バタフライ・エフェクト
俺は浦島陸。どこにでも居るような卒業後の進路に悩んでる高二だ。
今は高校に登校中なのだが・・・
「はぁ...どうすっかねぇ。」
「陸さんや、何を悩んでいるのじゃ?」
「・・・っびっくりした、北斗か。その喋り方紛らわしいわ。それでも十代か?」
「ふぉっふぉっふぉっ。そんで陸さんや、もし悩みがあるんじゃったらわしにいうんじゃぞ?これでも名前に"神"が入ってるんでな。力になれるかもだぞ?」
「うわっ、急に若者になんなや。喋り方の緩急が激しいわ。」
今口調が現代に戻ってきたのは神風北斗。本人曰く名前の圧が強すぎて何をしても名前に負けるらしい。
去年まではサッカー部に入っていたみたいだが、朝練が億劫で辞めたそうだ。
ここ最近は名前負けに対抗して色々なことに挑戦しまくってるらしい。
んでもこいつにコレ言ったところでなぁ~
「北斗って卒業した後どする?」
「ん?俺は就職にする予定だけど。てことは、進路で悩んでる感じか?」
「ああ、就職か進学で悩んでてなっ!?」
びっくりした...校門のレールで躓くのなんていつぶりだよ。
「大丈夫ですか?派手に転んだように見えましたが・・・。」
ん?すっ転んだせいで足元しか見えんが北斗じゃねぇよな?
てか明らかに声が女性だし、どっかで聞いたことあるような気がするんだが。
「おう、大丈夫だけど。」
「それならよかったです。」
ああ、思いだしたわ。この人生徒会長さんだわ。
ん?いやでもさっきまで居なかったよな?
てか北斗はどこ行ったよ。
「とりあえず、何かしら怪我とかしてるかもしれないし、保健室に行っておいたほうがいいのではないでしょうか。もし、頭を打っていたら大変ですし・・・やばっ。」
その言葉と共に生徒会長さんの左手に何か見えたのだが、俺の意識はそこで途切れた。
目を覚ますと俺は教室?に居た。少し違和感を感じて周囲を見回すと、教室にしては机が少なかったり後ろの棚にパソコンが置いてあった。
もう少し周囲を見回すと生徒会長さんと誰かが話していた。
「とりあえず、これでいいのでしょうか?」
「ああ、とっさの判断も含めて上出来だ。そうだ、そろそろ彼も起きるはずだが・・・噂をすれば。」
「初めまして、私は立花。生徒会で雑務をしている。副会長にお願いされて校門で倒れていた浦島君を担ぎ、運んだ者だ」
「凄いな、女性なのに俺を担げるのか。」
「人一人担ぐぐらいなら造作もない。」
てか立花さんって副会長にお願いされてって今言ったな。
てことはあいつもどっかにいるのかね?
「私は濱島言見です。一応、生徒会長をしています。」
生徒会長さんって濱島言見って名前なんだなぁ。
ん?言見?ことみ?どっかで・・・あ。
「妹と仲良かった"ことみん"か?」
「ええ、理奈ちゃんから貴方の話は聞いてるわ。彼女曰く頼んだらなんでもしてくれるって言ってたわよ。」
「そりゃまぁ兄だからな。とりま運んでくれてありがとな。」
「ん?時に浦島君、時間的に朝礼に行った方がいいのではないか?時間的に先生方も心配すると思うのだが。」
立花さんの言った通り教室?の時計を確認すると朝礼まで五分を切っていた。
「確かにそうだな、世話になったわ。」
「・・・ってここどこなんだ?教室っぽいのは分かるんだが。」
「ここは西棟四階の生徒会室よ。時間的に西棟の階段を使うと先生と会っちゃうから東棟の階段を使った方がいいわよ。」
そう答えたのは生徒会長の濱島さんだ。
「忠告どうもっと?」
返事をしつつ立ち上がろうとしたところ右足を上手く踏み込めず転びそうになった。
「大丈夫ですか?もしかして足をひねったとか・・・。」
「ん?どうも違うようだぞ言見君。彼、靴を片方履いていないだけのようだ。」
立花さんの言う通り俺の足元を見てみると靴が片方無くなっていた。
「もしや今朝躓いたときに脱げたのではないか?流石に今からとりに行くことはできないだろうし、誰かが届けているのかもしれん。」
「だけど、流石に朝礼で靴を履いていないのがバレるとまずくないですか?」
生徒会二人の会話の傍ら、俺は落ちていた一足の靴を見つけた。
「すんません、この靴を代わりに履いていいですか?」
その靴は落とし物らしく、紙が貼っていた。ただ、俺の履いている靴と同じものであり、ちょうど無い方の靴だった。
「ふむ、その落とし物は・・・紙を見るかぎり一年経っているな。となると廃棄といったところか。これも何かの縁であろう、使ってしまっていいのでは?」
「そうですね。本来はダメですけど廃棄間近なので特例でいいと思います。書類上は廃棄にしておきましょう。」
生徒会の二人に許可をもらいその靴を履いて俺は教室に行った。もちろん、忠告通り東棟の階段を使って。
「行きましたか?」
「ああ、行ったな。」
「もしかしてですけどあの靴って?」
「彼のものだ。」
「やっぱりですか。」
「一応相違点が無いか色々確認だけしとく。また、放課後ここで。」
「ええ、また放課後に。」
立花「皆様こんにちは。あとがき担当の立花だ」
「ここでは物語にそこまで関係ない設定やらを話していこうと思う」
「今回はそうだな・・・陸君のことについて話そうではないか」
「え?本編と言い方が違うって?細かいことは気にすんな」
「あとがきに戻るが、作者曰く陸君の名字の"浦島"は「浦島太郎」を参考にしているらしい」
「事前に作者からこのあとがきの台本を渡されて流し読みしたときに亀役がいるのかどうかを聞いたのだが流石に教えてくれなかった」
「作者もあとがきで物語に関わることは言いたくないのであろう」
「陸君のほかの情報としては、工業高校の二年で専攻は化学で写真部の所属らしい」
「うちの作者はやべぇだろ?なんせここに書いてあるということは本編でそこまで意味のない設定なんだからな」
「とまぁ台本で渡された陸君の情報としてはこんなもんだ」
「つくづく思うが、よくもまぁ作者もこんな話書こうと思ったもんだな」
「ん?台本に書き忘れたからこれも読んでくれって?」
「えー。ここまで読んでいただきありがとうございます。誤字脱字等ありましたらお気軽にお申しつけください。だそうだ」
「それじゃ今回のあとがきはここまでだ。次回も私があとがきを担当する予定だ。それでは」