午前1時の13分前。
僕は音楽スタジオでバイトをしている。そのスタジオも僻地も僻地。追い出されたはみ出たフーテンモノしか来ない様な場所にある。だから、金曜の夜中は変な奴が多い。何を仕事にしてるのかさっぱりわからない奴がゾロゾロとやってきて、下手な歌をジャンがジャンが下手なギターに合わせて歌ってる。
最近そいつらのせいで音楽が嫌いになってきた。へとへとだ。全員プロみたいな人が練習するはずがないのだが、明らかに鴉が首絞められて上擦って歌ってる様な、しかもラブソングだったりするもんだから全身の穴が悪寒が止まらない。気分が悪い。
スタジオの待合室みたいな場所でギターを鳴らしたり家で録音してきた下手な歌を聴かせたりしてるもんだからノイローゼになる。気分が悪い。
嫌がらせで流してるラジオを消したり冷房をガンガンにしたりするのだが、いかんせん退店していかない。僕は小心者だから静かにしてくださいませんか?みたいなことは言えない。だからババアジジイの濁声大合唱を聞くハメになる。
お前らの井戸端会議上じゃないんだからはよ帰れやボケェ
とか思っているが、賃金を貰ってる以上何も出来ないし相手は1時間500円ぐらいの金を払ってスタジオに入り、そのあと3時間とか粘る。向っ腹が立つ。なんで俺は1時間1000円貰いながら西成の喫煙所みたいな奴ら相手に金を稼がなあかんのか。
まぁ普通に就活しなかった僕が悪いし、客も何も悪くない。悲観的に捉えるからだ。もし濁声ジジイがライブなりで活動してる奴だったら無料で聞けてるだけありがたや〜ありがたや〜と思わなければならぬのか。いやはや候。そんなわけはない切り。「ウルセェ!ジジィとババァは家帰ってクソ漏らしながら寝ろ!」と釘バットでボッコボッコ殴る気を抑えつつ今日も労働に勤しむ。
めっきり気温が寒くなった。今年は忙しい年だった気がするが、特に脳は何をやったかとかは覚えていない。いつの間にかの10月で半分終わった。街中が性欲にまみれた31日が近い。ハロウィーンのことを調べようとしたら、上にハローワークが出てきた。働けとスマホからも言われる。やかましい。
多分家族とかいないからずっとここに居座るんやろうなと、憐れみの感情を抱きながら土曜午前1時を過ごしている。
明日も頑張って生きよう。明日こそ。




