第百六十一話『強さ』
『あと含めた七話……』
『それでは本編へどうぞ』
彼女は普通に戦えてる。あの時の死者としてではなく、生きた生者として
黒い炎が舞い上がる。熱くは無い。なのに、ソレにはダメージが届いていた
『……戦いたいなら……私と契約するしかない……』
知ってるし分かってる。でも、私は彼女と契約しなかった。レオナルド・ダ・ヴィンチと項羽の契約という訳じゃなく……
問題は私自身だった。こんなにも体を縛られてる私に彼女は納得するのか
全身はレオナルド・ダ・ヴィンチ、疎らに項羽の紋様が刻まれてる私の体は異質になってる
『代償?……なら……君の全て……君の全てを私に頂戴……?』
……?
『簡単……私は君の……騎士となり……君の……レオナルド・ダ・ヴィンチ、項羽の剣になる……』
簡単に言う……
「後悔しても知らないよ?」
彼女は細く微笑むと
『後悔の人生よ……』
彼女はそう答えた
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『『勝利ノ一手』ジャンヌ・ダルク【魔女】』
【天使ノ旗】
……旗を顕現させ地面に突き刺すことで発動でき、黒炎と周囲の結界を生み出す事が出来る
結界内は壊されない限りは僅かながらの回復する
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綺麗な彼女の周りは血飛沫が舞っていて
『全く……めんどくさい……』
そう言って、旗を振り回すと目を瞑って
『本当の姿……見せてあげる……』
旗を地面に突き刺すと六枚の羽が広がり天使の輪が作られていて、手には旗と……綺麗な剣が握られている
服装も、聖女みたいな服装じゃなく……白と黒を基調の黒衣が強い服装に
白と黒の中に赤い瞳孔に染って
『……キキョウ……ありがとう……』
その目は何処か達観していて、ソレを見て興味を無くしていた
気が付くと既に動き終わっていたのか、手には心臓が握られて私の前に
『……私は魔女……天使に愛された……魔女……』
彼女は私の胸元に顔をうずくめて
『……私は君の剣』
そう言ってゆっくりと目を閉じていた。名前も何もかも……全て偽造。能力も同じであって違う。彼女は……強い。レオナルド・ダ・ヴィンチと同格の偉人……
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『『勝利ノ彌額爾』ジャンヌ・ダルク【虚偽】』
【正義ノ旗】
……旗を顕現させ地面に突き刺すことで発動でき、黒炎の結界内のみ、能力を無効にする
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瞬殺出来た理由が分からない……
いや……そもそもとしてこれが能力で生み出されたのなら……
色々と調べてみる……か……
「解除されない……?」
仮にそうなら元に戻れると思う……なのに、まだこの空間に
彼女がゆっくりと目を開けると私を押し倒してゆっくりと顔を近づけて
『だって……寝てるんだもん……
どうする……?
私は君の意識の中でしか生きてない……
復活は出来ても、この世界から出ない限りは……私は死んだまま……』
そもそも可笑しい……彼女は消滅したはずなのに生きてる。それも項羽の力の大半で……
だからこそ……解除されないのは……
『クリエイターは……そこを利用したんだと思う……』
……
じゃ、どうしろと言うんかね……
『まぁ、つまらない遊び……するぐらいだしね……シュレディンガー……
貴女の偉人……私に頂戴……貴女を強く……強くする……
私が貴女を守れるくらい……シュレディンガーを……超えるくらいに……
そして……レオナルド・ダ・ヴィンチを超える為に……』
私の知ってるジャンヌ・ダルクとは何か違う……何か……
「誰?」
ジャンヌ・ダルクは笑みを浮かべて
『天使……ジャンヌ・ダルク……私は……ジャンヌ・ダルクよ……魔女で…………ミカエル……』
押し倒して彼女から引こうとしたら腕を掴まれて地面に説き伏せられて馬乗りなった
「何がしたい……?」
彼女は困惑した表情をして
『……うーん……クリエイターを破壊する……この世界も好きだけど……平和な頃の世界が……一番好き……』
……
「根本は変わらない……ジャンヌ・ダルクにせよ……レオナルド・ダ・ヴィンチにせよ……」
彼女は笑みを作り浮べてから
『死人だからこそ……強くなりたい……だから……項羽ちゃんもね……私は欲張りだから……』
黒いモヤの中へと消えていった。ゆっくりと視界が揺らぎ意識が薄れていく
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ゆっくりと目を開けると心配そうな顔をしてるレオナルド・ダ・ヴィンチと……項羽……そして……
『起きた……?』
ジャンヌ・ダルクがしゃがみ込みながら私の頭を撫でてそう言う
ゆっくりと起き上がり
「疲れたから寝る」
そのままログアウトした。濃すぎた……こんなつもりじゃなかったけど……めんどくさい事が起きてしまったから
「なるほどな。偉人を模した化け物か……」
ご飯を食べながら楼にそう言うと
「にしてもジャンヌ・ダルクがまさかのヤンデレとはなぁ……」
そっちじゃないんだけど……
「クリエイターがそうなら、そうだけど……分かるとしたら時間稼ぎがしたいとしか思えないな」
やっぱりそうなるか……
「まぁ、倒すのなら早めにした方がいいな」
まぁ、こういう時は役に立つのだから……本当に……
『解説』
『特にありません』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』




