いくつものプロローグシリーズ「カオスバイブル」
ルードリヒ国に伝わる書物をもって遺跡に記された禁断の魔術を解読する。
両者はいずれも欠けてはならず、それが果たされなければ古代魔法の復元はかなわない。
ルードリヒ国は、ほんの僅かしか知らないこの書物の解読をするために、5度目になるセビュージョ遺跡へ兵を進めた。
その間の護衛も少なくて、魔法学者、兵を含め10人足らずで、護衛、調査を行う。知っているのは国王とほんの僅かの魔法学者だけだ。
セビュージョ遺跡まではそれほど遠くなく、歩いて20日もあればルードリヒ国から往復出来る距離にある。
ルードリヒ国から遺跡までにはいくつかの街があって、始めの4日間は街を経由して宿に泊まる。
そこで食料を調達し遺跡へ向かうのだ。
今回は5度目の調査。遺跡へ到着した魔法学者、護衛兵はその奥へ足を進める。
昼でも薄暗いその中は、異様な形をした柱、像などがあるが、とても歴史ある建造物には見えない。
壁が割れているわけでもなく、柱など倒れていない。何年経っても朽ちないこの遺跡には魔法がかけられているかの様だ。
ランタンと魔法学者の放つ光で、なおも魔法学者と護衛兵は奥へ進んでいく。
綺麗な床だ。程なく歩くと少し広い部屋に繋がっている。そこに壁面広がる古代の文字。
魔法学者はそれを過去5回に渡って解読してきた。今日はその四面の最後の面。
魔法学者が最後の行、最後の文字を解読した時事件は起こる。