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恵みを与える
最奥部屋の壁際に二つの大きなテーブルが配置しておりその上に生物の実験に必要な実験器具が置かれていた。
カハルは、その間を通った。あるかつて生物だったモノに会うためである。
6メートル近くあるカプセルを目の前にしたカハルは足を止めた。
カプセルに入っている保存液。これはもし生き物が死んで腐る前にこの保存液をかけることでしばらくは腐敗しないという液体だ。
そしてそのカプセル内に人の形をした異形の姿があった。
それは暴力の塊としか言いようが無かった。
岩のようにゴツゴツとした黒い身体に人間の頭二つ分もある大きな頭をしていて、金剛石をも簡単に砕きそうな歯と全てを破壊尽くすのでよろしく
言っているような大きな腕をしている。
大昔は世界が壊れるまで暴れていたが今となっては、ただの骸であることに過ぎない。
「・・・そろそろあれを使うか」
カハルはポケットから蓋がついた瓶を取り出した。瓶の中身はどろどろとした青い液体が入っている。
カハルはカプセルの隣にあるはしごを上り、カプセルを開け、青い液体を流し込んだ。