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その従者、規格外につき  作者: 漆
第一章 異世界にこんにちは!
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第一話 転生、そして転移

誤字脱字等がございましたら報告お願いします。

目が覚めたら、洞窟に居た。もう一度いう。目が覚めたら洞窟に居た。どんな夢小説だよ、とつっこみたいところだが、あいにく自分につっこむほど俺は余裕がない。


まず状況を整理しよう。


①デートに誘われる。

②デートに向かう。

③トラックに轢かれる。

④死んだ。

⑤洞窟にいた。


4から5の間に何があった!?死んだら洞窟に居たってどういう事だよ。どこぞの事件推理漫画でもあるまいし、というか目が全然見えねぇ!真っ暗で何もわかんねぇよ!

何とか手探りで周りを探ってみるがごつごつとした岩の感触ばかりだ。


っ!岩に何がが擦れる。自分の腕じゃ無い、確かに自分の体だが、腕でも、足でも、胴でもない。


俺の体に何がついてるんだ?自分の体を探ってみる。あっある、確かに何かがある、なんか、柔らかくて、薄い?手触りだ。水掻きみたいな、手から胴まで生えてて、ちょっと翼みたい。ん?翼、羽、飛ぶ、目が見えない…


脳裏にやつが浮かぶ。業者を呼んでも全然どかなかった、俺にとって一番嫌いなやつ。


俺はこの生物を知っている。屋根裏に住み着かれて迷惑していた厄介なやつだ。


俺、蝙蝠になっちゃいました。ってなんでだよ!


なんで、死んで、よくわからんけど、洞窟に居て、蝙蝠?になっててって、異世界転生小説みたいだな!


ん?転生?有名な異世界転生小説は洞窟の中が多いけど、もしかして俺も異世界転生したのか?蝙蝠っていう如何にも弱そうな雑魚キャラに。


はーっ別に地球にそこまで未練があるとか、雑魚キャラが嫌!とかそういうわけでもないんだが、蝙蝠はなー、なんか、こう勇者!とか魔王!とかそういうのがよかったんだけど。


そもそも、蝙蝠ってモンスターなのか?見た目が分かればそれなりに分かるんだろうけど目が見えないしな。蝙蝠って弱視なんだっけ。


まあ、なっちゃったものは仕方ないとは言わないが、少し異世界にときめいている自分もいる。

まずは俺が知るステータスとか魔法がある世界なのか調べてみるか!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

同時刻、ある王国にて、()()()()数十人佇んでいた。そう、王国による異世界からの勇者を転移が行われていた。中高校生、子供、中年、青年、その中に、二人、吹雪の同僚がいた。


吹雪をデートに誘った、藤堂翔子。そして、その藤堂翔子に横恋慕していた若い男、都築聡太。吹雪の死に悲しんでいた藤堂を強いが励ます、もとい軟派をしていたところ、突如眩しい光が二人を差し、気づいた時にはもう異世界だったという。


突然の展開に藤堂は困惑し、反対に都築はわくわくしているという様子を見せている。


「都築くん、私達大丈夫かしら…」


「大丈夫大丈夫!俺に任せておいてよ!」


「それに、吹雪くんのことも…」


「…そうだね」


吹雪の名が出た途端、明らかに顔が険しくなる都築は、藤堂が吹雪を好いている事を知っていた。だからこそ吹雪が死んだ今こそチャンスだと考えた。


(高瀬が死んだ今、翔子さんのメンタルはぼろぼろ、それに突然の転移に混乱している。最高のシチュエーションじゃないか。

翔子さんの傷を俺が埋めるように助ければ、イチコロじゃないのか?それに、俺の能力「配下」で奴隷を増やしていけば…美少女ハーレムも夢じゃない)


都築の固有スキル「配下」は相手に自分の配下になる気がある。

または()()()相手を自分の配下にする能力だ。配下になった者はステータスが全パラメータアップし、配下のステータスの一部を自らのものにするという者だ。


配下といってもほぼ奴隷同然であり、

都築はステータスが非常に高く、自らの為ならば周りの事は考えない非情な性格の為、この能力に対して非常に相性が良い者である。


一方藤堂の固有スキルは「勇者」という名のスキル。

勇者という名の通り、そのスキルを持つ者は大衆を惹きつけ、

 魔を滅する。魔を冠するものへの全パラメータが五倍、聖剣を扱えるというものだ。


聖剣とはあるダンジョンを攻略したさいに貰える、勇者の勇者のための剣だ。勇者以外は持てず、魔を冠する者へのデバフを掛け、別名魔殺しの剣とも呼ばれる。


そんなチートともいえるスキルだが、生半可な実力や覚悟ではスキルを発動することすらままならない強力なスキルだ。

戦いなど許されない日本で育った藤堂に覚悟などある訳もなく、

スキルを発動など出来ないのは勿論、目眩すら起きてくる。


とはいえ彼女は転移者の中でも主格、オールマイティにステータスが高く、既に王国の軍隊長格の実力を持っている。それでも、軍隊長格ですらスキルを使うには足りない、足りな過ぎるのだ。

都築はこの状況を逆にチャンスと捉えていた。


(翔子さんの実力が発達していない今こそ翔子さんを配下にするチャンス、おまけに転移者の中には美少女が沢山いる、早めに奴隷を増やして勢力を拡大するか)


都築が下衆な考え方をしている時、藤堂もまた考え事をしていた。吹雪の事だ。


(私たちは異世界転移というものをした。なら、吹雪くんが異世界に来ている可能性もあるのかも?転移車の中には死にかけのところにいきなり連れ去られたと言っていた子も居る。吹雪くんも転移してるかも。)


藤堂は当たらずも遠からずという考察をしていた。実際には転生したのだが、彼女がそれを知る由もない。

二人がそれぞれの考え事をしている時、王国の使者が二人へ告げた。


「お二人様、王がお呼びになっています。重要であるとのことです。早急に向かってください」


「わかりました。」「へーい」


((吹雪くん(高瀬)がどうであろうと私は私の(俺は俺の)やる事を全うするだけだ))


次回からはずっと主人公視点でお送り致します。

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