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信頼ある仲間達に囲まれて

「ダイン、何怖い顔をしているの?とにかくリディアが朝ご飯を作ってくれたのでそれをいただきましょう」


「ああ」


 俺とリサは食卓に行き、リディアが作ってくれた朝ご飯を食べることにした。


 食卓には香ばしい匂いがしてきて、本当に食欲をそそる。


 朝ご飯はビーフシチューにパンだった。


「みんなたくさん食べて下さいね」


「アルはリディア!?」


「アルスロット様は今、アダマンタイトでダイン様の武器を作っている最中です。あの人が武器や防具を作ることに没頭している時は話をかけてはいけない約束なのです」


「昨日から武器を作っているみたいだけれども、体力は持つのか!?それに昨日はキーレンド山から帰って来たばかりなのに、大丈夫なのか?」


「アルスロット様なら大丈夫です」


 リディアの言葉を聞いて俺は安心していた。


 それよりも今日は満月の夜が待っている。


 とにかく俺は自分を信じて、三人の血を吸わないようにしなければならない。


「どうしたのダイン!?そんなに今詰めた顔をして」


 ここで俺は二人に話して置いた方が良いと思って、二人に語ることにした。


「実を言うと、俺は吸血鬼でアンデットだって事は二人は知っているよな」


「ええ、知っているわよ。アンデットでも吸血鬼でも私はダインはダインだと思っているよ」


 リサはにっこりと笑って俺に話しかけてくれた。


 本当に伴侶に相応しいのはリサなのかもしれない。


「俺は満月の夜になると理性をなくしてリサやリディアにアルを襲って血を吸い尽くして殺してしまうかもしれないとフレアに忠告を受けたのだ。そして今日がその満月の日で三人の血を吸い尽くしてしまうかもしれないんだ。だから三人とも今日の夜、俺に近づかない様にしてくれないかな?」


「私はダインを信じているわよ。ダインの優しさは私が良く知っていることだから」


「でも俺は今、二人の血を吸い尽くしたいと思っている。これが今日の満月の日になったら俺はお前達の血を吸い尽くして殺してしまうかもしれない」


「ダイン、だったら私の血を吸って」


 リサは穏やかな表情で俺を見る。


「お前は俺に殺されても良いのか!?」


「殺されたくはないけれど、私はダインを信じているからね」


 俺が三人を殺そうとしてもこんな仲間がいる事に本気で喜んでいた方が良いかもしれない。でも現実は違う、そんな仲間を思いやる気持ちは命取りになる。


 けれどもリサの優しさに俺は感動をしてしまう。


「じゃあ、俺は理性をなくしてしまう今日の満月の夜の日に、俺は森の中で待機しているよ」


「ダインがそう思うならそれで良いんじゃない?」


「分かった俺はもう何も言わない。俺は今日は森で過ごすことにするよ」


「私はダイン様をいい人だと思っています」


 リディアが言う。続けて、


「ダイン様はあのアルスロット様に認められた人ですから。あの人がダイン様のパーティーに入れて貰いたいと言ったときは本当に胸を打たれました。アルスロット様は認めた人にしか、武器や防具を作りません。だから今日はダイン様はダイン様の言うとおり、森で過ごして下さい」


「ありがとうリディア」


 そう言って俺は朝ご飯を食べて、森に出かける事にした。


 俺は森の奥へ奥へと進んでいった。



 ★



 そして夜、俺はフレアの言われたとおり、理性をなくして血を吸いたい気持ちに駆られてしまった。この衝動はとにかく抑えきれない状況だった。


 本当に森の中でいれば良かったのかもしれない。


 しかし森の中にモンスターが出没していた。


 そのモンスターはミノタウロスであった。


「どうして、こんな所にミノタウロスがいるのか疑問に思ったが、俺はホーリーセイバーで一撃で倒す事に成功した」


 その他にもオークの大群やら、こんな低レベルのモンスターしか現れなかった森の中になぜ、ミノタウロスやオークの大群が現れるのか不思議に思っている暇などなかった。


 俺は理性をなくしてモンスターをなぎ倒して、夜を過ごすことになった。


 俺の本能は人間に近いエルフやリディアのようなパールムの血を欲している。


 俺は人間の血が吸いたい。


 そう思いながら、森を抜けて、アルの工房に辿り着いた。


 リサを見つけた瞬間だった。


 リサは魔法を唱えようとしている。


「水の精霊ウンディーネよ、あの者に回復の魔法を」


 リサに回復の魔法をかけられて、アンデットの俺は体力が大幅に削り取られて、俺は立つこともままならず、それでもリサやパルームのリディアやアルの血を吸いたい気持ちに陥ったが、それほどの体力は持ち合わせてはいなかった。


「俺に、血をくれ!?」


 と俺は叫んでいた。


 だが俺はリサのおかげで体力を奪われて、血を吸う体力は残っていなかった。


「お、れ、に血を」




 ★




 目覚めると朝だった。それに布団の上で俺は眠っていた。


 俺はどうしてこんな所で眠っているのか不思議に思ってしまった。


 俺はリサに回復の魔法をかけられて、血を吸いたい気分に陥っていたのだった。


 でもアンデットの俺にリサは回復の魔法をかけて、俺を弱らせて吸血鬼としての本能を回避してくれた。


「ダイン。大丈夫、私は致命傷にならないようにあなたに回復魔法を使って、ダメージを与えたのだけれども、賢者の杖のおかげで強い回復があなたをダメージに陥りさせたのだけれども」


「ああ、俺は満月の夜になると理性を失い本能でお前達の血を吸いたがってしまう性分に駆られてしまう」


「だから私はあなたに回復魔法をかけた」


「そうか、それは本当に良かった」


 俺は満月の夜をアルやリサやリディアの血を吸わずに済んだことに良い仲間を持ったことに自負してしまう。


 そこでアルが、やってきた。


「よう。ダイン、吸血鬼で満月の夜になると誰かの血を吸わずにはいられなくなるみたいだったけれど、あなたは良い仲間を持っているな」


「ああ、リサやアルやリディアは俺の仲間だ」


「それよりも出来たよ」


 何が出来たのか布に包まれた物をアルは俺に渡してきた。


 俺はそれを受け取って中身を見てみると、凄くきらびやかな剣であった。


「これは!?」


「これは以前言っていたエクスカリバーだよ」


「なるほど、アルはキーレンド山にアダマンタイトを手にしたら、エクスカリバーを作っていたんだね」


「ああ、これと君が使うホーリーセイバーをかけて使えば君は最強の力を手にしたことになる。試しに訓練所で待っているから、目が覚めて食事が済んだら、来てくれ」


 俺は言われたとおり、リディアが作ってくれた朝食をいただいて、俺はアルの言うとおり、エクスカリバーを持って訓練所に行った。


 アルは何も武器を持たずにそのまま突っ立っていた。


「さあ、ダイン、そのエクスカリバーに君のホーリーセイバーをかけて見なよ」


 俺はエクスカリバーにホーリーセイバーをかけてみた。


 すると凄まじい程の力が俺に宿った事が分かった。


「凄いよこれ、これがエクスカリバーの力?」


「そうだ。君は本当に最強の力を手にした事になる」


 凄い俺はもう誰にも負けない気がしない。


 これならルシファーが蘇ろうとしても倒す事が出来るかもしれない。


「早速だが、ギルドに行かないか?」


 俺は唐突にそう言った。


「そうだな、あたい達でダイン君の力を試しに行こう。それとリサ、君にもあたいから作った防具を身につけて欲しいと思っているんだけれども良いかな?」


「何、アル!?」


「これさ!」


「それってブルードラゴンを倒したときの皮じゃない」


「そうだ。ブルードラゴンの衣さ、これを装備すれば、私が以前作ったレッドドラゴンの衣より防御力がアップして魔法や吹雪や炎を受けても軽減が出来る」


「本当に私達にこんな凄い物を貰って良いのかしら」


「何を言っている、あたい達は最強のパーティーだよ」


「最強のパーティーかあ、何かしっくり来るね、ダイン」


「だな」


 そう言う事で俺達はギルドに向かうことにした。


 ギルドに到着すると、ギルドにはあまり人がいなかった。


 ギルドの案内人のレバナさんによると、どうやら最近、スライム討伐の時も、オークを討伐する時も強いモンスターが現れて、冒険者が次々と強いモンスターにやられてしまっているらしい。


 そこで張り出されている魔物討伐のビラを見てみると、ホワイトドラゴンやアンデットドラゴンにキングベヒーモスと言った貴族でも倒せないモンスターが張り出されている。


 しかもそれらのモンスターを倒すと凄い報酬が貰えるらしい。


「あなたはアルスロット様」


 レバナさんが言う。


「ああ、あたいはアルスロットだ。ダイン達に最強の武器を提供したので、どんなモンスターもあたい達で倒す事が出来る」


「それはそうでしょうね。あなたの武器や防具は一級品だもん」


「それよりもダイン君。今日はどのモンスターを倒しに行く?」


「片っ端から倒しに行こうよ」


 俺達はレバナさんに片っ端からモンスターを倒しに行くことにした。


 今まで俺達をバカにしていたパーティー達は俺達の姿を見て驚いていた。


 本当にモンスターの強さが増している。


 本当にフレアの言うとおり、大魔王ルシファーが蘇ろうとしているのか?


 とにかく大魔王の事は置いといて、俺達は早速ホワイトドラゴンの依頼を受ける事にした。

 ホワイトドラゴンはスライム討伐の時に現れるらしい、しかも農村の人達はホワイトドラゴンが現れて滅ぼされた村まであると言っている。


 ホワイトドラゴンを討伐に出かけて行った俺達は、村は閑散としていた。


 人もいる気配もしない。


 そんな時子供がいて、泣いていた。


「どうしたの?」


 とリサが子供に声をかける。


「お父さんとお母さんが白いドラゴンに殺されてしまった」


 さすがの俺もそれを聞いてショックを受けてしまった。


 子供はホワイトドラゴンに怪我を負わされたのか?子供は怪我をしていた。


 そんな怪我をした子供にリサは回復の魔法を唱えて、子供の回復に勤しんだ。


「リサ、その子は俺達がいた孤児院につれて行った方が良いかもしれないな」


「そうね。この子がかわいそうだわ」


 そう言ってリサはその子を抱きしめた。


「とにかく、君、俺達が君のお母さんとお父さんの敵を討ってあげるからね」


 最近本当に強いモンスターが現れる事にやはり大魔王ルシファーは蘇ろうとしているのか?


 フレア教えてくれ。


 そう人知れず心の中で呟いた。

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