アイ・アム・ヒア
「私」って、一言じゃない
みっともない感情をだだもらして
私はここにいる
主役を嫌がりながら
認知を欲しながら
忘れ物を探しながら
未知を求めながら
毬栗を呑み込みながら
ダイオキシンを吐き出しながら
私はここにいる
お姫さまに憧れてスカートを翻したり
天才博士に憧れて図鑑読みふけったり
深夜にラーメンすすりながら
気紛れにランニングしながら
できるだけ傷つかないように
ちゃんと痛みを感じるように
私はここにいる
鉄球つきの足枷されて踏み出す
土を抉りながら潰してく一歩が
いつかどこかの誰かにとっての
震源になってくれればいいけど
意図せずを装いながら振り撒く
なけなしの語彙で灯すジッポが
いつかどこかの誰かにとっての
防寒のお役に立てればいいけど
みっともないね
みっともないよ
そう感じるのは私だけかな
そこからはどう見えるかな
あさましいのか
いたましいのか
たくましいのか
いさましいのか
ロケットに乗りたくて望遠鏡買ったり
出版を夢見てパソコンで書き綴ったり
メイクしたままで眠りながら
香水選びに二時間かけながら
できるだけ前を向けるように
ちゃんと反省ができるように
どうしようもない感覚を引っ提げて
私は今日もここに
読破ありがとうございました。詩集『アイ・アム・ヒア』はこれにて完結です。あまり統一感がなかったように思われるのでしょうが、それもそのはず、統一感の放棄こそ、この詩集に「私」が求めた意味でした。きっかけはテーマに沿うことが面倒になったことでしたが、結果としてなかなか良い感じに振れ幅広がったかな…と思います。
次に詩集を作るときは、原点回帰でもしようかな(笑)
それでは、くだらない後書きにまで目を通してくださった読者様、ありがとうございました!




