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勇者の過去

す――――す―――――という息遣いを彼女はする。

安らかな呼吸だった、彼女は何年も寝たままそれを続けている。

病室のベッドの上で久川九丁という名前を持つ彼女は植物人間として

自分の意識の存在を誰にも伝えられずその一生を終えようとしていた。


子供の頃事故にあってからずっとただただ周りに生かされるだけで何もない日々。

出来ることは空想しかない。


こんな体になる前に見た本やゲームをもとに

久川は色々な世界を頭の中で描いた。

それだけが彼女のよりどころだった。


海、森、砂漠、雪山、いろいろな想像の舞台を彼女は駆けまわった。

そして色々な人と出会い色々なことを解決していった、彼女は妄想の「勇者」だった。


嘘の世界の旅をしながら無限に孤独を味わっていたのだが

そんなことをしていないと、退屈と虚無に押しつぶされてしまう。


そして、それも終わりを迎える。

病院にやってきた久川は暴漢に刺し殺された。

その暴漢は久川だけでなく他の重病患者も十数人殺害して

そして逮捕されて「社会の邪魔だからやった」と犯行理由を語った。


そして、久川はテンセイヌと会って―――――――


久川は宿屋のベッドで目覚めた、夢で過去を見たようだ。

今いるのは病院のベッドじゃない。

肩は回せるし足も伸ばせる。


「ん――――っ、動けるって素晴らしいッ!」久川は立ち上がり準備運動を始めた。

何か出来るという喜びを今日も味わうために。


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