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人に成る

作者: 白犬

駄文ですがもし共感してもらえたなら幸いです。

つい先日、成人式が行われた。


僕が住んでいるところは都会ではない。だから中学校はいくつかの小学校が一緒になるタイプだった。そういったタイプの中学校だったため、小学校の同級生とは中学校でも一緒だった。


僕は昔から人づきあいが苦手で連絡もあまりしないタイプだった。だからだろう、中学校を卒業した後はいつのまにか友達と連絡を取らなくなっていった。

それについて寂しくなかったといえば噓になる。けれど、それ以上にもう会ってない人間としゃべるのが怖かったのだ。

会って話すなら顔を見れば相手の気持ちがある程度推察できる。けれど携帯電話越しではわからない。人からするとそんなことと言われるようなことでも僕には怖かった。


久しぶりに会う友達はどうなっているんだろう、楽しく話せるかなといった胸が躍るような不安でドキドキするようなそんな面持ちで成人式に向かった。


久しぶりに会う友達は変わっていないようでその実、自分が知っているときとまるで変っていた。その変化が自分に時の流れを感じさせるようで少し寂しい気持ちになった。


中学校の卒業から成人式まで5年、長く感じるようで短い年月。それは青少年が変わっていくには十分な月日のようでかつての友達はそこにはいなかった。上京した友達はやはり都会に染まっていた。上京せず地元に残った子も自分が知らないところで知らない人生を歩んでいた。

かつての思い出話に花を咲かしながら、今の話をする。そうすることで浮かび上がるかつてと今のギャップ。そのギャップが僕を苦しめた。


自分はまるで変化のない人間だ。怠惰で堕落した生活が好きで変化を好まない。地元に残ったのもそういった性格だからだ。だから上京して自分の夢に向かって頑張るかつての友達や自分が知らない面を持つ友達を見ると焦りを覚えた。


成人式が終わり、同窓会が終わり、二次会を終えて帰ったころにはすっかり午前3時を回っていた。


ぐるぐると走馬灯のように自分の今までの人生が頭の中を回る。「自分はこのままでいいのだろうか」、「かつての自分は今の自分を見て恥ずかしがるのか」そんなとりとめのないことばかり考えていた。


成人式、それは大人の仲間入りをする式典。人と成り、社会に出るための準備。


自分は大人になれただろうか。

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