勇者ごっこ
ポカポカとあたたかい陽が差し込んできた。
ソラが産まれから5回目の夏だ、夏と言ってもまだ春の涼しさが残っている初夏である。
ソラは今ではもう元気一杯に走り回れる年になっており、田舎の村なので少ないが近所の年の近い子供たちとあそんでいた。
「みんなで勇者ごっこしようぜー」
とひとりの男の子が意見を出した。
まだまだ子どもなので、英雄などに憧れているお年頃ならではのあそびだ。
人数はソラを合わせて5人でいる、男の子が4人で女の子が1人の比率である。
《やろーやろー》とみんな賛成をした。
「私はお姫様でいいよね」と
ソラとはこの中では一番仲良しのいい少女がいった。
男の子達は《いいよー》と適当な返事をした。
男の子達は何故適当な返事をしたかというと、男の子達にとってもっと重要な事を決めないといけないのだ。
それは、誰が勇者をやるかについてだ、これは男の子にとってはとても大事なことなのだ。
「そじゃ私を守ってくれる勇者は誰がやるのー?」と少女がみんなに向かって言うと、
《「おれが」「僕が」やりたい!》
と3人と男の子が揃って声をだした、勇者の役をやりたがって争いだした。
争っていると、少女がこんなことを言い出した。
「ソ〜ラあなたが勇者をやってみなさい」
《なんでだよ!》
3人の男の子達は口を揃えながら聞いた、そしたら少女はこう答えた、
「それは私がお姫様で助けて欲しい勇者はソラだからだよ」
と少女は言った。
すると男の子3人は《ソラに勇者の役やりたいか?》と聞こうとしてソラに目をやると、ソラは木の下の木陰で休んでいた。
そして3人はソラはどうしたいのか聞くと、
「僕が勇者役をしていいの?」
と聞いてきた、3人は当たり前だろ見たいな顔をしている。
やりたいことをやるこれは当たり前のことだ、だけどソラは優しい子なのでみんなに遠慮して言わなかったのである。
《じゃ、ソラお前はいまから勇者だ》3人はたまにはソラにも譲ってやろうと思いソラに勇者役を譲って、勇者ごっこがはじまったのである。
その勇者ごっこでのソラはとてもイキイキしていたのであった。