最強の武器の材料アダマンタイトを求めて
「つまり、俺とフレアは同じって事」
「そう言う事になっている。汝は我、我は汝」
「それよりも、満月の夜が近い、俺とお前が吸血鬼である以上、満月の夜になると血を吸いたくなり、理性を失って人の血を吸いたくなってしまうんだろう」
「まあ、そうなるな」
「どうにかならないのか?」
「どうにもならぬ。とにかく今日の所は我は退散しよう」
「フレア!」
そう言うとフレアはいなくなっていた。
俺は満月の夜が恐ろしく思ってきた。
最強の力を得たのは良いが、満月の夜になると俺は理性をなくして近くにいるリサやアルの血を吸い尽くして殺してしまうかもしれない。
満月の夜まで後少し、とりあえず俺は満月の夜になったら、リサとアルから離れた方が良いかもしれない。
俺は満月の夜を酷く恐れた。
そろそろ日が暮れようとしている。
明日はアルとリサと俺でキーレンド山に登りに行きアダマンタイトを手にするために備えなければならない。
日が暮れそうな時に俺とリサはアルが済む工房へと向かった。
とりあえず満月の夜の事は置いといて、俺達は明日キーレンド山に向かい最強の武器を手にするアダマンタイトを手に入れに行かなければならない。
★
夜になると俺は窓の外から除いてくる満月になりかけた月を見上げる。
すると無性に血が吸いたくなってきた。
リサの方を見ると、俺は無性にリサの血が吸いたくなってきた。
「どうしたのダイン。そんな怖い顔をして」
「俺、怖い顔をしていたか?」
「うん。凄い怖い顔をしていた」
俺の伴侶となるリサの血を吸い尽くしてしまったら俺はどうしようか考えさせられる。
こうなったら、最強の力はいらずに最強の吸血鬼としてではなく、非力でも良いから、吸血鬼として蘇ることに対してフレアを密かに恨んだ。
そして誰にも訪れる朝がやってきた。
今日もアルの家にやっかいになっていた。
俺は起き上がり、リサとアルとリディアはキーレンド山に向けて出発しようとしている。
「おい、ダイン、そろそろ出かけるぞ。お主の最強の武器を作るためにアダマンタイトを手にしに行くぞ」
「ああ、分かった」
そう言って布団から出てアダマンタイトで作られた鎧を来て、出かけることになった。
キーレンド山は恐ろしい魔物が住んでいると聞いている。
とりあえず俺達は出かけることになった。
キーレンド山は強いモンスターが現ると言う山で有名だ。
本当の事を言うと俺とリサはその様な力を持つ者ではない。
キーレンド山の麓に行くと、最初に遭遇したのがオルトロスだった。
オルトロスはケルベロス程ではないが、強いモンスターと称されている。
「ダイン。戦闘態勢になって!あたいとリサはあなたの援護に向かうよ」
「ああ、頼むよ」
オルトロスは炎を吐き出した。
それをシールドの魔法で防いだ。
その時、リサは、
「グラビティーホールド!」
そう唱えて、オルトロスの動きが止まった。
「今よ、ダイン」
そうリサは言って、
「うおおおおおおお。ホーリーセイバー」
そう言って、オルトロスのホーリーセイバーを振り落とした。
そしてオルトロスを倒すことに成功した。
なかなか強いモンスターが現れるキーレンド山だ。
「さあ、アダマンタイトを取りに向かうわよ」
俺は一番負担がかかる、戦闘に立ち、二番手にサポータのリディアと三番目にはリサ、そして最後には、二番目に負担がかかるアルがたった。
俺達はキーレンド山の麓を抜け、キーレンド山の森へと入っていった。
なぜだろうか?キーレンド山に向かう途中で魔物の数がやたらと多い、俺はモンスターに遭遇する度にリサとリディアとアルに助けられながら魔物を倒していった。
「なぜか魔物の数が増えているみたいね。以前あたいがキーレンド山に言ったときはこんなモンスターは出ることはなかった」
「やはり、大魔王ルシファーが蘇ろうとしているのか?その事が原因だと思う」
「大魔王ルシファーって、おとぎ話に出てくる魔王の事よね」
「そうらしいのだけれども、俺も信じられないが本当かもしれない」
「それじゃあ、早速アダマンタイトを見つけてダイン君には最強の武器を作ってあげなければね」
俺達はキーレンド山の森林限界まで行き、ここまで来たら、さすがに寒くそんな時、サポーターのリディアがミントのコートを僕とリサとアルに渡してくれて、それを着ることになった。
「助かったよリディア」
俺がそう言うと、アルが、
「リディアは私が一番信頼しているサポーターだよ」
なるほど、俺達はアルを仲間にして良かったと思えた。
「よしこのまま行ってアダマンタイトを手にしに行こう」
その時、ケルベロスに遭遇してしまった。
「ケルベロスなら任せて」
リサが言う。
「グラビティーホールド」
そう言ってケルベロスは身動きがとれなくなって、そこでアルが剣を取り出して、ケルベロスの頭を突き刺した。
俺達はこれだけのモンスターを倒したのだ。
きっとレベルもアップしているだろう。
「さあ、みんな先を急ぐぞ」
アルはそう言って俺を先頭にして、アダマンタイトを手にしに行くことになった。
吹雪が舞うキーレンド山、ここの頂上にはアダマンタイトがあると言われている。
本当にキーレンド山は恐ろしい所だと痛感させられる。
「凄い吹雪だ。視界が全く見えない」
「とにかくキーレンド山はこんなにも吹雪が舞う所ではなかった。やはり魔王ルシファーがあたい達の邪魔をしているのか?」
「それは分からないが、魔王ルシファーはおとぎ話で出てくる魔王であり、俺は疑っているのだけれどもな」
「とにかく行くしかない。キーレンド山の頂上にはアダマンタイトがあるからな。それさえ手に入れれば、ダイン君の最強の武器が作ることが出来る」
俺の最強の武器かあ、何か人知れず俺は楽しみにしていた。
とにかく俺は英雄になりたいのだ。
でも俺の力は吸血鬼として蘇り、最強の力を得たのだ。
その事に関して思うと、俺は努力をしてこの最強の力を得たのではない。
でもフレア話によると、俺は前世吸血鬼であり、吸血鬼フレアの伴侶として吸血鬼として力を得ることが出来た。
今はそんな事はどうでも良い。
とにかくアダマンタイトを手にして、俺の最強の武器が手に入る。
キーレンド山の頂上を目指すのは良いが、強い魔物との遭遇によって、俺とアルは大丈夫だがリサとリディアが死にそうな顔をしている。
俺はリサとリディアに回復魔法である力を発揮して、回復に二人に務めた。
そしてキーレンド山の山頂に到着して、そこにはブルードラゴンが待ち受けていた。
「そんな、なぜブルードラゴンがこのキーレンド山に出没しているのだ」
アルは驚いている。
ブルードラゴンは眠っている。
その眠っている隙にアダマンタイトを手にしようとした時に、ブルードラゴンは起き出した。
ブルードラゴンが目を覚めて俺達の方を見ると、凄い咆哮を上げて、俺達に襲いかかって来た。
ブルードラゴンは灼熱の炎をはいて、それを俺とリサはシールドの魔法で回避したが、すぐにシールドの魔法はブルードラゴンの炎に打ち破られて、俺とリサはダメージーを喰らってしまった。
いくら最強の力を得たからと言って、ブルードラゴンには勝つ自信はなかった。
その時、リサは立ち上がり、呪文を詠唱し始めた。
「死神よ、その力を我らの味方に聖なる死を与えよ」
どうして俺にリサは死神の魔法である死の魔法を唱えたか、分からなかった。
するとリサが詠唱した死神が現れた。
死神を見たのは初めての事だった。
死神は幼女でフレアの様に幼い顔立ちをしていて、とても俺が想像していた死神とは思えなかった程だった。
そしてリサが詠唱した死の魔法である、死神にその持っている死神の釜で突きつけられてしまった。
さらにリサのやっていることは仲間割れだと思ってみると、その死神の釜に俺の急所をヒットさせると、体力が漲ってきた。
なるほど、そうやって俺に死神の魔法を唱えて俺を回復させようとしたのだと思った。
死神の魔法はかなりの魔法力を使うためにリサの魔力は潰えてしまったのだろう。
リサは倒れて俺はとりあえず、ブルードラゴンがアルが対応している時に俺はリサとリディアを安全な所に避難させた。
「リサ、ありがとう。アンデットの俺に死の魔法を使って俺に回復させるなんて凄い粋な事をしてくれるじゃないか」
「わ、私だって、ダインのパーティーよ。それに私は賢者の見習いだけれども、こうしてダインの役に立つことだって出来るんだから」
俺はそんなリサに親指突きつけて、背後にいるブルードラゴンを倒す事に専念した。
「ホーリーセイバー!!」
そう言って最強の魔法の武器であるホーリーセイバーを唱えて、ブルードラゴンの元へと走って本気でやっつけてやると思って、ブルードラゴンに立ち向かった。
ブルードラゴンは灼熱の炎をはいて俺に襲いかかって来たが、もうその手には乗らないと思って、ブルードラゴンに立ち向かった。
ブルードラゴンは普通の冒険者の者では倒せない者だと聞いている。
もしここで俺がブルードラゴンを倒したら、ギルド内は俺が英雄扱いされる。
それはそれでおいしい事だと思ってブルードラゴンに立ち向かう。
俺はブルードラゴンに致命傷を与えようとして、ホーリーセイバーを構えて、その胸に切りつけた。
それでも死なないブルードラゴン。
でもブルードラゴンに致命傷を与えられたが、ブルードラゴンは回復魔法を使って、自分を回復させ再び俺とアルの所に襲いかかってきた。
ブルードラゴンは、羽を羽ばたかせて、俺達を吹き飛ばそうとしている。
でもそんなのはシールドの魔法を使えば済むこと、そんな突風の攻撃は俺達には通じない。
「さあ、ダイン君、このブルードラゴンをどのように倒せば良いと思っている?」
「とにかく力任せで倒せば良いと思っている」
そう言って俺はブルードラゴンに向かって隕石の攻撃を発したのだった。