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女神テンセイヌ
テンセイヌは自宅のアパート二階13号室でもしゃもしゃとサラダパスタを食べていた。
トメイトゥがうまい、キャベッジもうまい、コムゥギコゥもうまい。
しかし、テンセイヌには懸念があった。
「どうしてっ、どうしてっ、アイツ……」
そう、平城のことである。
魔王のロールを与えたのに『俺は神だ!』なんて言って騒ぐ狂人。
テンセイヌはもっと王道ファンタジーな世界が見たいのに、平城が邪魔をする。
いかがなものかと考える。
神としてやっちゃいけない『転生』をさせているからあまり堂々とは動けない。
バレたら世界の管理者として処罰を受ける。
それはテンセイヌとしては嫌だ。
気晴らしにテレビをつけた。
男のレポーターの声が聞こえてくる
「……市伝説!赤い化け物は本物だったのか?山坂」プツン、と切った。
神であるテンセイヌはオカルト系の物にあまり興味がない。
水槽に入った脳みたいな哲学は好きだが。
それはテンセイヌがとても強くその哲学を知っているからである。
まあ、この物語に大して関係ないので今から、これから、特にどうして好きかなんて語ることはない。
「ああ、何でッ何でよッ何でッ」
髪を振り回しながらテンセイヌは叫ぶ。
「思い通りにいかないのよ――――!」
どん、と隣の部屋から壁を殴る音が聞こえてきた。




