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いざ、キーレンド山へ

 アルは俺達のパーティーとなってくれた事でリサに賢者の杖を作ってくれた。


 その賢者の杖は魔法を使うリサにとって打って付けのアイテムであり、魔法の効果を高めることの出来る優れものだ。


 アルは賢者の杖を作ったことに疲れを感じたのか、アルはこう言って眠りに入ってしまった。


「明日はキーレンド山に三人でパーティーを組んで出かけるからその準備をしておいてくれ、それとダイン、君にも武器を作ることにした」


「僕に武器など必要ない。俺の武器は魔法の武器、ホーリーセイバーなのだから」


「だからそのホーリーセイバーを高める武器の材料を取りに行く」


「その材料って?」


「それは最近不足しているアダマンタイトだ。アダマンタイトで君に合う武器を作ればまさに最強の武器が手に入る」


 それは良いかもしれない。フレアの事を思い出し、そろそろ嘘か本当かは分からないが大魔王ルシファーが蘇ると聞いている。だからホーリーセイバーを強化出来るアイテムを作り出せば、さらに俺は強くなれる。


 俺は他力本願で力を得ている。


 今日はギルドに行かずに俺とリサは大金貨十枚を施設の子供達に寄付しに行くことにした。



 ★




 孤児院に到着すると、孤児院の子供達は俺とリサすり寄ってくる。


「ダイン兄ちゃんにリサお姉ちゃんだ!」


「おう、お前達元気が」


「元気だよ。ダインお兄ちゃんのおかげで肉が食べられる様になったよ」


 そうか、施設長のお母さんは以前ミノタウロスを倒した報酬で、子供達にうまいものを食べさせてあげてくれたんだな。


 俺とリサは孤児で父親も母親もいない。


 それで俺達を引き取ってくれたのが俺達がお母さんと呼んで親しみを感じている施設長のシルさんだ。


 俺とリサは子供達と戯れた。


 本当に子供達は元気いっぱいだ。


 とりあえず俺とリサはシルお母さんのところに行き、大金貨十枚を施設に寄付するつもりだった。


「あなた達、このお金はどうしたの!?」


 シルお母さんは目を丸くして驚いた様子を見ている。


「はい、先日ギルドでケルベロスを討伐して得たお金です。これで子供達にうまい物を食べさせてあげて下さい」


「あなた達がケルベロスを倒したの?いったいその力はどこにあると言うの?」


 まあ力の事は置いといて、とにかく俺とリサは、シルお母さんに大金貨十枚を渡したのだった。


 シルお母さんはここの施設長としてお金に困っている。だから俺達は大金貨十枚をシルお母さんに渡した。


「そんな、本当にこんなお金を貰って本当に良いの?」


「良いに決まっているじゃないですか。俺達が今あるのはシルお母さんのおかげなのですから」


「本当に助かるわ、とにかくあなた達の話も聞きたいので、お茶でも入れるから、ちょっと待っていてね」


 そう言って奥のみんなでご飯を食べる所まで案内された。


 俺とリサはシルお母さんがお茶を入れている間、話し合った。


「良かったね、ダイン。シルお母さんがお金を受け取ってくれて」


「ああ、シルお母さんの事だからもしかしたらお金を受け取ってくれないと思っていたが、ここの施設もお金に困っていたのだろう」


「そう言えば思い出すわね。私とダインはここで出会ったんだよね」


「ああ、お前は両親を亡くしてこの施設に入ったんだよな」


「ええ、私のお母さんとお父さんは、モンスターに遭遇して殺されたんだもんね。本当にモンスターが許せないと気持ちだった。私は生まれながら魔力が高いから、賢者としてギルドの冒険者になったんだよね」


「俺は親の顔も知らずにここで育ったんだよな。もしシルお母さんが俺の事を拾ってくれなかったら今の俺は存在していないよ」


「私達良く冒険者ごっこをして良く遊んでいたわね」


「そうだな。俺とリサはパーティーを組んでいつか冒険者になろうと決めたんだよな。俺は本気で英雄を目指していたよ。でも現実は厳しかったな。俺達の様な駆け出しのパーティーではスライム討伐ばかりをしていて、生活が大変だったよな」


「それで今はダインと私はケルベロスを倒せる位の力を持ってしまった」


「なぜか知らないけれど、俺は吸血鬼として蘇ってしまった」


「本当はダインはあのフレアって言うデカ乳チビ女に助けられたんだよね。それで未知の力を手にして最強の力を手にしたんだね」


 そんな会話をしている最中に外から子供達の悲鳴が聞こえて来た。


 何事かと思って外に出てみると、ゴブリン達が子供達を襲おうとしている。


 何でこんな何もない平和な村にゴブリンが現れるのかを不思議に思った。


 ゴブリン達は口から涎の様な物を垂らして子供達を食い殺そうとしている。


 そんな事はさせない。


 そこでリサが、


「ダイン、ここは私に任せて」


 そう言って俺もリサと共にゴブリンの方へと足を向けた。


 リサが火炎魔法(ファイヤー)を唱えた所、ゴブリン達を一掃した。


 ゴブリン達を倒したのは良いが、どうしてこんなにモンスターのいない所にモンスターであるゴブリンが現れるのかを俺達は不思議に思った。


 もしかしたらフレアが言っていた、大魔王ルシファーが本当に蘇ろうとしているのかと本気で思ってしまった。


 とりあえずゴブリン達を一掃する事に成功した。


 以前の俺達はゴブリンに苦戦していたが、俺はフレアによって凄まじい力を得て、魔法使いであるリサは魔法の能力を高められる賢者の杖を持っている。


 これも皮肉だがフレアの力によって俺達は最強のコンビになれたんだよな。


 ゴブリンに襲われた子供達に怪我はないかと思って見ると、一人の子供がゴブリンに足を噛まれてしまったらしい。


 すぐに治療をしようとして、リサは回復魔法を唱えて足の怪我を治したのだった。


「これで大丈夫よ」


 とリサは言う。


「ありがとうリサお姉ちゃん」


 と子供も喜んでいる。


 そこで施設長のシルさんがやってきて、


「何事なの!?」


「いやこの近辺にゴブリンが現れたんだ」


「ええっ!?この魔物が来ないような辺境の村にゴブリンが現れるなんて」


 シルさんはゴブリンに凄く驚いている様子だった。


「とりあえず、シルさん。俺達がスライム討伐の時にケルベロスに襲われて俺は一度命をなくしてしまったんですけれど、まあ色々あって俺は命が助かったんですよ」


「そうなの!?あなたは命を一度失っているの?」


「はい」


「じゃあ、あなた達は!?」


「どういう訳か分からないけれど、俺達は最強の力を得ることに成功したんですよ」


「最強の力って、あなた達冒険者になるのはやめておいた方が良いんじゃないの?」


「どうやら、そう言う訳にもいかないんですよ。俺とリサは最強のコンビですから」


 俺とリサは胸を張ってそう言った。


「とにかく子供達があまり遠くに行かないように注意をしておくべきかもしれない」


「そうして置いた方が良いかもしれませんね。この近辺にもモンスターが現れるなんて・・・」


 シルさんは子供達の所に行って、子供達の無事を確認していた。


 この近辺も危険な所になってしまったのかもしれない。


 最近では、スライム討伐の時に現れたケルベロスの事を思い知らされる。


 本当にフレアの言うとおり、大魔王ルシファーが蘇ろうとしているのは本当かもしれない。

 何者かが大魔王ルシファーを復活させようとしている者がいるのかもしれない。


 でもフレアは言っていた。フレア自身と俺が組めば、大魔王ルシファーに敵うかもしれないと。


 けれども大魔王ルシファーは有名なおとぎ話出てくるような怪物だ。


 とりあえず俺達は、孤児院に魔物が近寄れないように結界を張ることにした。


 これでモンスターはこの孤児院を襲うことはないと思っている。


 そう言えばシルさんも昔は冒険者だと聞いていた。


 だからモンスターが現れればシルさんが子供達を助けてくれるかもしれない。


 いや助けてくれるだろう。


 シルさんがどれほどの腕前なのかは分からないが、かなりのモンスターをやっつけていたと聞いている。


 だから大丈夫だろう。


 そう言って俺とリサは明日に備えてアルの所まで帰る事にした。




 ★




 アルの工房に行くと、アルは昨日はリサの為に作った賢者の杖を作ったことにお疲れモードで眠りに入っていた。


 リサは街に出て大金貨三枚を持って魔道書を買いに行った。


 あいつも頑張り屋なんだな。また体力吸収魔法(ドレイン)を使ってアンデットの俺に回復させて、自分が犠牲になるような事はさせたくない。


 大金貨三枚なら、高等な魔道書を買うことが出来るだろう。


 ここまで俺達が強くなれたのは、現にフレアのおかげだと思っている。


 でもフレアは俺を伴侶だと言っていた。


 前世俺はフレアと結ばれていて、言わばソウルメイトの関係でもあるみたいだ。


 それはないだろう。俺にはリサと言う幼なじみがいる。


 だからフレアの伴侶になることは俺は決してないだろうと思っている。


 そう言えば、昨日アルにキーレンド山に向かうと聞いた。


 キーレンドさんは恐ろしい魔物が住み着いた場所でもある。


 でもアルを倒した俺だから俺だったらキーレンド山の魔物を退治してアダマンタイトを手にすることが出来るかもしれない。


 アルは明日に備えて眠っている。


 リサは魔道書を読んで魔法の勉強をしている。


 俺は何もする事がない。


 とにかくフレアと言う女性が俺を蘇らせ、すべての魔法を習得してしまった。


 今日は俺は明日に備えて眠ることにした。


 リディアがベットを用意してくれて俺は眠る事に。


 とにかく俺は眠って体力の温存に備えた。


 俺は吸血鬼か?満月の夜になると見境もなく相手の血を吸い尽くすまで殺してしまうと聞いている。


 もしリサの血が欲しかったら、リサは俺の手で殺してしまう事になってしまうかもしれない。


 とにかくフレアに聞きたい事がある。


 満月の夜になったら、リサの血を吸わずにどうすれば良いのか?教えて貰いたい。


 するとフレアが現れて、


「教えて貰いたいか?」


「フレア、お前どうしてここに?」


「我は汝、汝は我、お主と我は二つで一つの存在、だからお主の悩みを解消しに来た」

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