超能力でも変えられないもの
僕は超能力者。誰もそれは気づかない。
僕は時間巻き戻すことができる。
実際僕は二千十年から未来に進んでいない。
何故かって? 愛する人がいるから。
僕は高校に入って、初めての彼女が出来た。
名前は理沙。彼女とは席が隣だった。
彼女の笑顔に惹かれた。彼女は友達がたくさんだ。
僕と色々なとこに出かけた。テーマパーク、
プラネタリウム、花火、綺麗な夜景、色々と。
僕は彼女がとても大切だった。彼女は僕に尽くしてくれた。
大切で大切で、それが空回った。彼女の負担になった。
二年間彼女と一緒だったが、彼女は言った。
「好きかどうかわからなくなった。」と。
ずっと一緒に居るって約束したのに。
僕は泣いた。そして能力を使った。
僕は彼女と付き合った日に戻った。
でも結果は一緒だった。また戻った。一緒だった。
またまた戻った。またまた一緒だった。
決まって二千十年で別れの時を迎える。
過去に戻るという事は、彼女の記憶も巻き戻る。
もう最初の僕を知る君はいない。
今の幸せの日々は偽物の幸せ。
こんなに君を愛しているのに。君が大好きなのに。
そして僕は決断した。あの人、恋のキッカケになった席替え。
その席替えの日、僕は学校を欠席した。
次の日、理沙は僕の席の隣ではなかった。
話すこともなかった。大好きな彼女を諦めた。
僕の大好きだった一番最初の君はもういない。
僕達が付き合っていた事実も存在しない。
きっとこれでよかったんだよ。悲しいけれど。
何十年も時が経った。僕は二十歳で大学生。
道を歩いていると、困った様子の女性がいた。
僕は「大丈夫ですか?何かお手伝いしましょうか?」と声をかけた。
顔をあげた女性はなんと理沙だった。すごく綺麗になっていた。
向こうは僕を覚えていないようだった。
僕は彼女の顔を忘れるはずがなかった。
彼女の落し物を探し出し、僕は立ち去ろうとした。
すると彼女が「以前、どこかでお会いました?」と。
「気のせいです」僕は立ち去った。
「タケルくん!」
理沙が僕の名前を呼んだ。
「タケルくんだよね? 高校、同じだよね?」
彼女は照れくさそうに話した。
「実は…高校の頃、あなたの事ずっと好きだったの」
それから僕はまた彼女と付き合った。
大好きな彼女と。
でももう、何が起きてもこの超能力は使わない。
今の君をめいいっぱい愛したいから。
失恋とは実に辛いもの。
だけれども、出会いには必ず運命があると思うのです。