親に鉄拳を、嫁に愛情を。
どうも、三回目なのに未だなれない。
学習能力と適応力がFランクのフユトです。
今回は次回予告と全然違うものになってしまった気がします。すいません。
ではでは、ゴミロリコンの駄文をお楽しみください。
5月7日
ナノハが家に来て早1ヶ月ほどが過ぎた。
服買った時以来、無表情を貫いているのだが
あの白いワンピースを着るときだけはちょっと嬉しそうに見える。見えるだけ。悲しいね。
ちょっと成長したのは、行為を求めなくなったことだ。素晴らしきかな。
さて、今日も今日とて会話を試みよう。
「昔の事とか教えてくれないか?」
あれれ?おかしいぞ?
ナノハの目が白いを通り超して、軽蔑になった。
これは、あれですね、土下座をするべきですね。
すいませんでした!
見よ、この黄金比を凌駕する
美しい土下座フォルム!
それを神速で完成させる、洗練された動き。
これぞ土下座の完成型。
これぞ最高級の謝罪。
勝ったな、ガハハッ。
「…………」
より、強い軽蔑を感じる。
コミュニケーション失敗ですね。
5月8日
いつもより距離を感じる。
あのミロのヴィーナスもびっくりの土下座でも物足りないらしい。
だが、この千藤己道同じ失敗はせぬ。
「なぁ、何処か行きたいところはあるか?」
パーフェクト!!
完璧な質問だろ?
「では、お母様のところに行きたいです」
完璧に間違えたようだ。
「ほ、ほんとに行くの?」
「何か問題がありましたか?」
「え、いや、問題はありませんが
じ、じゃあ明日行こうか」
5月9日
鬱なる金曜日である。
「準備はできました。さぁ行きましょう」
なんで嬉しそうなんだ。俺の努力はいったい。
まぁ、嬉しそうなのは良いことだろう。
「じゃあ、出発するか」
町まで行くのに、三時間くらいかかる。
二時間くらいたったかな。
腹減ってきた。
「ナノハお腹減ってないか?」
「そうですね、少し減りました」
「よし、何か食べてたいものあるか?」
「……が、食べたい……です。」
「ん、なんて?」
「ケーキが食べたいです。」
頬紅くしながらケーキって、ケーキって。
萌えるじゃん!
可愛いなぁ、可愛いなぁ。
「よし!ケーキ好きなだけ食わしてやる!」
「そ、そんな、いっぱい食べたいわけじゃないです!」
これだ!これだよ!幼女はこうでなくちゃ!
喫茶店って何処かあったかな。
「あ、あそこがいいです!」
そんなにケーキが好きなのか。お前から話すなんて初めてだろ。夫は嫁の成長が嬉しいよ。
喫茶シルク。ずいぶんと古い看板。
入った途端コーヒーの薫りが鼻腔をくすぐる。
アンティークな趣で、装飾もさることながら、机一つ、カップの一つから、滲み出る、落ち着いた雰囲気は、とても癒される。
「ショートケーキとコーヒー二つずつお願いします。」
はい、と店員の声透き通り。
無言の空間が形成される。
な、なにかしゃべらねば!?
「あのさ、何で突然お母さんに会いたいって思ったの?」
「え、えーと。少し用事がありまして。」
あまり、言いたくないらしい。
ならば詮索はしないのが紳士の対応。
「そう、俺もちょっとお母さんに用事があったからちょうどよかったよ。」
そこまでしゃべると
ケーキとコーヒーがテーブルにおかれる。
おぉ、美味しそう。
一番シンプルで安価なショートケーキなのに高級感が出てる。
コーヒーも良いものだ。あまり飲まない俺ですら一級品だとわかる芳醇な薫りが漂う。
「お前の目利きは正解だったな」
って、すげぇ幸せそうに食べてる。
こんな表情も出来るんだな。
ほっぺたにクリームつけて無邪気に頬張るなんて
想像もできなかった。
「俺のケーキも食べるか?」
「いいんですか?」
「もちろんだ。」
「あ、ありがとうございます!」
満面の笑み。
ほっぺたに、クリームついてるけど。
「さて、そろそろ行くか」
「はい」
喫茶店を出て小一時間。
やっと、ついたよ。つきましたよ。ついてしまいましたよ。
気乗りしねぇな。
千藤魔道具株式会社
世界有数の魔道具企業で日本では最大の企業だ。
その女社長の千藤千春は俺の母親。
その本社の堂々たる雰囲気は、さっきまで居た町並みとは、全く違い、コンクリートの圧倒的異質感がある。
不幸だな!あんなクソババァが俺の母さんだなんて!
さっさとクタバレ化け物が!
「すいません、ここは関係者以外立ち入り禁止です。」
警備員にとめられちゃった。
「千藤己道、母さんに用があって来た。」
「申し訳ございませんでした!どうぞ。」
まぁ、そりゃ驚きますよね。
8年ぶりに息子が帰ってくるなんて誰も思わないだろうし。
むしろ、一生帰ってきたくなかったよ!ちくしょう!
「ご主人様って、意外と凄かったのですね。」
意外は余計だ。
これでも俺は優秀なんだぞ。
ほんとだよ。嘘じゃないよ。
チーン
エレベーターが最上階、つまり社長室についた。
はぁ、ここから回れ右はダメですか?
すたすたとナノハは歩いていった。
逃げられないんだね。
もはや、逃がさないって感じだね。
ここはきっと超高層ビル型己道専用トラップなんですよ。
仕方がない。入るとしよう。
「四重強化魔法発動」
入る。扉を開けるとは言ってない。
右腕を全力強化。
己道はナノハを抜かし全速力で扉まで走る。
そして、怒りのままに扉を叩きわす。
無惨に飛び散った破片に同情せざる負えないほどに木っ端微塵に。
「ナノハに無駄知識吹き込んだ落とし前つけてもらうぜ!」
うぉっ!?
とっさに右へ跳ぶ。
まるで、予想されてたかの様に突っ込んだ場所。
よけてなかったら心臓一刺しの位置。
つまるところ、ベストポジションに刀があった。
後から風を斬る音が聞こえる。
「あぶねぇな!クソババァ!もうちょいで死んでたぞ!」
「それは、私の台詞よ!」
最悪の再会。
もはや、これが約束されていた再会。
「殴られる様な事ばっかしてる、あんたが悪いだろ!」
「息子に殴られる様な事した覚えはないわよ!」
「冗談抜かせ!ナノハにおかしな事吹き込みすぎじゃクソババァ!」
「誰がクソババァよ!こーちゃんが喜ぶと思ってやってあげたのに!」
「そんなイタズラが成功した悪ガキみたいな表情で、そんな言い分通るかよ!」
「嬉しかったのは事実でしょう!」
ぐうの音もでねぇ。確かに嬉しかったよ。
だが、ババァ!
「とにかく、一発殴らせろや!」
「その腕、切り落として2度とそんな親不孝な行い出来なくしてあげるわ!」
両者言い終わると、床が崩れんばかりに蹴る。
己道が千春の懐まで駆けると、勢いそのまま殴りかかる。
千春は難なく己道の右腕を刀でそらすと返す刃で右腕を捉える。
だが、捉えたはずの腕は突如として千春の視界から消える。
己道が足を強化しバックステップをとったようだ。
「「なんで、避けるのよ!」避けんだよ!」
次回 ナノハは?
ひゃっはー!
初の戦闘シーンどうでしたでしょうか?
すいません、やりたいことやった結果バトッてしまいました。
でもお母さんは殴ると言ってたんだからいいよね!
さて、ここまで読んでくださった暇な方々に
至高の土下座で感謝を表したいと思います。
ありがとうございました!