公爵夫人として転生しましたが手遅れでしかないです。
寝る前30分クオリティのためどこかの作者様の小説と似た要素ありかもしれません。
はじめまして、わたくしはミリエラ・フェンデ・スカーレットですわ。
…と、記憶を取り戻す前の私はそう言っていただろうね。
前世の私はしがないOL、会社に勤めて五年後に寿退社、それからは子供二人に恵まれたが…夫の浮気相手に刺されて意識が闇に呑まれて消えていった。
幸い子供は親に預けていたから、トラウマを植え付けずに済んだ。
そんな私が転生?というものを経験した先は、傲慢にして高慢、意地悪で性悪で救いようのない鬼婆。
公爵夫人としても最悪で、夫がいながら平気で違う男に股を開く、挙げ句のはてに財産に手を着けて消費するだけの寄生虫のような浪費家。
生きてる価値も無いと思う。息子にも夫にも快く思われて無いどころか、
今すぐ死ねと言わんばかりの憎悪、嫌悪を重ね、もはや殺意というモノに変わり果ててるようだ。
まぁ、夫に近づく女という女すべてを威嚇し地位を危うくし、さらに息子の婚約者の令嬢をイビリにイビってトラウマ植え付けてしまったから仕方ないと思う。
馬車に荷物とほんのすこしの金銭を放り込まれて、メイドも執事もなく、壊れかけの屋敷へ追い出されたあたりで前の記憶が溢れ出した。
いやはや、遅すぎるね、せめて結婚するまえに思い出しておけばよかったわ。
さて、屋敷が近づいてきた。恐らくは馬車も荷物降ろしてすぐに去っていくだろう。
荷物(宝石とドレス)はスーツケース?に似たものにパンパンに詰まり、五個は積んである。
ここまで買うなんて、買いあさりすぎでしょう、浅ましいわ。
案の定、荷物を乱暴に降ろし、馬車は去っていく。
これから始まる地獄、せいぜい楽しんで行きましょうか。