空転
古から西へ戻る風の音が空の井戸で聞こえる。
片輪だけ軋む彼方へ行くバイクの現在地はまだ空転の空間の中。
また来る定説の雨は隠し続ける。
腕ずくは今日も富める側に立つやいなや往年の勘に照らしている。
前方だけ沈む途方へ行くボートの現在地はもう空転を抜ける。
また来る怒号の愛は誰を消し始めたのか。
軽やかに行こう必要ない歌うたい
理の風に隠れて。
ムードだけ早い晩年へ行くバスの
現在地ははや空転を越える。
また来る通説の風は感情さらい向かう。
神は言葉ばかり。
人の飢えも儘ならず。
道は光ばかり。
胸の影を誰が知る。
神は仕打ちばかり。
燃える国を通り過ぎ。
道は諭すばかり。
消える存在を誰が知る。