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ビロードのはなし  作者: min.Fa/
第一章 ビロードの風
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ビロードの風

更新しないかも。

   ――ビロードはね、とても、淋しがり屋さんなの



   ――淋しくて、昔は、ずっと泣いていたの



   ――でも、泣きすぎて、涙が枯れてしまったのよ……




        これは、この村に生まれた子供なら、だれもが知っているお話。



『なんで、そんなにさみしいの?』



   ――ビロードは、お友達がほしいの



   ――だから、もしビロードの声が聴こえたら、お友達になってあげてね



『なるよ!

 ぜったいに、ビロードとお友だちになってあげるよ!』



   ――えぇ。そうしてあげなさい。



   ――涙の枯れたビロードは、今度は哀しくなってきてね

   ――風を吹かせるようになったの



   ――たまに嵐になるときは、みんなが困ってしまうからね。


   ――ビロードに喜んでもらってくれることを、待ってるよ



 お母さんが、いつもその話を聞かせてくれた。

 私はその話が、大好きだった。

 弟はそうではないようだけれど。


『――~……~~…………』


強い風が吹いた。


――これは、「お母さんの……」声?


 弟のほうを見ると、目があった。


「そんなはず……」


 また、聴こえた。



   ――ビロードの声が聴こえたら、きっと困ってるの。



   ――傍に行って、助けてあげて。



『ビロードは、どこにいるの?』



   ――風上……。風の吹いてくるほうよ




 これはきっと、「ビロードだ!」

 弟の手を引く。


 「ビロードだよ、助けに行こう!」


 弟を引いて、声の聞こえた、風上のほうへと向かった。


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