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【詩集】手になじむ詩

紫陽花のむらさき

作者: につき

紫陽花のむらさきのぬれて

おおぶりの葉のぎざぎざのゆれた

ぽつーんとおお粒に

かさなるグラデーションのたっぷりと

ふるふるふるふる

つぎからつぎへと雫

ねむるおもかげへ聞かせるように

あまだれのつきない音……

いきている木々にうるおいをあたえ

ねを伸ばさしめ めを伸ばさしめ


あめあがりの

しっとりと艶やかな

アスファルトのわれめにたまる光

青をうつして 赤をうつして

めいめつする開放感

にごり流れる川のはやさ

くさぐさに残るあまつゆのいろ

うつる透明のかげ かげ かげ かげ

ほのかな温かみをわたしに残す


とどろく雷獣のひびき

すがたはみえない金色のこえ

ちかづくほどに稲光はやく

あらしの峠をかける

むらさきの林立する閃光

まぼろしのコマ送りのように

ぴかり ぴかり ぴかり ぴかり

そこになにも残さない残像だけ

たいぼくを引き裂き、焦がしただけ


おわりではないこと

くもが去っただけのこと

あかるい太陽が虹をえがいて

なにもないところに何かをえがいて

いろに意味をもとめるのではなくて

その感情の色づきこそ

もとめるものに近いのだと

ごつごつした木の肌にふれて

そのほのかな温かみにふれて

お読み頂いてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 色や光が次々に生まれて去っていくのが目に浮かぶ、綺麗な詩ですね。 ふるふるふるふる、というのが、雨が降るという意味のほかに、雫が揺れるかすかな音だったり、紫陽花の花びらの一枚一枚の様子だっ…
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