申し訳ございません 【6】
やあっとデータを取り寄せる事が出来ました。
しばらくは投稿できると思いますので、何卒小生の代表作とも言うべき本作の応援、よろしくお願いいたします。
同じ頃__
「どう言う事なんですの?」
女中達の控室ではラシーヌが、只ならぬ顔つきでアンジェリカとライザを問い詰めていた。
「ど、どういう事って……」
ラシーヌに聞き質されて、アンジェリカが浮足立っていた。
「お嬢様のあの御姿!その上、チェレミー様ご自身がどこの誰だか分らない馬の骨のお世話を為さるなんて……一体どういう事か、納得いく説明をお願いいたします」
「あたしに何言えってのよォ」
泣き出しそうな顔で、アンジェリカがライザを見た。
「あたしもびっくりしたわよ、お嬢様のあの格好。昨日、何があったの?」
この三人の中で、昨日当番だったのはライザ唯ひとり。
「どうなんですの、ライザさん」
「え、あ、えとー、あのー__」
ラシーヌに厳しく問われてライザも言葉に詰まった。
「わたしにも分からないのよねえ、イマイチ。昨日あのタツローってお客様が屋敷にいらして、なんだか知らない間にお嬢様があの人の身の周りのお世話をするって事になったらしくて……」
その時のやり取りを見ていないライザは詳しく状況を説明できない。
「なんだか、気が付いたらお嬢様があの格好になってて、このタツロー様のお世話を致します、って事になっちゃってて……」
彼女はチェレミーがタツローと顔を合わせる前からメイド服をこっそり身に付けていた事を知らない。事の順序までは把握できていないのだ。自分の見た限りの事を、なるたけラシーヌを刺激しない言い方で曖昧に説明するライザだった。
「多分、キエナさんかティアレちゃんだったらその時のこと、詳しく知ってると思うわ」
あはははは、とごまかし笑いで何とかラシーヌの追及を逃れようとライザも必死だった。
「だからって、なぜチェレミー様があんな素性の知れない男のお世話を__」
「だからって、わたしに聞かないで!」
泣きそうな顔でライザが訴えた。
「チェレミー様に直接聞いてよ!」