模擬戦
少々他に比べ短めです。長くしようとするとサブタイと関係無い所が半分以上を占めてしまいますので・・・
「一度、模擬戦をしないか?」
「模擬戦?」
追跡を諦め宿に戻る途中、ライオルドからそう提案された。
「剣の特訓をするにしても一人でやるより誰かを相手にした方が上達は早いだろう。」
「んー・・・それもそうか、よしやろう。」
そういう訳で、模擬戦を行うことになった。
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そして現在、俺がこないだ魔法の実験をしたあたりの空き地で、俺たちは正対していた。
真剣はまずいので俺は鞘を外れないようにしつつ付けっぱなしで戦うこととなった。ライオルドはモ〇ハンの大剣みたいにでかい剣で鞘が無いため大きめの布を巻いて紐で縛っている。
「勝利条件はどうする?当たったら勝ち、だと俺が有利になるが・・・」
俺の剣は片手でも振れるレベルの剣なのに対し、ライオルドの剣は両手でやっと振れるレベルの剣だ。確実に速度に差が出るだろう。
「そうだな・・・お前は速度重視で俺は威力重視だ。お前は俺の急所なら一回、それ以外なら三回当てたら勝ち、俺の方はお前に当たれば勝ち、というのはどうだ?」
「なるほど・・・分かった、そうしよう。」
俺はライオルドの設定した条件に同意し、懐から銅貨を取り出す。
「これが地面に落ちたら模擬戦開始にしよう。」
俺はそう提案する。一度やってみたかったんだよねこういうの。
「分かった。」
ライオルドは頷き、大剣を構え直す。
「それじゃ、行くぞ・・・」
俺は銅貨を跳ね上げ、すぐに剣を構えた。銅貨は高く飛び、そして、落下し始めた。
俺は集中を高め、そして銅貨が地面に当たりーー
「キンッ」
と音を立てたその瞬間に駆け出した。ライオルドも剣を右脇に構えた状態で突っ込んで来る。
「ふんっ」
リーチの関係上、相手を間合いに捉えるのはライオルドが先だ。ライオルドは、俺を間合いに捉えるやいなや、即座に剣を左に振り切った。
その速度は大剣にしてはかなり速かったが、避けれない速度ではない。俺は姿勢を低くして潜り、急所の喉を狙って突きを放つ。
ライオルドもそれを予想していたのか、大剣を振った勢いを利用し、左の方へと身体を傾けそれを回避する。
俺は避けられたと理解した瞬間すぐに剣を引き戻し胴に向かって逆袈裟斬りを放とうとするが、ライオルドが左下から剣を切り上げ初めていたため、バックステップしそれを回避する。
こちらは一発貰ったらアウトだ、迂闊に追撃するわけにはいかない。魔法が使えたら楽だがこれは剣の特訓なので使えない。
下手な大剣使いなら一回攻撃避けた後三回は攻撃入れられるのに・・・
「あーくっそ、厄介だな・・・」
「それはこっちのセリフだ、最初の突きは正直危なかったぞ・・・」
ライオルドはライオルドで俺のスピードに厄介さを感じていたようだ。
「じゃあお互い様ってことでっ!」
俺はそう言うともう一度ライオルドに向かって駆け出す。ライオルドは今度は動かず俺を迎え撃つことにしたようだ。
俺はライオルドの間合いに入る直前で右へ素早く回り込むと、脇腹に向けて右下から左上へと切り上げようとする。
が、ライオルドは俺を見逃さず左へ向かって体制を変えると剣を振り、俺の切り上げを弾いた。
「やばっ・・・」
弾かれたことで俺が少し体制を崩すと今度はライオルドが追撃してきた。左から右への横薙ぎだ。
俺はなんとか剣をその軌道上に置き、迎え撃つ。が、当然鍔迫り合いなどにはならず軽く吹き飛ばされた。
「おっとっとと・・・」
あぶねー・・・吹き飛ばされたことで距離を取れたので剣をきちんと構え直す。
つーか回り込み攻撃くらい喰らえよ、お前威力重視の癖に俺の速度に対応し過ぎなんだよ。
「まだだっ・・・」
ライオルドは俺を吹き飛ばした直後すぐに、俺を追いかけて駆けて来ている。更に追撃する気らしい。
今度はライオルドは斜め上段に剣を構え、そのまま剣を振り下ろした。
俺はそれを見てーー口角を上げる。なぜなら上から振り下ろす系の斬撃の対処は、俺の得意分野だからだ。
俺は振り下ろしに臆さず前に出ると、剣を大剣の側面に当て、受け流した。大剣は狙いを外れ、地面に叩きつけられる。
そして俺は、驚愕に目を見開くライオルドの首を狙い、剣を振った。
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「よっしゃ俺の勝ち!」
「見事に負けたな・・・」
いやーライオルドが振り下ろししてくれて良かった!生前のルティナは振り下ろしを受け流すのが得意で、その隙にカウンターを叩き込み敵を倒す、というのが得意だったので最後はそれで勝利した。
「しかし・・・お前大剣使いなのに剣振るの速すぎんだろ・・・なかなか追撃出来なかったぞ。」
「俺からしたら、お前は全体的に速すぎる。横に回り込まれた時は見失うかと思ったぞ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
あーなんだろ・・・お互いに褒めるとかなんかこう・・・恥ずいな!
「・・・一度休憩したらもっかいやるか?」
「そうだな・・・勝ち逃げはされたくないからな。」
「はは、じゃあ寧ろ引き離してやるよ!」
俺が誤魔化すように再試合を提案、ライオルドもそれに乗り、もう一度模擬戦をすることになった。
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それから俺らは昼までに五回対戦したのだが、三勝二敗でなんとか勝ち越した。勝ち負け交互に続いてたな。
取り敢えず昼になったので、軽く汗を拭いてから宿に戻り昼食を食べることにした。
「おん?ルティナにディアス、戻って来たんか。何してたかは知らんが、朝早くから大変やったな?ちょい待ちーや、今昼飯作ったるさかい!」
カウンターにいたレグルスは俺らが視界に入るとそう言い、厨房へと去っていった。あいつ気遣いはちゃんと出来るのになぁ・・・風呂覗いたりするから残念な扱いになるんだよなー。なんか傭兵団の仲間達を思い出すな・・・
俺はルティナが所属していた傭兵団のメンツを思い出しやや郷愁に浸っていると、暫くしてレグルスが昼食を持って戻って来た。
昼食のメニューはこの世界の野菜のサラダに、ホーンコッコとかいう角のある鶏のもも肉を焼いたものである。ちなみに角がある以外は前世の鶏とほぼ変わらない。
で、昼食を終えた後はまた情報収集をすることになった。フィオナや魔術師・・・ウィルミナを追跡するだけじゃ無く他にも色々な情報を手に入れて置いた方が何かあった時有利に動けるからだ。・・・と、ライオルドが言っていた。
今度は俺も情報収集することにした。いつまでもライオルドに任せきりにしておく訳にも行かないしな。そうと決まればさっさと昼食を食ってしまおう。
戦闘シーンに関して間違いが無ければ良いのですが・・・




