ…それよりも魔法とかって使えるの?)

『えぇ、この世界の基本は魔法だからね。特にこの国は実力主義だから…頑張って勉強するのよ!』

(勉強?勉強って…まぁいいや。俺ってまだ魔法使えないの?)

問題はここである。

『そうねぇ、今の段階では難しいと思うわ。けどそうねぇ…魔法というか、日本にはなかったことは出来るわ。一つだけね。《ステータスオープン》って呟くか念じてみて』


ステータスオープン。


ーーーエルニア・ルディウスーーー


種族:ヒューマ、エルフ、魔族、亜人、ドワーフ、小人族、竜族


レベル:1


能力

体:400

力:200

守:600

速:600

知:500

運:300

魔:700


スキル:魔眼、言語習得、念話


加護:最高神ヘレンの擁護

ーーーーーーーーー


(うぉっ!?頭の中に情報が流れ込んでくる。

現世で死ぬ前に見た走馬灯?みたいなもんかな…)

『そう、成功ね!この位しか出来ないけど、訓練すればもっと多くの魔法を使えるようになるわよ!それじゃ、そろそろ行くわね』

(あぁ、またな~)

ヘレンの助言は、自立思考に多大なる影響を与えた。

«スキル名:《魔眼》の解析を開始します。最適化、簡易化、昇華。……スキルの解析に多大な時間を要する可能性を確認。スリープモードに移行した後、徹底分析を開始します»

その声はエルニアに届くこと無く囁かれる。所詮は深層心理、その表面に届く事は決してない。

(はぁ、大変そうだな~!まぁ、出来そうなことからコツコツとやっていこぉ!)

無意識下に開始されたスキルの分析を知らないエルニアは、陽気な気分で出来る事を模索していく。

(まずは情報収集からかな!

場所は家?の中のベビーベッドの上。時刻は不明、両親は母親を確認、その他メイド数名の気配、それと何か明らかに強いって理解出来る存在がいるな…魂が共鳴してる…)


ーーー情報収集を習得しましたーーー

ーーー気配察知を習得しましたーーー


(あれ、これだけで覚えるんだ。案外スキルって簡単に会得できるのかもしれないな。)

実際は全く違う。《魔眼》の影響により、望む物に該当するスキルを自己形成していくのだ。

(なんというかもう1人の自分が欲しい気分だよ…気配察知と情報収集って一人だときついしな~…)


ーーー並立思考を習得しましたーーー


(あれ!?並立思考…あぁ!えと《気配察知》を常時発動にしておく。これでスキルを覚えながらも気配察知できる。まず最初は無難に自分がどんな立場なのかを理解する必要があるな。親とはいえ、それが本当の愛なのか、そしてそれが自分に害なのかを理解する必要がある。無闇矢鱈に信用は出来ない。新しい両親には面目ないけど、これは必要なことだから。)

前世の反省を存分に活かし、幸せの為に思考するエルニア。何も間違っていない、そう自分に言い聞かせる様に何度も反芻する。

(それと、誰にイジメられても抵抗できるように強くならないと。折角こうやって赤子の時点で自我があるんだ、鍛えておかない理由なんて無いもんなぁ…まずは筋トレから始まって、その後に魔法かな。取り敢えずベッドで安静にして、ベッドの外でも活動できるレベルまで筋肉が発達したら、積極的に筋トレだな。)

さて、楽しみが増えたな。

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