表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/24

少女むぅ+大男から逃げる少女(2117字)

(状況……むぅは、魔物を軽々倒せるほどに強い少女である。今は草原で寝ている)



 むぅは、足音で目が覚めた。

 そちらを見ると、少女が焦って走っていくのが見える。


「待ちやがれ!」


 大男がその少女を追う。


「ひっ!ごめんなさいっ!!」


 少女は必死に逃げようとする。

 むぅは、大男の前に立ち塞がる。


「なんだぁ?嬢ちゃん」


 むぅは、大男の顔をじぃっと見る。


「……おいおい、冗談だろ。俺の顔に見惚れたのかよぉ!?」


 大男は下卑た笑いを浮かべる。


「おいガキ、そこどけぇ。じゃねぇと痛い目見るぞぉ?」


 むぅは、少女の手を握る。


「……えっと」

「あーん?何言ってるか聞こえないなぁ?」


 むぅは、魔力を込めて、魔法を唱える。


「…………」


 大男は動かなくなる。

 むぅは、少女を連れて歩き出す。


「待て!!お前ら、止まれ!!!」


 後ろから声が聞こえる。


「逃げよう!こっちだよ!」


 むぅは、少女と一緒に走り出した。

 しかし、追手の方が速いようで、徐々に距離を詰められていく。


「……もうダメかも……」


 少女は諦めかけていた。

 むぅは、振り返り、追手の方を向く。

 そして、魔法を唱えた。


「…………」


 追手が動かなくなった。

 むぅは、少女の手を取り、再び走り始めた。

 二人は森の中へ入っていった。

 むぅは、少女に話しかけられる。


「あの……お名前を聞いてもいいですか?」

「……むぅ」

「私は……むぅちゃんって呼んでいいかな?」

「……うん」

「私の名前は、みゃーこです。よろしくね」

「……むぅは、喋るの苦手だけど……」

「ふふっ、ゆっくりで大丈夫ですよ」

「……わかった」


 こうして、むぅとみゃーこの不思議な旅が始まった。



 ──────



 みゃーこは、森を抜けると大きな街に着いた。

 その街の門番に止められてしまう。


「君たち、どこから来たんだ?」

「……えっと、その」


 みゃーこは、言葉に詰まる。


「……ここからずっと遠い所」

「そ、そうなのか。それで、身分証はあるか?」

「……持ってません」

「……なら、銀貨一枚払ってくれ」

「はい」

「よし、通って良いぞ」

「ありがとうございます」


 二人は街に入っていった。


「むぅちゃん……これからどうしよう」

「……むぅ、分からない」

「そうだよね……」

「……とりあえず、ご飯食べたい」

「……それなら、あそこに行こう」

「……うん」


 二人は食堂に入った。

 中は賑わっており、とても騒がしい。

 二人が席に着くと、給仕の女の人がやってきた。


「いらっしゃいませっ!ご注文は何にしますか?」

「……むぅ、肉」

「私は、パンとスープでお願いします」

「かしこまりました!少々お待ちください」

「……」

「……」


 しばらくすると、料理が出てきた。


「お待たせしました!こちら、野菜のスープと、ステーキになります」


 むぅは、目の前に置かれたステーキを見る。


「……美味しそう」


 むぅはナイフとフォークを使って一口サイズに切り分け、口に運ぶ。


「……おいしい!」

「本当だね!こんなに柔らかいお肉初めて食べたよ!」

「……」


 むぅは、無言で食べ進める。


「ところで、みゃーこさんはこれからどうするんですか?」

「……うーん、どうしよう」

「……むぅ、一緒に居ていい?」

「……いいの?」

「……うん」

「じゃあ、よろしくね!むぅちゃん!」

「……よろしく」



 ──────



 次の日、二人は街を出た。


「……どこにいく?」

「……取り敢えず、北に向かって歩いてみる?」

「……わかった」

「……あと、昨日の続きだけど、むぅちゃんは魔法使えるの?」

「……うん、一応」

「……すごいなぁ」

「……でも、あんまり得意じゃない」

「そうなんだ」

「……みゃーこは、魔法使えないの?」

「……私は、魔力がないから」

「……魔力ないの?」

「……うん」

「……それなのに、どうやって生きてたの?」

「私のお父さんが、魔法使いだったの」

「……凄い人」

「でも、三年前に死んじゃったけどね」

「……」

「お母さんは、私が小さい頃に病気で亡くなってるし、親戚はみんな遠くに住んでるから頼れないの」

「……」

「だから、一人で生きていこうと思って冒険者になったんだけど、やっぱり私には無理みたい」

「……」

「まあ、仕方ないか!これからは、二人で頑張っていこうね!」

「……うん」


 こうして、むぅとみゃーこの不思議な旅が始まった。



 ──────



 二人は森を抜けて、山道に差し掛かっていた。


「むぅちゃん、疲れたりしてない?」

「……大丈夫」

「良かった!でも、本当に助かったよ。ありがとね」

「……うん」

「でも、これからどうしよう」

「……お金もないし、野宿?」

「そうだよね……それに、食料もないもんね」

「……むぅ、干し肉ならある」

「え?いつの間に!?」

「……さっき」

「えぇ……」

「……食べる?」

「いや、遠慮しておくよ」

「……そう」

「……」

「……」


 二人は無言で歩き続ける。


「……ねぇ」

「何?むぅちゃん?」

「……みゃーこってどんな人だったの?」

「え?」

「……むぅ、知りたい」

「うーん、そうだなぁ……」


 みゃーこと過ごした日々を思い出しながら話していく。

 ────── 私がむぅと出会ったのは、二年前。

 まだ、むぅが指名手配される前のことだ。

 私はその時、Dランクの冒険者で、むぅはCランクだった。

 Cランクともなれば、それなりに名が売れている。

 そんな人が、何故あの時あんな場所にいたのか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ