32:エロメンVS愛している連呼男子
エロメンではないスチュワートとの昼食は……。
ただただ、イケメンの筆頭公爵家の嫡男との甘い昼食タイムになってしまった。
あの雛鳥事件をきっかけに、心を入れ替えてしまったスチュワートは、愛の世界と儀式について一切触れなくなった。代わりに、やたらと「愛している」を連呼する。
エロメンスチュワートと、愛している連呼のスチュワート。
どっちがいいと言われたら……。
普通に。
普通に君ヒロをプレイしているなら。
どっちでもウェルカムですよ!
ただ、前者は18禁版の気配が濃厚だから、君ヒロには存在しないと思うけど。
でも私は今、暗殺者の目を気にして生きている。
スチュワートの愛している攻撃で、落ちてはダメなのだ。
ようやく昼食を終え、メリトゥス副神官長と午後を過ごすことになった時は。
予想通りヘロヘロになっていた。
予想通りだったが、その理由はエロのせいではなかったけれど。
「アメリア聖女、午前中は乗馬をされたとお聞きしましたよ。午後はゆっくりされたいのではないですか?」
メリトゥス副神官長! さすが大天使様!
分かっていらっしゃる。
「はい。実はおっしゃる通りです。普段、運動をろくにしていないためか、すっかり疲れてしまって」
するとメリトゥス副神官長は、あの穏やかな笑みを浮かべる。
「では僕のお部屋で、ウサギと寛ぎませんか? 生後一カ月のウサギが王宮で飼われているので、それを連れてきましょう」
……! なんて素晴らしい提案。
まるで前世のうさぎカフェみたいでは!?
「ただ、そのドレスでは汚れてしまうかもしれません。もし濃い色のワンピースなどがあれば、それに着替えるのはどうでしょうか? 1時間後に、お部屋に呼びに行きますよ」
もう、メリトゥス副神官長は何から何まで気が利く!
「一応、お部屋は僕の方でいいですか? もしウサギが粗相した場合、部屋が汚れると思うので。もちろん、部屋には警備の騎士が同席しますし、廊下にも警備の騎士は待機します」
「それで問題ありません!」
メリトゥス副神官長は間違いなく武術の覚えなどない。
暗殺者のことを考えると、警備の騎士でガッチリ固められた部屋の中であれば、安全を確保できると思う。その観点からも、今回の提案はパーフェクトだった。
ということで早速。
自分の部屋に戻り、濃紺のワンピースに着替えた。
ワンピースでも……やはり聖女の証である百合の花が見えるように胸元が大きく開いている。
着替えを終え、そのまま部屋で待っているとメリトゥス副神官長が迎えにきてくれた。白い司祭服ではなく、アイビーグレイの修道服姿だ。
「アメリア聖女に会いたくて、待ちきれなかったようですよ」
メリトゥス副神官長はそう言うと、私の手に子ウサギをのせてくれた。
「はぁぁぁ……、可愛い~」
桜色の耳とお鼻。つぶらな黒い瞳。そして真っ白な毛。
とんでもない愛くるしさ。
私に抱かれ、ドキドキしている様子が伝わってくる。
「大丈夫よ~。安心して」
優しくあやしながら、メリトゥス副神官長と並んで歩き、彼の部屋へと向かう。
クリスタル・パレスに滞在している男性の部屋に行くのは始めてだったが。
メリトゥス副神官長の部屋は独特だった。
応接室あたる部屋には祭壇があり、神殿に行けない時は、ここで祈りを捧げているのだろうと思えた。
「こちらへどうぞ」
案内されたのが寝室だったので一瞬ドキッとしたが、暖炉の前に前世で言うところのキッズコーナーのようなスペースが用意されており、そこに沢山の子ウサギの姿が見える。
「さあ、アメリア聖女、存分に子ウサギと遊んでください」
「はい!」
抱いていた白い子ウサギを離すと、ぴょこん、ぴょこんとジャンプして、仲間の方へと向かって行く。チェスナット色のこの子ウサギは、きっとネザーランドドワーフだ。一番元気よく走り回っている。
「あ!」
垂れ耳のブルーの毛の子ウサギが、私の足元にやってきた。この人懐っこい感じは……ホーランドロップ! 抱っこして囲いになっているベンチに腰をおろす。ふわふわして本当に可愛らしい。
「うん!」
座る私の足元にブラックの子ウサギが近づいてきた。手を伸ばしてその背に触れると……。
なんて滑らかな触り心地。
ベルベッドのような上質な手触りをしている。
これはきっとミニレッキスね。
君ヒロの制作スタッフには、ウサギ好きがいるのかな~。
いい仕事しています!
ウサギ好きの私は嬉しくなる。
デレデレになりながら、可愛い子ウサギをモフりまくっていたのだけど。
メリトゥス副神官長のことを完全に忘れていることに気づいた。
お読みいただき、ありがとうございます!
もう1話、13時までに公開します~
引き続きよろしくお願いいたします。





















































