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仲間が一人増えた

「ちょっとダイン。あのフレアって言う巨乳チビは何なの?ダインの伴侶になるなんて言っていたけれども」


「俺もあんな奴の伴侶になるつもりはないよ。でも俺はあいつに吸血鬼として蘇らせてくれて、最強の力を手にすることが出来た」


「それにフレアって言っていたけれども、大魔王ルシファーが蘇るなんて冗談にも程があるわ」


「俺は奴が冗談を言うような奴には見えないんだけれどもな」


「ダインはフレアの味方なの?それとも私の味方なの?」


「それは両方だよ」


 俺は即答する。


「両方ってどういう事よ、あなたもしかして二股かけるつもり?」


「あいつがいなかったら、俺は蘇る事も出来なかったし、それにケルベロスを倒すことだって出来なかった。それでお前はフェニックスの尾を買うために淫売婦になろうとしていたじゃないか」


「・・・」


 その通りであり、リサは言葉を失う。


「とにかくお前にはあいつに言われたことを全部話しておいた方が良いかもしれないな」


「話す事って?」


「吸血鬼となった俺はあいつに最強の力を得ることが出来た。それに俺は前世、あいつの伴侶だったと言っていた。それに吸血鬼となった俺は二千年の時を生きることが出来るようになってしまった」


「つまりダインの前世の恋人はフレアとか言うデカ乳チビ女って事?」


「そうみたいだ」


「じゃあ、おかしいじゃない。なぜダインの前世の恋人が二千年生きられなかったの?」


「それは聞いてみないと分からないな」


「とにかく私は許さないわよ。ダインの妻は私なんだから」


「そうだよ。俺の伴侶はお前だよ。お前しかいないよ。たとえお前が後数十年の命であっても俺は死んでもお前の伴侶として生きるよ」


「じゃあ、私も吸血鬼になることは出来ないの?」


「それは出来ないと思う」


 するとリサはしゅんとして落ち込んでしまった。


「そう落ち込むなよ。俺は死ぬまでお前の事を伴侶として生きるつもりだから」


「・・・」


 リサは黙って複雑な気持ちに陥ってしまった。


「それよりも、リサ、話を戻すけれど大魔王ルシファーが蘇るって奴は言っていたけれどもお前はどう思う?」


「何か大変な事になってきたような気がする」


 大魔王ルシファーが蘇ったら大変な事になるのは間違いじゃない。


 フレアの勘が当たってなければ良いと思っている。


 とりあえず俺とリサはギルドに行って、ケルベロスを倒した証拠として、ケルベロスの角をレバナさんに見せた。


「本当にあなた達がケルベロスをやっつけたのね」


 周りのパーティー達は信じられない顔をしていた。


 俺達は元落ちこぼれだったから仕方がないのかもしれない。


 とにかくギルドで大金貨二十枚を手にして俺達は街に出て、防具や武器を買いに行くことになった。


「なあ、リサ、武器にも防具にも色々あるな」


「ええ、まさか私達みたいな落ちこぼれのパーティーに武器や防具を買えるぐらいの力を手に入れた事に感謝しなければね」


 とりあえず、武器は俺には必要ない。だって最強の剣を放出するホーリーセイバーがあるからだ。


 防具を買いに行こうとすると、防具屋はいろいろありすぎてどれを選んで良いのか分からなくなる。


 そんな時であった。


「お兄さんお姉さん」


 お兄さん!?お姉さん!?


 俺達の事だと思って辺りを見渡して見ると、誰もいなかった。


 俺とリサは気のせいだと思って防具を見ようとすると、また「お兄さんお姉さん」と言う声が聞こえてきた。


 今度は下を見てみると、俺とリサよりもずいぶん低い背の女の子のパルームが俺達の事を呼んでいたみたいだ。


 パルームは頭に耳が生えていて、小さな尻尾が生えている。


「お兄さん、お姉さん。防具をお探しでしたら、私の師匠の防具を見てみませんか?」


 俺とリサは何かうさんくさそうに互いに見つめ合う。


「そんな顔をしないで下さいよ。あなた達はケルベロスを討伐して、かなりの報酬を得たと情報が入って、あなた達に声をかけたのです」


 リサは怪しそうな目でそのパルームの女の子を見ている。実を言うと俺もそうであった。


「何ですか?その目は!?私は怪しい者じゃないですよ」


「で!?私達に何か防具でも売るつもり?」


「とりあえず、見るだけでも良いですから、うちの防具を見てから疑っても損はないと思いますよ」


 まあ、言われて見ればそうだなと思って俺とリサはパルームの少女の店に案内された。


 案内された場所は、路地から路地へと向かい、しかもその店は地下道にあった。


 そして店の中に入ると、凄い防具が並んでいた。


「リサ、これってアダマンタイトで出来た防具じゃないか。それにドラゴンの皮で作った魔法使いには打って付けの防具があるよ」


「お兄さんお姉さん。もしよろしければ、身につけて見ても損はないと思いますよ」


 俺はアダマンタイトで作られた鎧を身につけた。


 凄く軽くて頑丈な防具だと言うことは分かった。


 リサの方もドラゴンの皮で作られた衣を着てみると、リサは、


「ダイン凄いよこれ、さすがはドラゴンの皮で作ったことの程の事はあるわ」


「そうでしょう、そうでしょう、私の師匠である鍛冶氏にかかればこんな防具作る事なんて造作もないことですよ」


「で!?このアダマンタイトで作られた防具はいくらぐらいするんだ?」


「大金貨五枚です」


 さすがに高いだけの事はあるが今の俺達の財産だったら買える品物であった。


 そこで現れたのが、左目に黒い眼帯をして容姿は女性で赤い髪に背も高く、顔も整っていてかなりの美人さんが現れた。


「ああ、アルスロット様、お客様をお呼びしましたよ」


 アルスロットってもしかして伝説の鍛冶氏のアルスロット様の事か?


「あなたが伝説の鍛冶氏のアルスロット様ですか!?」


 俺とリサはアルスロットの事を聞いてさすがに驚いた。


「ああ、あたいはアルスロットだ。お前達は落ちこぼれ勇者に落ちこぼれ賢者ではないか!?そのような者がどうして家の店に来たんだ」


「アルスロット様、この人達はケルベロスを討伐して得たお金で、アルスロット様の防具を紹介したんですよ。そうしたらすぐに食いついて来ましたよ」


「こいつらがケルベロスを倒しただと、冗談にも程があるって物だよ」


 それで俺はアルスロットの発言にカチンと来て、


「俺達は本当にケルベロスを倒した勇者ダインであり、それに見習い賢者のリサだ」


「まあ、あたいの防具に興味を持ったのは良いが、お前達のような落ちこぼれに買わせる防具なんてないよ」


「何を言っているんですか、俺達は本当にケルベロスをやっつけたんですよ。それで得たお金でこのパルームの子に誘われてあなたの店まで来たんですよ。それにお金だってこれほどあるんですから」


「ふん、落ちこぼれ風情があたいの防具を買おうなんて百年早い。金を出したからと言ってあんた達に買わせる防具なんてここにはないよ」


「僕達は落ちこぼれじゃないですよ。それにケルベロスやっつけたのは本当の事です」


「じゃあ、お前達裏に来い!」


 アルスロットはそう言って裏庭にある広場まで案内された。


 裏庭の広場で待っていると、アルスロットは、剣を持って裏の広場に現れた。


「お前が本当に落ちこぼれ勇者じゃないか試させて貰う。それであたいに勝てなかったら、あんた達に防具を売ることは出来ない。あたいの防具はお前達みたいな落ちこぼれの勇者や落ちこぼれの賢者に相応しいか試させて貰う」


 上等だよ。そう俺とリサは目が合って、互いに頷き合う。


「ホーリーセイバー!!」


 そう言って俺は呪文を唱えて、リサは俺の援護に回った。


「お前みたいな落ちこぼれ勇者の分際でホーリーセイバーを使えるとはな!?」


 アルスロットは俺の力に驚くと思っていたが、それほど驚いた様子はなかった。


 とにかく相手は人だ。手加減をしないと俺は人殺しになってしまうのでとりあえず手加減をする事に決めた。


 俺は吸血鬼勇者ダイン、俺に敵う者など、存在しないはずだ。


「はああああああ!!!」


 そう言いながら俺は高尚な呪文である、ホーリーセイバーをアルスロットの肩を目がけて、突き刺したが、アルスロットはそれをよけて、


「どんな力を得たのかは知らないが、あたいに手加減していると本当にここで死ぬことになるぞ」


 するとアルスロットは剣の峰で俺の顔面にヒットさせたのだった。


「うわああああ!!!」


 俺はダメージを喰らってしまった。このアルスロットはただ者ではないと俺は判断して今度はアルスロットと本気で闘う事にした。


 このアルスロットと言う人物はとんでもない事は分かった。


 だから今度は本気でアルスロットに立ち向かって俺は行った。


 俺がアルスロットに剣を振りかざすと、アルスロットは俺の剣をなぎ払った。


 人間にもこんな強い奴がいるなんて俺はワクワクしてきた。


 確かに俺は最強の力を手にすることが出来たが、まだ俺自身まだ使いこなせていないみたいだと言う事は分かった。もし使いこなせていれば、こんな相手に負けるはずがないと思っている。


 リサが俺がダメージを受けて体力吸収魔法(ドレイン)を使おうとしていたが、それを俺はやめさせた。


「やめろ、リサ、こいつは俺一人の力でやっつける。だからお前は黙って見ていろ」


「分かったわ」


 アルスロットは凄く素早い攻撃をしてくる。


 だから俺は目で相手を追うのではなく、心眼で奴を捕らえることにした。


 アルスロットの力は本当に凄まじい。


 でも俺の心眼は奴の動きがとれる。


 そして、「ここだあああ!!!」そう言ってアルスロットの武器をなぎ払った。


 アルスロットは持っている武器を失い、尻餅をついている。


 そこで俺はホーリーセイバーで奴の目の前にそれを指を指すように突きつけた。


「どうやら、あたいの負けのようね」


「そうだ。アルスロット様は俺に負けたんだ。だからあなたの防具を売ってくれると助かる」


「お前は落ちこぼれなんかじゃなかったんだな。それにケルベロスやミノタウロスを倒したのは本当の事だったんだな」


「ああ、そうだ。ミノタウロスとケルベロスは俺とリサで倒した」


「ところであんたのパーティーはあなたとそこの賢者だけか?」


「ああ、そうだ」


「厚かましいお願いをするようだが、あたいもあんたのパーティーに入れてくれないか?」


「ええええええ!!!!?アルスロット様が俺達のパーティーに!?」

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