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ドラゴン同士が名付けしようとして、しない(2197字)

 何か夢を見た、ような気がする……。


 私の体に妙な感触がする。

 なんだろう……何か違和感がある……あっ。



 私、ドラゴンになってる。え?ちょっと待ってよ。なんで私、ドラゴンになってんの!?しかもさっきまで人間の世界にいたはずなのに!!どういうこと!? というか何で急に体が光ったと思ったらいきなりこんな場所に来たんだろ……。もしかして異世界転移ってやつなのかな?だとしたら一体誰の……あれは? 私は目の前にある存在に気づく。そこには、とても大きなドラゴンがいた。この子が、私がここに飛ばされた元凶なのだろうか。……とりあえず声をかけてみよう。


(あのー)

(……なんだ?)


 おおう!めっちゃ睨んでくるじゃん。こっわぁ……。というより返事したよこの子……。もしかしたらこの子が話した相手だったりするのかな?う~ん……まあ今は考えても仕方ないから聞くだけ聞いてみようっと。


(あの、ここは何処でしょうか……)

(ここは我の領域である「竜の谷」だ)


 ……うん。そんな予感はしてたよ。ここ多分だけどドラ○ンボールに出てくる「竜の谷」だよねぇ……。どうりで初めて見た時デッカいなぁと思ってたらそういう事か……。

 じゃなくてぇ!どうして私はドラゴンになったのよぉぉぉおおおお!!!……………………。よし落ち着こう。まずはこの子について聞かないとね。


(貴方のお名前はなんていうんですか?)

(名前など無い。ただの竜だ)


 ……そうですか。いやまあそれは知ってましたけど。でも名前がないと不便だしなぁ……。そうだ!こういう時はアレをすればいいんだよね!


(では私が名前を付けます!)

(好きにするがよい)


 ……許可貰えたしどんな名前にしようかな〜♪やっぱり男の子っぽい感じの名前にした方がいいよね〜♪(←命名中)


 よし決めた!君の名前は今から「ドランちゃん」です!よろしくお願いします!


(おい貴様ふざけているのか?)

(いえ全然全くこれっぽっちもふざげでないですよ)

(嘘をつくな!何故我がそのような名を付けられねばならぬのだ!)


 ……確かに言われてみればその通りかもしれない。そもそもこの子は女の子なのかすらわからないわけだからね。


(すみません。失礼なことを言いました)

(わかればいい)


 ……なんか偉そうなんだけど気のせいかな?まあいっか。それよりもこれからのこと考えなくちゃいけないもんね。とりあえずは人里を探してそこからいろいろ考えるしかないかも……。


(ところでお前は何者なのだ?)

(私ですか?私はですね……)


 ……それからしばらく私は自分が何者かを説明した。そして最後に自分は記憶喪失であることを伝えた。すると、


(なるほど。つまりお前は異世界から来たということか)

(はい。おそらくはその可能性が高いと思います)

(ならば行く当てもないのであろう?)

(そうなりますかね……)

(ならここで暮らすといい)

(えっ!?)

(なんだ不服か?)

(いえ滅相も無い!!!むしろありがたいくらいです!)


 こうして私はしばらくの間、この子と過ごすことになった。

 ちなみに私の体はなぜか光らなかった。

 私達はその後、特に会話をすることもなくお互い寝ることにした。

 ……それにしても本当に広い空間だなぁ。天井も高いし、何メートルあるんだろう……。

 私はそんなことを考えながら眠りについた。



 ******************



(……んぅ)


「グオォオオオン!!」

「ッ!」


 今の鳴き声ってまさか……。


(起きろ)

(はい!わかりました!)


 私は慌てて体を起こす。

 辺りを見渡すと、そこには大きな影があった。あれは……あの時の大きなドラゴンだ。


(おはようございます)

(うむ、よく眠れたか?)

(おかげさまで)

(それはよかった)


「グルルルル……」


(あの、少し聞きたいことがあるのですがよろしいですか?)

(なんだ?)

(貴方のお名前をまだ聞いてませんでしたので教えていただけないでしょうか?)

(名か、そういえば伝えていなかったな)

(はい)

(我の名は「クボク」という。覚えておくがよい)

(クボクさんですね)

(うむ)

(それでクボクさんのご年齢はどれくらいなんでしょうか?)

(年齢か、我にも正確なことは分からぬ。だが、少なくとも1000年は生きているだろう)

(1000歳ですか!?)

(驚くことではない)

(そ、そうですよね……)


 ……正直、ちょっと引いてる。

 だってさ、仮にも1000歳の人がこんな喋り方してたら、誰だって引くと思うのよ。

 でもまあ、今はそんなこと言ってる場合じゃないから気にしないことにする。


(あの、クボクさんにお願いがあるんですけど聞いてくれますか?)

(内容によるな)

(実はですね、私の名前を考えていただきたくて……)

(ほう)

(あっ、別に嫌だったら断っていただいても大丈夫なので!)

(我の感性に任せると?)

(はい!)


 正直言ってネーミングセンスは皆無だからね……。誰かに頼るしか無いんだよねぇ……。


(わかった。引き受けよう)

(本当ですか!ありがとうございます!)

(ただし条件があるがよいか?)

(なんでも仰ってください!)

(では一つ目、我に敬語は使うでない)

(わ、わかりまし……いや、分かった)

(よし、では二つ目、我に名前をつけるがよい)

(えっ?)

(聞こえなかったか?我に名前を付けるがよいと言ったのだ)

(ああ、うん。わかった……けどどうしていきなり?)

(それはいずれわかる)

(…………)

(どうした黙っていてはわからぬ

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