いきなり責任を取れと言われた私の話
昼、社食で、本日のランチ”ミックスフライAセット”にソースを掛けていた時の出来事であった。
男が私を指差し、大声で怒鳴った
「お前は自分の立場を利用して、私に度重なる嫌がらせをして来た。」
私は総務部経理課に勤務している ごく普通のOLだ。
誰だと思ったら、営業2係の矢沢利明係長だった。
係長の腕には色素の薄い華奢なご婦人が寄り添っていた。
彼女は手をフルフルとさせ係長にしがみついている。
「お前の仕打ちに、この崇高な彼女が心を痛めて泣いているのだ、責任をとれ!!!」
「お願い、もう利明を虐めるのは辞めて!
貴方が一言謝ってくれさえすればよいよの••••」
彼女は身体を震わせ立っているのもやっとだった。
秘書課統括の山本女史が、専務の元へ走った。
営業統括本部の冬木さんが、営業本部長の元へ走った
企画推進部の本郷さんが、企画部長の元へ走った
総務部の田崎さんが、総務部長の元に走った。
食堂のおばさんが困った顔をしていた。
警備員が取り押さえに向かった矢先
矢沢係長は
「お前、聞いているのか!!!」
私に掴み掛かろうとして、御婦人の手を離してしまった。
「お母さん!!!」彼女はバタンと倒れてしまった
警備員に、そのまま矢沢係長と御婦人は連れて行かれた。
あるお昼の社食での出来事であった。
あっ、そう言えば、、、、
矢沢係長、毎回出張に母親連れて行って•••••
接待交際扱いで経費が出たなぁ~
あんなの、経費で落とせる訳ないじゃん!
馬鹿じゃないの?