大魔王ルシファーの復活の予兆
俺とリサはケルベロス討伐のために、農作物を荒らすスライムがはびこるところまで行く事になった。
俺とリサは以前、スライム討伐の時にケルベロスと遭遇して俺は死に吸血鬼として蘇る事となった。
正直ケルベロスは俺のリサのトラウマでもあった。
でも今の俺の力ならケルベロスを討伐する事は造作もないことだと思う。
ケルベロス討伐の為に畑を荒らすスライムでいっぱいだった。
「ダイン、本当にケルベロスはやって来るのかしら?」
「そんな雰囲気じゃないな」
とりあえず俺とリサはケルベロスが現れたと思われる、畑荒らしのスライムを倒しながらのどかな畑を鑑賞する。
村の人達の情報を聞いてみると、
「ああ、何だかこのスライム荒らしの畑の所にケルベロスが現れたって情報が流れたが、俺はそんな高等なモンスターと出会った事がない」
と言っている。
他の農家の人にも聞いてみると、答えは同じだった。
確かに俺とリサはケルベロスに襲われて俺は殺されて、リサは命からがら生き残ることが出来た。
本当にケルベロスが現れる様子もないと俺とリサも思っている。
でも実際に俺もリサもそうだが、他の冒険者達もケルベロスに遭遇して怪我をしている者や死んでしまった人もいると聞いている。
でも実際にはケルベロスは現れる様子もなかった。
「ダイン、ケルベロスは出る気配はないわ。どうする帰る?」
「いやもう少し探索してみよう」
しばらく畑を荒らすスライム達をやっつけていると、雲行きが怪しくなってきた。
そう言えばケルベロスが現れた時もこんな感じだった。
すると遠くからケルベロスの雄叫びが俺とリサの耳に入った。
「ダイン!」
「ああ、リサ」
すると遠くからケルベロスが現れた。
「やっぱり噂は本当だし俺達が会ったケルベロスだ。リサ、お前は離れていろ」
「嫌よ。私も闘う。その為に魔法の勉強をしてきたんだから」
そうだよな、リサも俺の役に立ちたいと思って魔法の勉強をしていたんだ。
その力見せて貰うぞ。
そう思うながら、ケルベロスは遠くから炎を放出してきた。
俺がシールドの魔法を唱えようとすると、リサがシールドの魔法を唱えた。
そうしてケルベロスからの攻撃を防ぐことが出来るようになった。
「リサ、ナイス」
「私だって賢者のはしくれこれぐらいの魔法は使えるわ」
ケルベロスは猪突猛進に突っ込んで来た。
「まずいわダイン、ケルベロスはこちらに突進してくるわよ」
「ホーリーセイバー」
そう言ってダガーを元にして高等魔法の剣、ホーリーセイバーを唱え、剣を放出した。
ケルベロスはミノタウロスとは違い、それよりも強いと聞いている。
しかしどうしてこんなのどかな農村にケルベロスが現れたのか不思議に思った。
ケルベロスが突進してくる。
さすがの俺もそれには対応にこまねいた。
するとリサは、重力を操る呪文を唱えた。
「重力を司る魔法よ。今こそその力を見せてあげて、グラビティーホールド」
するとケルベロスは重力の魔法グラビティーホールドにかかり、地面にめり込んだ。
「今よダイン。そのケルベロスをやっつけて」
「分かっている。ホーリーセイバー」
そう言ってグラビティーホールドにかかったケルベロスに攻撃を仕掛けた。
しかしケルベロスは俺のホーリーセイバーをその口の刃で噛み止めた。
やっぱりケルベロスはミノタウロスとは違い、その強さは圧倒的だ。
すると今度はケルベロスからの攻撃を受ける羽目になってしまった。
ケルベロスは口から炎を放ち、俺に攻撃を加えて来た。
「うあああああ!!!」
これはやばいかもしれない。
いくらフレアと言う吸血鬼としての力を持っていたとしても俺にはケルベロスには敵わないのか?
そんな時だった俺の胸に何かが響き始めた。
『勇者ダインよ。何をためらっている。お前の力はそんな物じゃない。さあ、立て、そしてケルベロスを倒すのだ』
ドクンと心臓に何かが響いた。
そして俺は叫んだ。
「うおおおおおおお!!!俺はお前なんかに負けるわけにはいかないんだ」
するとリサは俺に体力吸収魔法を俺に放った。
リサは何を考えているのか、俺の体力を奪って何をする気だと思っていると、リサは人間であり、俺はアンデットだ。
アンデットの俺に体力吸収魔法を使ったリサは俺は体力が戻って、リサは遠くで吐血をして、苦しんでいるようだ。
「ダイン、あなたはアンデット、アンデットに体力吸収魔法を使えば、私の体力は失われるが、ダインは回復するはずよ」
そう言う事だったのか?この数日間でリサの魔法は驚異的に上がっているのが分かった。
でもリサの事が心配だった。
でも今はそんな事を気にしている場合じゃない。
このケルベロスをやっつけるのが、今俺がしなければならない事だ。
リサには負担をかけてしまった。
それよりも、俺はケルベロスをやっつけるしかないと思っている。
「リサ、今行くからな!」
俺はメテオストライクを放とうとして呪文を詠唱した。
俺を吸血鬼として蘇らせたフレアは言っていた。
究極の魔法、隕石の打撃を放つ事が出来ると。
「見てろよ、隕石の打撃!」
するとケルベロスの上空から隕石の様な物が落ち、ケルベロスに攻撃を与える事が出来た。
ケルベロスは断末魔をあげて砕け散った。
「倒したか!?」
さすがの俺も少々疲れ果てていた。
この隕石の打撃はかなりの魔法量を使う事になっている。
それよりも俺に体力吸収魔法を放ったリサの事が心配だった。
俺はリサの方に行く。
「リサ!」
「ダイン!」
リサは弱々しい声で俺に言った。
「リサ、しっかりしろ」
そう言って俺は体力を回復できる魔法を唱えた。
するとリサはすぐに元気を取り戻してくれた。
俺はそんなリサを抱きしめた。
「ちょっとダインどうしたの!?」
「俺はリサが死んでしまったら、俺は生きて行けないよ。頼むから妙な無理だけはしないでくれ」
「ちょっとダイン、大げさ何だから、私は賢者としてのはしくれよ。体力吸収魔法はダインに取って効果的な魔法だと思ってミノタウロスで儲けた魔道書で勉強して極めた魔法なんだから」
「とにかくどうしてこんな穏やかな畑が並ぶ所にケルベロスは現れたんだろう」
「それで何人かのパーティーが負傷したり、死んでしまった人もいるみたい」
「悲しいことだな。とにかくギルドに戻ろう。ケルベロスをやっつけた事でまた多大な報酬を貰えるようになると思うからさ」
「スライム討伐の為に何人かの犠牲者や死んだ者までいるみたいじゃない。いったいどうなっているの?」
リサは悲しそうに涙を流している。
「俺にも分からない。どうしてこの穏やかな土地にケルベロスが現れたのか?」
そんな時である。フレアが現れた。
「フレア、どうしてお前がここに」
「ケルベロスをやっつけた様ね」
「ああ、お前に授かった吸血鬼として、それに相棒のリサとケルベロスをやっつける事に成功したよ」
そこでリサは、
「そこの巨乳チビは何よ」
「私の名前はフレア、ダインとか言う者の伴侶となる者よ」
「何を言っているのよ。ダインの伴侶となる者は私以外に誰もいないんだから」
フレアに飛びかかろうとしているリサを俺はこの両手で取り押さえた。
「とにかくリサ、落ち着け、俺やお前が敵う相手じゃないし、こいつは敵か味方か分からないけれど、何もしなければ大丈夫だ」
「そうね、大丈夫、私は何もしなければ何もしない」
「所でどうしてこんな穏やかな土地にケルベロスなんて現れたんだ」
「詳しいことは分からない。もしかしたら、大魔王ルシファーが蘇ろうとしているのかもしれない」
「大魔王ルシファーって架空の人物じゃないのか?」
「大魔王ルシファーは架空の人物じゃないわ」
「じゃあ、架空の人物じゃないと言ったら、大変な事になるんじゃないか?」
「確かに大変な事になるわね。私も詳しくは分からないけれども、この頃、モンスターの力が強まっている。そして、モンスター討伐に出かけた者も強いモンスターに殺されているみたいよ」
このスライム討伐に出かけた者も、こうしてケルベロスに殺された。
そして俺もその一人で、フレアに俺は助けられた。
「でも安心して、私とあなたなら、大魔王ルシファーを倒すことは不可能な事じゃないわ」
「でもまだ、復活したとは言っていないよな」
「復活したら、この世の破滅よ。でも私とあなたなら、大魔王ルシファーに太刀打ちする事が出来る」
そこでリサが口を挟む、
「ちょっとさっきから私の事をかやの外にして話していない?」
「あなたには大魔王ルシファーには及ばない。人間風情が大魔王ルシファーを倒すなんて事は出来ないわ。でも私とダインなら、大魔王ルシファーに敵うかもしれない」
「大魔王ルシファーっておとぎ話で聞いたことがあるが、とんでもなく強い奴なんだろう。そんな奴に俺達が敵うのか?」
「今のあなたには無理ね。それに私の力にも及ばない。もっとモンスターを倒してレベルを上げて力を上げなさい。さすれば大魔王ルシファーに敵うかもしれない」
そう言ってフレアは消えて行った。
「ダイン。話したい事がたくさんあるんだけれども、とりあえず、ギルドに行って、ケルベロスを倒した報酬を貰いに行きましょう」
リサがそう言うので俺とリサはギルドに行って、ケルベロスを討伐したことを告げると、レバナは信じてくれたが、周りの連中は相変わらずに俺のことを落ちこぼれ勇者と言って信じる者は少なからずにいた。
でもそんな奴らの言っている事を気にしている場合じゃない。
大魔王ルシファーが復活しようとしているんだ。
とにかく俺達はケルベロス討伐で大量の金貨を得ることが出来た。
その金貨を俺とリサで新しい防具や武器を買うことにした。
信じられないが、いや信じる者はいないかもしれないが、大魔王ルシファーは復活しようとしている。でも俺とフレアなら力を合わせれば倒せると言っていたが、それは本当のこのなのか分からない。
大魔王ルシファーのおとぎ話は、歴史を刻む者までいないとされている。