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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない  作者: 宇和マチカ
本編2 スキル剥がし編

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68.順序立てた話を聞きたいのだけれど、そんな雰囲気でもない

お読み頂き有難う御座います。ブクマ、ご評価有難う御座います。

アローディエンヌはまだ義兄さまの腕の中で死んだふり中です。



「だから、ボクに纏わりついたの?」

「え?」


……オルガニックさんはショックだったらしい。傷付いたような声だった。

……そうよね、御免なさい。メッチャ心の中で変人だとか罵って。

でも、今の所変人で怖い人だって言う評価が変わる事が無いのだもの。

……初対面って根深いのね。嫌だわ。あの蝋燭通信がかなりショッキングだったからかしら。

いやまあ使う人に寄るよな。うん。


「アローディエンヌう、表情豊かなの……滅茶苦茶可愛い」


はっ!!つい色々話に心の中で突っ込んでたら百面相になってた!?

義兄さまは私をガン見しながらボソッと言うの止めて欲しい!!

目キラッキラさせて見つめないで!!また背中痛くなるでしょうが!!

空気読んで!!私も人の事言えなかったけど!!

今シリアスな話のクライマックス的なシーンよね?!多分!!


「……それで、ボクに皇族が纏わりついたの!?嫌がらせもそのせいかよ!?」

「い、嫌がらせなんて私はしてない!!信じてニック!!」

「でもファビエラ・マリンが僕を襲ったのを知ってたんだろ!?その後来たけど普通に接したよね!?」


……また新たな名前が。ファビエラって誰なのかしら、話の流れ的に皇族の1人みたいだけれど。

って、…………ティム様だけでなく、オルガニックさんも皇族に襲われてたの!?マジで!?

何でまた……ああそうか、王配の件で既成事実的な!?

うわあ、それは正直気の毒だわ。


「…し、知ってたけど……私は違うわ!!私は本当にニックが好きなの!私を見てくれて話してくれたのは貴方だけ!!」

「はあ!?知らないよそんな事!!

大体ボク以外も話しかけてたのに、返事もしなかったのはファーレン・カリメラだろ!?」

「だってニック以外は興味が」

「知ってたんなら何でファビエラ・マリンに手を打たないんだよ!?

何なの!?好きとか全く信じらんないんだけど!!」


……確かに、襲われた事を知ってて、放置されたら……好きだのなんだのはちょっと信じがたいわね。

……コレは、ちょっと……拙いんじゃないかしら。

ああ、フォーナがプルプルしている……。

フォーナも知らなかったのかしら。


「何もしなかったんですよ。何もせず、妹達が自滅するのを待ってた。そして数少なくなったから動き出した」

「ち、違う!!そうじゃないの!!偶然で」

「そうですか。僕とフィルル・ナコが動いてから実に迅速だったようですが。何もしていない皇女が、何かをしだすと目立つんですよね」

「……本当に、違うの……!!」


……ティム様、煽って来るなあ。

穏やかな口調なのに……恐ろしいわ。


「そうですよね、途中で変わったんですよね。レギが生まれたから、彼が皇太子だって決定した。悔しかったでしょう?」

「違う!!わ、私は皇帝になんか……!!」

「なりたかったんでしょ?第一皇女、ファーレン・カリメラ・ソーレミタイナ。妹達が憎かったんですよね?養子なのに可愛がられるフォーナを追いやったのも、貴女の口添えですもんね」

「はあ!?何、それ!?」

「……………ご、誤解よ!!」


…………話が怒濤で事情もよく判らないのだけれど。

何か……凄く平行線な感じでモメて、どんどんヒートアップしていくわね。

……コレは、どちらを信じたらいいの?カリメラを擁護しようにも、彼女を殆ど知らないし。何よりティム様の話がインパクト有り過ぎて……。

カリメラの方が分が悪いのは分かるけれど……。

オルガニックさんは完全にカリメラを敵視しているようね。

不謹慎だけれど、ティム様の煽りが上手いのかしら……。


「ファーレン・カリメラは彼を追い落とす気だった。

ほら、其処に両親が一緒の弟が倒れています。

可哀想に名前を呼びもしない、寄り添いもしない。何もせずに……彼の死を待っている」


確かに、レギ様の名前をカリメラは呼んでいなかった。

それは見えなかったのも有るだろうけど………もう埃は止んでいる。

ただ、この一方的に詰られるような言い合いの中で、レギ様を心配しろと言うのは暴論な気もするわ。

そんな余裕は生まれそうに無いと思うの……。


「違う!!レギは……!!私はレギを……!!煙で気付かなかっただけで」

「話が長い。飽きたぞ」


………………うわあ。

ル、ルディ様。

この状況下でも、変わらない王子様っぷりがキレッキレだわ……。

い、いや……け、結構今、重要なシーンよね?

それを飽きたの一言でぶった切る……。れ、レルミッド様いらっしゃらないの!?あの方がいらしたらもっとこう……どうかしら。

酷いお話だから余計キレてしまわれるかしら。

あ、義兄さま……デレデレしてたのに、滅茶苦茶顰め面だわ。

……単にルディ様がお話しになったのが気に入らんだけかもしれないけど。

そっちの確率高いな……。本当にこのふたり、遺伝子レベルを疑う位仲が悪いわね。


「……茶番はもういいか?

結局このファーレン・カリメラは何なんだ?『王女』なのか?」


……え?『王女』?

どういう事?

………カリメラは皇女だけれど、ニュアンスが違う?

さっきの白昼夢にも王女って出てたな。……まさかモブの私の白昼夢が関係有るの!?

……無さそうね。


「ああ、すみません兄上様」

「正直、血縁上の祖母の生まれ変わりなんて、気色の悪い話なんだが」


え?何?

急に異世界じゃない転生モノの話なの?

………祖母の生まれ変わりって、確かに滅茶苦茶近いな!現実味がない!!

でもさ、そんなファンタジーな話が有るの!?嘘でしょ!?


…………いや、私もオルガニックさんも異世界転生してるな。

と言うことはもしかして、この世界、転生って珍しくないの!?

と言う事は前世の話とかしても電波扱いとかされない!?

……いや、普通におかしい奴扱いされるでしょうね。まあ別に話さなくても害は無いし、変人扱いされるの困るから黙っといた方が良さそうだけど。

大体もう私の役割終わってるから前世がどーのってタイミングでも無いのよね。

何か決着するとかなら話すけど……特に何も起こらなさそうだしなあ。

それにしても話が分からん。置き去りだわ。私が理解能力のないモブだからなの?


「そうですね、僕もそう思います。

コレは『王女』の四分の一の欠片で、僕の祖父の命の半分を持っている者です」

「……よく分からんが、その皇女がお前の憎い相手なのか?」

「そうです」


ルディ様の仰る通りホントによく分からんのだけれど。

コレ、ティム王子様と一体誰が全部把握できてるの?

あ、……義兄さま?義兄さまは状況把握出来てそうね。

飽きたと公言されたルディ様と一緒で……滅茶苦茶興味無さそうだけど。

せめて他の方の表情でも分かれば良いんだけど、義兄さまが邪魔で見えないし。


「だったら何故もっと効率的にそれだけを確保しない?

お前がやった事でどれだけの被害が出ている?」


そう、それなのよ!!私もそれが言いたいの!!ルディ様ご指摘の通り!!

幾らその、カリメラを怨んでいたとしても他にやりようが有るわよねって話!!

だってどれだけ巻き込んでるの!?スキル剥がし被害に遭った人も!!


「兄上様ならお気づきかと思いましたが、関係者以外は邪魔者を一掃したんですけどね。

ああ、まあ、あの木属性の令嬢は巻き込んでしまいましたけど」


邪魔者って何……。え、100人くらい被害出てたのよね。

その人達って裏で何かやってたって事!?

ホントなら滅茶苦茶多いな!!


「私は貴方に何もしてないじゃない!!」

「そうですよ。でも仕方ありませんよね。

貴女が僕の祖父の『石』を持った欠片として生まれたんだから」


王女の欠片ってのも意味が分からないけど、石って何だろう。……何だか、さっきの変な白昼夢の内容みたいな感じだけれど。

もしかして、さっきの白昼夢……役立つ話だったのかしら。

……まさかなあ。オルガニックさんは兎も角、私がそんな予言?過去視?だかみたいな能力が有るとはとても思えない。


「わ、私そんなの持ってない!!」

「嘘つかないで貰えます?」

「じゃ、じゃあきっとレギよ!!レギに違いないわ!!レギを調べてよ!!私は悪くない!!」


え!?何を言い出すのカリメラ!!

その石とやらパクった疑惑がレギ様に有るって言うの!?

擦り付けてないでしょうね!?


「茶番はもういいと言っただろう。

それでアレキ、何時までそうしているつもりだ」

「はああああ!?」

「!?」

「はあ!?」

「……煩い」


ああああバレてしまった!!いや、元々バレていた!?

義兄さま、もうちょい申し訳なさそうにしたらどうなの!?イラッとしてるし!感じ悪いにも程が有るわよ!!

いや、まあ……あんまりすまなさそうにしてる所見たこと無いけど。

正直結構長く一緒に居る私でも会話の所々に……もうちょっと申し訳なさそうにしろよ!!ってイラッとするからなあ。


「では他に頼むか。意外とアローディエンヌは死んだ真似が上手いな」


………あ、私もか。バレてたの、ね。そ、そりゃそうよね。

さ、流石ルディ様……。

どういうご慧眼なのかしら。静かに聞き耳を立ててたつもりだけど、鼻息でも荒くなってたかしら。


「……も、申し訳御座いませんルディ様。お褒めに預かり、光栄ですわ」


ちょっと動揺し過ぎて意味分からん科白しか出て来ないな!!

で、出辛い!!ずっと居たから出辛いってのもおかしな表現だけど!!


「義妹殿……い、生きてたのか……!?」

「誰も死んだなんて言ってないだろ」

「す、すみませんサジュ様……!!」


そりゃ義兄さま何にも言って無いわよね。

私に抱き着いて抱き上げてデレデレしてたものね。死んだふりしてろって言ったの義兄さまだし。

結局義兄さまは何をさせたかったの?

私に抱き着きたかっただけとか言わないでしょうね?

……言いそう。自意識過剰にも程が有るけど、スゲー言いそうよ。

……あ、イラッとするわ。


義兄さまは私を抱えたまま皆様の方を向いてくれたけれど、……早く離して欲しいわ。

何時まで横抱きのままなんだ。恥ずかしいし!!



「……何だ、聞いてたんですか、アローディエンヌ・ユール」

「……あ、アローディエンヌ様……」


其処には、白い髪に濃い緑の目をした美少年、恐らくティム様に腕を捻りあげられたカリメラ。

距離を少し取った所にサジュ様。

土の障壁が崩れた中に、ルディ様と呆然として滅茶苦茶泣いている黄色っぽい髪に茶色の目の知らない人……あ、コレがオルガニックさんか。

いかにもなオタクかと思ったけど、意外と普通の人だな。自分もそうなのにオタクに対する偏見が有るのかしら。良くないわね。

それで、あっちの方に転がっているのは……どっかで見たグラデ頭、ロージア。

……腹立つけど、正直今は倒れてるからビンタしに行きたい気分でもないわね。

正直ロージアより後ろのブライトニアとレギ様が気になるんだけど。本当に大丈夫なんでしょうね!?


「それでティム・ジニー。アレキと僕は共闘する気はない。

だが、別々にお前に攻撃を加えることは有るだろうな」

「おふたりは底抜けに仲が悪いですからね」

「サジュ・バルトロイズもアローディエンヌもニックも、今の話ではお前に手出しはしないだろう。ファーレン皇女を助けることもな」

「でしょうね」

「「「……」」」


物理的に攻撃できるサジュ様も顔を顰めていらっしゃる。

そして、オルガニックさんも泣き顔のままだけど、嫌悪感を隠していない。

まあ、私は全く手出しは出来ないんだけど……でも、口を出せる立場でも、心境でもない。

私は思わずお腹の上のフォーナを抱きしめた。……プルプルしてるわね。

フォーナもショックよね。


……何と言うか、不思議な心境なのよね。

この人……この子供に引っ掻き回されたのは事実なのに、何故かこう……同情しているのかしら。

酷い目に遭わされた方だからってのも有るんだけど。

だって、かつて義兄さまと初めて会った時と似たような酷い状況だったわけでしょう?

義兄さまの時は私が大声をあげたけれど、ティム様は見棄てられた。

……その時が重なるというか、何と言うか。

許せることでは無いし……ふ、複雑。


「そして、過去の醜聞も正直そこのファーレン皇女もどうでもいい」

「ひっ……酷い……」

「アローディエンヌを守れなかったお前が被害者面するな」

「良かったですね、ファーレン・カリメラ。黙ったままの見棄てる者から当事者になって、眺められる気分はどうですか?」

「い、痛い……!!」


怯えたカリメラは周りを見回している。

だけど、助けの手を伸ばす人はいない。すっかりティム様のペースに呑まれてしまっている。

だけれど、このままではカリメラは害されてしまいかねない。どうしたらいいの?

……口を開こうとしたら、背中に回されていた義兄さまの手に力が入る。

見上げたら、義兄さまに首を振られてしまった。

……黙ってろって事?

……だけど……。


「だが、僕とレルミッドを虚仮にした償いはどうする?」

「ショーンと鳥番なんかどうでもいい。アローディエンヌをよくも傷つけてくれたな屑」


いや、ホントに黙ってて大丈夫な状況!?滅茶苦茶殺伐とした雰囲気が漂ってくるんだけど!!

しかし、このふたり、ホントブレないな!!

どう考えてもティム様とカリメラを諸共に葬り去ろうとしてる感じだし!!

しかも火の粉が暑いんだけど、義兄さま!!

何時の間にふわっふわ漂ってんのよ!!油断も隙も無いな!!


「まあ、正直貴方がたふたりが一番厄介なんですよね。

ですけど僕にもまだ手は有るんですよ」

「だから?」

「アローディエンヌのスキルを治すには、フォーナを元に戻さないといけませんよね?」


ぴく、と義兄さまの肩が動いた。

そうだったよ。忘れてたけど、レギ様からお聞きした……ロージアから私のスキルを元に戻すには、フォーナの力が必要なのよ。今私の中でぬいぐるみだけれど。彼女を元に戻さない事にはどうしようもない。

っていや、待てよ。……義兄さま何で知ってんの?離れてたわよね?


「レルミッド・ルカリウムはフォーナを元に戻すことを望んでいますよね。だから彼女を守っている」

「……ふみ!?」

「……ふむ、うん?」


あっ!!フォーナが喋っちゃった!!いや、確かに凄い事聞いちゃったけど!!

嘘お!!レルミッド様、今フォーナの体を守って下さってるの!?や、やったわねフォーナ!!

……ルディ様の表情は変わらないけれど……レルミッド様のお話だと、少し殺気が薄れているわ。


「取引しましょう、親愛なる兄上様にアレッキオ」


……しかし、何でティム様は動じて無いのかしら。

このふたりからちょっと和らいだとはいえ、殺気を向けられているのに……。

笑顔を絶やさないって……。


「僕はファーレン・カリメラに復讐したいので、邪魔しないでもらいたいんです。今、貴方がたに殺されたら、出来なくなってしまうので」


復讐したいから殺さないで?って、こと?

………ざ、斬新な命乞いね。

……カリメラもポカンとしてるし。


「滅茶苦茶だな」

「………それで落とし前付けろって?随分なめてない?」

「いや、意味が分かんねえし」

「……ティミー、君何考えてんだよ!!」


あ、サジュ様とオルガニックさんも首を捻っているみたい。


「でも、僕の要求呑んで下さるでしょう?でないと……ねえ」

「………信用できんな」

「全くだ」

「叶えてくださいますよね?」

「勝手にすれば」

「別に僕の財産でも何でも無いしな」


ええええええ!?

ちょ、ちょお!!

勿体ぶってた割にはアッサリ許可してるし!!酷いな!!


「義兄さま、ルディ様!!人の命の危機をそんな簡単に!!」

「大丈夫だよアローディエンヌ、ティミーはあの屑を殺すなんて言ってないよ」

「そうだな、復讐するとしか言ってないな」

「そ、そうですけど!!でもどう考えても復讐なんて悪い方向でしょう!?」

「義妹殿の言う通りだ、ちょ、おいルディ様にアレッキオ卿!!カリメラを見捨てるってのかよ!?」

「騎士サジュ。君は何故あの屑を庇うの?コレで全てが片付くのに」

「サジュの知己なのか?

だが、結構知り合いのニックですら何にも言って無いぞ」

「っ……」


……サジュ様……。

ご、御免なさい……。迂闊に口を挟んでみたけど、全く役に立たなかった!!


「さ、サジュ、助けて!!」

「カリメラ……」

「ふみいいいい!!」

「えっ!!何でアロンたんの抱いてるぬいぐるみ鳴いてんの!?」

「あっ!!しまった。オルガニックさん、今そこに突っ込むんですの!?」

「えっそこってどう言う事?!」


オルガニックさんが私に聞き返したその時……。


「……煩い駄姉ね。何時も何時も他人任せでうざったいったらないわ!!助かりたいんなら少しは自分で何とかなさいよ!!」


ごうっ、と……振動が起こった。

あ……この感じ。

良かった、本当に無事だったのね。

と言うか、この子は目覚めたら暴れるっていうのは定石なの?大人しくしましょうよ……。


「きゃああああ!!」

「うっ!!」

「うお何だよこの振動!!」

「え?振動?何?」


オルガニックさんと私と義兄さまは無事だった。

義兄さまは兎も角だけど、……何で私とオルガニックさんは無事なんだろう。

何か防護策でも有るのかしら。


「ふむ、結構痛いなこの振動は。………フロプシーか?名前が違うな。そして……フォーナは姿が違うな」

「えっ!?フォーナ!?何処にですか!?」


……ルディ様って何でお分かりになるの!?

どんだけチートなの!?流石王子様という感じで押し通して良いの?!


「やあ、フィオール・ブライトニア。相変わらず可愛いですね」

「ティム、中途半端に聞かせて貰ったわ!!」


……正直なのはいい事だけどね、ブライトニア……。

ただでさえ服が心もとないんだからもうちょっと大人しくして欲しいわ……。


「っひっ!!フィオール・ブライトニア!!」


……カリメラもブライトニアを苦手としているのかしら。

カリメラが悲鳴を上げている。

だけど、ブライトニアはカリメラには目もくれず、何故か私とサジュ様を交互に見ていた。


「アロンに其処の騎士!!」

「な、何ブライトニア……」

「なななえ、スゲーカッコの子だな……」

「と言うか何でそんなエロ…軽装なの」


そ、そうよね。さっきまで居たの弟であるレギ様だったし気にならなかっただろうけど、ここばっちり異性が居るし、……ツッコミどころが多すぎるわよね、ええ。

でもどうしようもないけど、せめて大人しくして欲しいわ……。大股開きは止めて!!


「其処の駄姉はティムにくれてやりなさい。何となく分かったから!!」

「何となくって何!?」

「何となくは何となくよ!!ティム、それで話が終わったら収束するんでしょう!」

「そうですよ。フィオール・ブライトニアは相変わらず野生の勘が働いて可愛いですね」

「あたくしが可愛いのは当たり前だし、破ったらぐちゃぐちゃよ」

「分かりました」

「ふみゅううう!?」


え?……ちょ、おい!!

軽いな!!どう言う事!?

滅茶苦茶早く何と言うか……え!!ブライトニアもカリメラを見棄てたって事!?

いやまあ、さっきまでの会話で庇うとはとても思えなかったけど!!


「ちょ、フィオール・ブライトニア!?あ、あたしを売るの!?」

「この、あたくしにオルガニックを王配に据える話を伝えなかった上に、レギに意味の解らない責任を擦り付けた駄姉は黙ってなさい。

ティムに性根をぐちゃぐちゃにされるといいわ」

「……!!」


堪りかねて……妹には言いやすかったのかしら。カリメラが叫ぶと、ブライトニアは口の端を歪めて姉に微笑んでいた。

……悪い顔だな。


「うん、やはり身内だと話が早くていいな」

「……ボクには姉を脅して売ってるようにしか見えないですよ、ルディ様」


オルガニックさんに同意するわ……。


攻略対象一番手=癖のある王子がこのゲームの仕様です。

それにしてもブライトニアは義兄さまより力業で解決しがちですね。

取り敢えず長々しい殺伐パートはこれで終わりです。お付き合いいただき有難う御座いました。

まだ終わって無いですが。


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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。とてもネタバレ気味です。
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