四月七日
『ねぇねぇ!京ちゃん!!私!未来が見えた!!!』
突然そんなことを言ってきた彼女は、俺の幼馴染の柚月だ。
彼女はよく突拍子もないことを度々言って僕を困らせた。
「なんだよ柚木、またくだらない事で俺を困らさないでくれ、、」
『もぉ〜そっけない!私はいつでも京ちゃんには嘘つかないんだからね!!』
まったく、下らない、、。いままでだってそんな事ほとんど無かったじゃないか、いつもいつも相手にするのも疲れるほどの言動しか俺の記憶にはない。
「はあ〜〜」
深くため息をつく。
付き合ってられない。
「だったらなんだ?何が見えたって言うんだ?言ってみてくれ。」
どうせいつものように俺をからかって来るんだろう。
『私ね!!四ヶ月後に死ぬの!!!!』
「はああああぁぁぁぁ?????」
ため息と同時に隠しきれないほどの驚きの声が漏れた
なぜなら、いつも俺をからかってばかりの柚木はそんな病に侵されたりだったり死にまつわる冗談なんかは言ってきたことがなかった。と、いうよりかは言えないと思っていた。
「おい柚木、冗談でもいっていいことと悪いことくらいの分別は付くやつだと思ってたけどな」
少し失望した。
『え!京ちゃん!私は今の今まで京ちゃんに嘘なんかついたことなかったよ!』
「何言ってるんだよ!いつもいつもくだらないことばかり!相手にするのも疲れたよ!今回のことに関してはお前を見損なった!次の授業体育だろ!女子は早く着替えてこいよ!」
俺はようやく胸の内に溜まった鬱憤を吐き出せた気分になってスッキリした。
『そっか、、、京ちゃんを困らせちゃったね、ごめんね。』
なんだよその顔は、お前が悪いんじゃないか!
『今までの事は全部嘘!忘れて!!次、体育だもんね!私着替えてくる!』
なんだよ急にしおらしくなっちまって、ちょっと言いすぎたか?
いや、あいつにはこのくらい言っておかないと!!
「ああ、早く着替えてこい」
そう言って、俺は彼女の寂しそうな背中を見送った。
二ヶ月後
柚木は学校に来なくなるなんて知らずに。