最近会ってない幼馴染
僕の通っている学校……渚ヶ丘学園のボランティア部は、割と部員がいる。
活動は、ボランティアの依頼を受け、ボランティアに行くことだ。
ボランティア部の部員である僕は、渚ヶ丘学園から歩いて二十分ほどの、ほたる児童館に向かっていた。
一人で。
なんで割と部員がいる部活の活動なのに一人なのか。
それは僕が今からしに行くボランティアに行きたいって人が僕しかいないからだ。
僕は、ほたる児童館で、自然観察のボランティアをしている。
ほたる児童館の裏手にある大きめの丘のある公園で、自然観察を小学生たちと一緒にする……という内容だ。
今回で三回目である。
赤い屋根のほたる児童館の建物についた。
僕は自動ドアを入り、小学生用の小さめの下駄箱に自分の靴を入れた。
「あ、智洋くん、きてくれてありがとう〜」
入るとすぐに出てきたのは、この児童館の先生である、梨田さんだ。
多分25歳くらいで、にこにこしている。きっと優しい。
きっとじゃなくて実際優しい。梨田さんとはこの児童館のボランティアよりも前から知り合いというかご近所さんで、だから結構前からお互いに知っている。
児童館の一番奥のピアノを眺めながら僕は訊いた。
「今日は何人くらい来そうですか?」
「多分三人かな」
「三人……まあもう三回目だし、飽きちゃった人も多いですかね」
「まあ……そうかも。でもね、楽しみにしてる人がいるから、もう少しお願いしたいの」
「はい」
僕はうなずいて、低いテーブルの横の座布団に座った。
「なんか大人っぽくなったね〜智洋くん」
そんな僕の横顔を見て、梨田さんは言った。
「そんなことは、絶対ないです。あるとしたら老けてる説があります」
「えー、そんなことないよ〜美月ちゃんとてけてけ歩いて頃と比べたらすんごい違うよ」
「そうですね、それは違いますね」
僕は少しぶっきらぼうに返してしまった。
美月。
もう三年も会っていない幼馴染だ。