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申し訳ございません 【12】
「どうかね、もうこの辺りで無用な気遣いは終わりにせんか?」
「お父様__」
思わずチェレミーが口を挟んだ。
「お父様だと?」
チェレミーの一言に、カーバルダ伯爵が大袈裟に肩を竦めて言った。
「メイド風情にお父様などと呼ばれる筋合いはないが__」
流石にこの言い方は問題発言である。普段は使用人たちにも気を使い、このように嫌味な物言いはしない伯爵だったが、やはり親子喧嘩の最中で少し気が逸っているのかも知れない。
「一々主の会話を邪魔するとは、矢張り遊び半分の偽メイドは作法も何も弁えぬと見える」
伯爵自身、今の自分の物言いに後悔を感じているのか、誤魔化す様に慌てて言葉を継いだ。
「どうだね、タツロー君。娘の遊びに付き合わせてわたしも済まないと思っていた所だ。この辺で……」
「お父様!」