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また、会える日まで...~またね...~

作者: 雫が零れ落ちる前に

ねぇ、

もし、私が妖じゃなかったら

?????できたかな…


----------------------------------

ねぇ、知ってる?こんな噂

「一人ぼっちの歌姫」


モブ1「えー。なにそれ。」


モブ2「えっ。知らないの?結構有名な都市伝説なのに。」


モブ1「ますます気になるじゃん。教えてよ。」


モブ2「じゃあ、教えてあげる。『一人ぼっちの歌姫』」


彼女は、旧校舎五階の音楽室にいて、いつも一人なんだって。だから、願いことを叶えてくれる代わりに*トモダチ*にならないといけないらしいよ

そんな彼女の呼び出し方は、旧校舎五階の音楽室のピアノの前である歌を歌うの。


?「~♪♪~~~~~~~」


?「こんばんわ。」


?「!?!?!?!?、キ、キャャャャァァァァァ!!!!!!!」


?「え、そ、そんなに驚くの?ヒトって」


?「あ、貴方は、誰...?」


歌姫「あれ?知らないの?私は妖。都市伝説の「一人ぼっちの歌姫」よろしくね。で?君は?」


舞彩「私は、舞彩。結菜原舞彩。よ、よろしく。」


歌姫「OK!じゃあ、願いことは?何かあるから来たんでしょ?」


舞彩「......友達に...なって欲しい...」


舞彩「でも、無理だよね。こんな醜い子となんか、友達なんかなりたくないよね。」


歌姫「......なれるよ。」


歌姫「*トモダチ*はどこの子でもなれるんだよ。」


歌姫「たとえ、醜い子だろうと、忌み子だろうとなれる。妖だろうとなりたいと思えばなれる。」


舞彩は静かに涙を流し聞いていた


歌姫「だから、今日から舞彩と私はトモダチ、ね?」


舞彩「...う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」


舞彩はとうとう号泣した。うれしさと辛さが混じり合った涙だった。その時、歌姫は知った。泣きじゃくってる舞彩の前髪から

キズが見えた。歌姫は舞彩を妖として存在し始めた当初の自分と重ねてしまった。物心つき始めたくらいから、ずっと妖な自分

は、いつも一人で身に傷つけられられないけれど心にぽっかり空いてしまった。舞彩は、身も傷つけられ精神もだいぶやられてるだろう。

そんな舞彩を歌姫は『助けになれたらなぁ』と思った。


~数時間後~

そろそろ舞彩が泣き止み、ゆっくりと話し始めた。


舞彩「私、トモダチなんて初めて...」


歌姫「私もー」


舞彩「そういえばなんて呼んだらいい?」


歌姫「えー、歌姫だから、歌でいいよ。」


舞彩「分かった!歌ちゃんって呼ぶね!」


舞彩「あとそれと、歌ちゃん...。」


歌姫「?」


舞彩「私、いじめられてるんだ...。」


歌姫「だろうね」


舞彩「うん。それも学年全体から。先輩たちは見て見ぬふり。先生達は『そんなもんどーにかなるだろ』で放置。」


歌姫「そいつら全員頭どーにかしてる。ぶっ○したいわ←」


舞彩「WWWW。確かにだけどね」


舞彩「ボソッ)もう笑えないんだろうな...」


そんな一言に歌姫はきずけなかった。



---------------------------------------------------


次の日から舞彩へのいじめはひどくなった。

最初のほうは、靴隠しやシカト、悪口だったけれど、どんどんエスカレートしていった。

最終的には、カッターキャーでさらにいじめる人も多くなったらしく、屋上で殴られ蹴られ、カッターで傷つけられ、

精神が崩壊する寸前だった。


舞彩「(そもそも何のために生きてるんだろう)」


舞彩「(母さんや父さんも私をかばって死んだ)」


舞彩「(誰のために生きてるんだろう)」


舞彩「分かんないや...」




歌姫は、舞彩がいじめられてるのを見ていることしかできなかった。

そもそも、妖だから止めに入れない


歌姫「(私が人だったら助けられたのかなぁ)」


歌姫「ごめんね。舞彩」



それからだんだんと、音楽室に来なくなった。

そればかりか、舞彩は学校さえ来なくなった。それを、クラスの奴らは、学園の奴らは喜んでいた。


いじめっこ1「あいつ来なくなったね。ビビりだなぁ」


いじめっこ2「目障りな奴が来なくてもいいんじゃね?」


いじめっこ3「確かにWWW。」


いじめっこ4「アハハ!」


歌姫は憎らしくてたまらない気持ちを抑え、ただ見ていた。


それから数日たったある日、歌姫は屋上で何かしているところを見かけた。数日ぶりにあったせいか、歌姫は舞彩のところに駆け出してしまった。

でも、そこで見たのはいつもの舞彩じゃない。


歌姫「え....?舞彩...?」


舞彩「....。」


そこにいたのは、正気を失い、ナイフを自分のほうに向け、刺そうとする舞彩だった。

舞彩のきれいな緑色の瞳には光がなかった。


歌姫「っ....!ダメッッッッ!」


間一髪で舞彩からナイフを取り上げた。


歌姫「何でッ!何でッ死のうとしたのっ!?ねぇ!?答えて!?」


舞彩「....よね、あんたなんかに私の気持ちわかるわけないよね!?」


歌姫「...。」


舞彩「ずっと前から思ってた!なんであんたは見てるだけなの!?ずっとずっと私は我慢してきたのに!!

   最後だけ正義のヒーロー?ふざけないで!今に私からしたらトモダチなんて言った私がばかだった...

   信じてたのにさ...。」


歌姫「((ギュッ))」


歌姫は舞彩を抱きしめた。


歌姫「ごめんね。確かに私は止めれなかった。舞彩のトモダチだったのにさ...。私がヒトだったら、妖じゃなかったら止めれたよね。

   泣きたいときも泣かしてあげれなかった。でも、舞彩を死にさせたくなかった。」


歌姫「でも、耐えれないぐらいに苦しい思いしたんでしょ?もし、人生に疲れたのならば私は止めないよ。」


歌姫「どうする?」


歌姫は聞いた自分はあなたの意見を尊重するといわんばかりに。


舞彩「私、今だけ泣いていい?」


歌姫「!!...いいよ。」


舞彩「...う、うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」


歌姫「偉いねよく我慢したね。」


舞彩は泣いた。数分間泣いた。声がかれるほどに。


~数分後~


舞彩「私、もうこんな人生もう嫌なんだ。もう一回生まれ変わって、また歌ちゃんに会いに行く。だからね...」


舞彩「『サヨナラ』じゃなくて、『またね』歌ちゃん...。」


そして彼女・結菜原舞彩は屋上から飛び降りた。舞彩が最後に見たのは、最初、歌姫に会った時のような【蒼い空】だった

彼女の頭の中には懐かしい過去の思い出がよみがえった。母の笑った顔。父の優しい声。そして、歌姫に会った時のことすべて。

自然と涙がこぼれる。


舞彩「ありがと。歌ちゃん。わたしに幸をくれてありがと。」


その言葉を最後に、彼女は命を絶った。



--------------------------------------------------------------------


歌姫は、舞彩に「またね」と言われた後、小さくこう返した。


歌姫「ねぇ、もし私が妖じゃなかったらもっともっと舞彩を笑顔にすることができたの...?」


歌姫「次あったときは舞彩に『幸せ』って言えるように頑張るね...。」


歌姫「ずっと待ってるからね...。」




歌姫「舞彩」


                   END...

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