学校
若葉と輝空は高校に来ていた。高校の校門には大きく『一乃北之江東方西南高校』と書かれていた。そして『略して一高』とまでご丁寧に書かれている。
「相変わらず長いねえ」
「東西南北どこなのよって思っちゃう」
「分かる〜」
2人はそんな会話をしながら門をくぐった。
2人はあの夜から話合いをし、仲良くなったようだった。そして、学校、学年、クラスまでもが一緒だった。
少し歩いていると、
「若葉〜♡」
と、若葉を呼ぶ声が少し遠くからした。
そして、軽やかな足取りで、若葉に後ろからギュッ♡と抱きついた女の子がいた。
「句射譁。いきなり抱きつかないでよ」
「え〜。いいじゃん。若葉が大好きだから仕方ない」
若葉に注意されて、句射譁は不服そうに頬を膨らませた。
「こちら児玉句射譁。私の」
「恋人です!!」
若葉が輝空に句射譁のことを説明しようとすると、句射譁が割り込んできた
そして、若葉の横に立っていた輝空の顔をまじまじと見つめると、いきなり褒め始めた。
「何君!!可愛い!!美人さん!!名前何!??」
「えっ?あ、星月輝空です」
「輝空って名前、可愛いすぎない?」
「ちょっと困ってるから...でも、可愛いのはあってるよ」
若葉は句射譁を諌めて、自分の意見を言う。
輝空は人生で初めてこんなに褒められたので真っ赤になって俯いた。
「同じクラス?一緒に上あがる??」
「句射譁〜!!」
句射譁がまた輝空に話しかけた所に句射譁を呼ぶ声がした。
「え゛...もう!?え〜ちょっとぐらい待ってくれてもいいのに...あ、じゃあね輝空ちゃん!!」
「あ、さようなら?」
「いってら〜」
句射譁は慌ただしそうに走っていった。
「嵐みたいだね」
「でしょ?あれでも生徒会入ってるし、毎回テストで首位争いしてるもん」
「すごいんだね。あ、サラッと流してたけど恋人なんだね」
「うん。句射譁にはあんまり口にしないでって言ってるんだけどね。あの性格だからさ...」
「あ〜。苦労するね」
「まあね」
2人は一緒に肩をすくめた。そして、一緒に教室へと急いだ。