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奴隷実験体が幸せになるまで  作者: 柊なつこ
エイル王国編
44/69

ハウメア師匠の特別稽古

 面白ければブックマークを押してくれると嬉しいです。

 また、誤字脱字があれば報告をお願いします。

 ここに来て一月。

 彩華に言われた通り、一定の魔力を流す練習をしていると、順調に上達していき。

 今では、彩華の見本のように腕に纏えるまでになった。


「―――」


「......どうですか?」


 何時ものようにテーブルに座り、授業を受けている。 

 そして、僕の練習の成果を見せる日でもある。


 今回の良し悪しで次のステップに進むか否かがかかっている。


 右の椅子に僕、左の椅子に彩華、そして、その彩華の向かいはハウメアと何時だか定位置が決まっており、今日もいつも通りの配置。


 右手の彩華の前に、決められた速さと太さで腕を通し、掌から一定の速度で放出する。

 虹色の魔力は腕の周りに纏いだし、次第にはまるでシャボン玉のように上へとあがり始めた。


 それを真剣に見る彩華。

 ハウメアは早々に飽きて、縁側で足を投げ出しながら終わるのを待っている。

 

「―――合格です」


「本当ですか?」


「はい。これなら申し分ありません。次へ移りましょう」


「何! 終わったの?」


 ドタドタと走り、メイドに椅子を引かれる前に自身で椅子を引きそこへ勢いよく座るハウメア。

 

「ハウメア。はしたないですよ」


「ばあやみたいなこと言わないで。それで、終わったの?」


 彩華の諫めるように言うがハウメアは聞く耳を持っていないようで、軽くあしらいテーブルに身を乗り出すように僕に聞いてきた。


「はい」


 魔力を流すのを止める。


「あらそう」

 

 『なら今日から私も参加するわ』と座り直すハウメアに『そうですね』と言う彩華。


「ずっとサボっていたのに急にどうしてやろうと言う気に?」

  

「サボってた訳じゃないわよバカね! あんたが基礎を終わらせるまで待って上げてたんじゃない!」


 聞けばハウメアは、剣術を習っているから魔力制御はお手の物で、毎日修行でも使っていると言う。

 てっきり、面倒くさいからサボっているだけかと思っていたら僕よりずっと上手らしく、バカだと心の中で見下してた人が、本当はテストで百点を普通に取るぐらい頭が良かったみたいな不意をつかれた感じ。

 

「今回から、手に送っていた魔力を炉の方へ流し、それから能力を発動させる部位へと送っていってもらいます。エリスの能力発動部位は何処ですか? ああ、性別変化の方ですよ」


「能力発動部位?」


 研究所で奈鬼羅と戦った時の言葉を思い出す。


『貴方の祝福は何処から出るのかしら? 右腕と左腕―――』


 説明を聞くまでもなく、祝福を発動する為の部位だろう。


「? もしかして分からないとか?」


 過去を振り返る。

 自分で意識して性別を変えようとしたことがない。

 ここに来る前は、大体目が覚めたら変わっていた。

 彩華の問に頷くと、ハウメアが訝し気な表情で僕を見ているのに気付いた。


「何で分からないのよ......」


 バカを見る目で見るな。


 そんなことを言っても分からないものは分からないだ。

 と言うか何で分からないんだ? ハンナも『人によって能力の使い方は違う。能力の操り方は皆感覚で分かっている』って言ってた。

 光線やバリアは意識の中にある球体の倉庫。そこから球を掴む体内に取り込んだら、自然と使い方が分かった。

 常時発動型の治癒能力や怪力は勝手に発動する。念動力は知らない間に使えていた。

 最後まで制御出来なかったのは変換能力だけだ。


 深く考える。


 ......これは推測だが、篝に合う前。

 つまり研究所に居た時は能力の発現や使用の可否は篝達が握っており、治癒能力や怪力、変換能力や念動力を使える誰かが、僕に能力を使えるようにしていくれたのではないか? そして、変換能力が使えない点は何らかが原因で暴走している。あるいは制御が難しい能力で上手く操れていないと言ったことが原因......とか?

 こんなことなら桜子にもっと聞いておくんだった。

 兎に角、篝達に合った後に精神的な変化や祝福の発現や操作しする力が手に入ったのは事実だ。

 能力関係は何らかの形で篝達が絡んでいるのは間違いないだろう。

 

 そうと決まればやる事は一つ。と息巻いて、意識の倉庫で目当ての物を探すが、該当する能力は無い。

 光線やバリアもここにはない為、既に取得した祝福はここには存在しないらしい。


「うーん......考えていても仕方ありません。この際全て試してみましょう」


「すみません」


「仕方ありません。時間は有限ですから早速始めましょう」


 扇子で掌を叩き、彩華は説明し始めた。


 説明と言ってもやる事はあまり変わらない。

 さっき彩華が言った通り、魔力を制御し流す。ただ、魔力の行先を手ではなく炉の方。そして、更にその炉を通した魔力を能力発動部位移動させ祝福を発動させる。


 二人の言う通り、右手から順に試す事にした。


「......」


 魔力を一定に......良し。


 次に炉に流す......。


 胸の中心にある炉に魔力を通す。

 すると、魔力は活気し始め、熱に似た温かみを帯び始めた。


 凄い。

 前まで力任せにやっていたから分からなかったけど、何時もの十分の一程の力で同じぐらい出せている。


 驚くのもそこそこに、通した魔力を右手に溜める。


 ......この感じは......光線だ。


 朧げな感覚だが、確かに分かる。

 このまま放てば、この建物は半壊するだろう。

 

 それはダメだと手に収束させたまま、他の能力を探り続けた。

 

 ......これは念動力だな。


 これも違う。

 結局、暫く探ってみたが、何も見つからず、右手ではない事が分かった。


 魔力を止め。

 小さく息を吐くと、二人の方向を見る。


「むむむっ!!」


「―――魔力が散ってるわよハウメア。もっと集中なさい」


「分かってるわそんなこと! ―――っ! 何で、魔力が安定しないのよ!」


 右手を外へと向けながら、焦りを帯びた声で嘆いている。


「ハウメアはもう少し精神面を鍛えた方が良いかもしれないわね」


 バチンと雷のように辺りに魔力を散らすハウメアを見て、顎に手を充て考えると苛立っている子龍に向かって淡々と言い放った。

 

「私の心が幼いって言いたいの!」


 顔を真っ赤にしながら彩華を睨む。

 その間に、身体から溢れる黄色い魔力は収まった。

 魔力を流すのを止めたのだろう。


「端的に言えばそうね。今だってほら―――集中が途切れて魔力を散らせてしまってるし」


「―――っ!!!!」


 あ、これは爆発するな。

 

 初めて会った時のような雰囲気を感じ、思わず身構えていると、大きな音を立てて立ち上がり『素振りしてくる!』と近くに置いていた剣を掴み上げ、外へと出て行った。


 そして、縁側から出て直ぐの所で剣を抜き、上から下に振り下ろし素振りを始める。

 その動作をひたすら繰り返し、己の心の荒ぶりを抑えているのだろう。


「怒りませんでしたね......」


 彩華にしか聞こえない声で言う。


「彼女も思う所があるのでしょう。何せ前まで―――」


 言いかけた所で言葉を止め、こほんと一度咳払い。

 それから、こちらに向き直し『右手ではなかったようですね』と茶を濁す。


 何かあったのか?

 脳裏で思うが口には出さない。

 誰だって隠したいことの一つや二つあるものだ。

 僕だって二人に隠していることはある。

 別に友達と言う訳ではないが、ハウメアが言わない事を態々彩華を問いただして聞こうとは思わない。

 それを切っ掛けに、僕達の中がこじれればでもしたら貴重な授業の時間が減ってしまう。

 それでなくても、怒ったハウメアは手を付けられないのだから、ここは無視を決め込むのが得策だ。

 

 人が見たら卒倒しそうな程の気迫で素振りをするハウメアを一瞥する。


 猛獣が暴れ回る中で習うのは絶対に嫌だ。


「それじゃあ、次は左腕を―――」


 それから、左手、右足、左足、頭と試し、その全てが失敗。

 

 途中、メイドが用意した昼食を取りながら昼からの事を話し合った。


「頭に四肢全てが違うとなると―――」


「なると?」


 出された豆料理をパクリと口に含み彩華の言葉に耳を向ける。

 ハウメアは、胸元から取り出した剣の形をしたペンダントを取り出し、両手で包むように顔の前まで持ってくると『ウルス様。今日も私に―――』と祈っているのが見えた。

 何かの宗教に入っているようで、毎日、食事前には欠かさず行っている。

 


「全身に魔力を送るしか、他にありません」


「それって魔力を同時に供給するって事ですか?」


 祈りが終ると、僕達の会話を気にすることなく、速度を落とさずにパクパクと料理を食べ進めた。


「はい。もうそれしか考えられません」


 コップに入った水を一口飲み、喉を潤すと話を続けた。


「困りました。生憎私は同時供給の技術を持っていないのです」


「え? それじゃあ」


 ここで詰みってこと?

 この一ヵ月頑張った成果が水の泡になるのか。


 全身の力が抜け、目の前がチカチカし始めた時、『しかし』と彩華が付け加える。


「私が知らないだけで、知っている人物は分かっています。少々、人に教えるには不得手ですがこの際です、背に腹は代えられないでしょう」


 扇子を口元に宛て、ため息を吐きながら視線を向かいの少女へ。


「......嘘、ですよね?」


 彩華の目線で全てを察し、また別の意味で目の前がチカチカし始めた。


「仕方ありません。今直ぐ用意出来る講師は一人だけです。我慢して下さい」


「―――んくっ。さっきから何こっち見ながら話してるのよ!」


 何も分かっていない灰色の目の少女は口元を汚しながら不思議そうな顔でこちらを見ていた。






「良いですか? 出来るだけ具体的に、分かりやすく教えて上げて下さい」


「そんなの言われなくても分かってるわ!」


 昼を済ませ、家具を取っ払い広くなった居間に立つ僕達三人。

 彩華の不安げな顔とは真逆で自信満々の表情を浮かべるハウメア。

 僕とハウメアには木刀が握られており、二人対面に立ち向かい合う。


「木刀持つ必要あるんですか?」


「質問は最初に師匠と付けなさい!」


 冗談の様な返答に対して至極真剣な顔のハウメア。

 助けを請おうと彩華の方を見るが、『言わないと先に進みませんよ』と悩まし気に扇子を額に当てながら半ば投げな一言。

 

「師匠」


「何!」


「木刀を持つ必要あるんですか?」


「ないわ!」


 こいつっ!!


「じゃあ何で持ってるんですか?」


「私が習った時に持ってたからよ!」


 『何か文句ある!?』と脅しにもとれる威圧で疑問は圧し潰され、ハウメアによる授業が開始された。

 

 理不尽だ。


「良い? 魔力を五等分に分けるのは炉を通した後よ!」


「はい」


 そこで会話が途切れ、暫くの間、静謐な空気が流れる。

 ニヤっと自信満々な笑みを張りつかせ、何かを待っている。

 一分、二分と時間が経つにつれハウメアの笑みは消え、徐々に苛立ちに似た表情で口を開く。


「―――何ぼーとしてるのよ! 早く始めなさい!」


 開始一分も経たずに辞めたくなった。


「ハウメア。まだ、魔力を分ける方法を教えてないでしょう」  


「あら、そうだったわね!」


 不機嫌な顔を切り替え、再び笑みを浮かべ説明をし始めた。

 魔力を五等分に分ける技は『剣気』と呼ばれ。剣士としての必須科目のようで、五等分に分け、四肢と頭それぞれに魔力を流し続ける事で、身体能力を向上させ、五感を研ぎ澄まし戦う。

 皆初級でそれらを学び、無事取得出来れば中級になることが出来るようで。

 剣術六流派と言われる、聖剣流、魔剣流、嵐水(らんすい)流、心眼流、龍炎流、崩斬(ほうざん)流その全ての共通技術だと言う。

 また、剣術で用いる魔術制御は祝福とは少し違い、魔力を流し続ける必要があるようで、隅々に魔力が行き渡ったからと言って供給を疎かにすると直ぐに失格。

 どんな状態であっても集中力を絶やしてはいけない。


 それで肝心な五等分にする方法はと言うと―――。


「まずは魔力制御をしながら二等分にするのを意識して! それから、左右それぞれの手に同じように流してみなさい!」

 

「はい」


 えーと......二等分、二等分......。

 ハウメアが教師だと言うことに不満を覚えたが、意外と簡単に両手から魔力を出す事が出来た。


「良し! 流石私の弟子ね!」


「誰が弟子ですか」


「何か言った!?」


「い、いいえ何も.....」


 思わず声に出てしまった。


 それから、両手に加え片足、次に両足と最後に頭に送る事に成功した。


 途中彩華が『それ程の才能があればハウメアが師でも問題ないですね』と褒めてくれ、ハウメアも『流石私ね!』と木刀を地面に突き刺し豪快に笑っていた。


「それじゃあ最後に炉に通してから剣気を纏って、能力を使ってみなさい!」


「はい」


 最初は一本の魔力。

 炉を通してから、五本に分けそれぞれの部位に供給する。

 どれが早すぎてもダメで遅すぎてもダメ。ちょうどいい速度で同じタイミングで四肢と頭に到着させる。

 

 ―――出来た。


 身体が軽くなり、頭が冴える。

 視野が広がり、耳がより聞こえるようになったからか入って来る情報が段違いに増えた。


 

 .......ある。この感じは変換の能力だ。



 魔力を流し続け、祝福を発動する。


 想像するのは男の身体の自分。

 身体が熱くなり、骨が痛み、身体が構造から変わって行くのが分かる。

 直感で成功したのを確信し、二人を見た。


「......どうですか?」


 声が戻った。

 少女のような声がハッキリと少年のような男性的なものへと変わっている。


「やったわ! 成功! 成功よ!」


「......ええ。まさか、こんなあっさり成功するとは思いませんでした。―――エリスは今魔力を流していますか?」


「―――あ」


 嬉しくて魔力を途切れさせてしまったことに今気づいた。

 

 ......あれ? でも、声は戻ってないし、剣気を纏っている程ではないにしろどことなく身体が軽くなった感じがする。


 そう彩華に言うと。


「エリスの元々の性別はどちらですか?」


「男です」


「男だったの!?」


「......なるほど原因が分かりました」


 驚くハウメアを他所に、結論を出した彩華が淡々と話し始めた。


「貴方の性別変化の能力は恐らく四肢と頭に魔力を流し、能力を使えば性別が変化すると言う物。そして、魔力を解除した状態でも女性の身体を維持出来ていたのは、変化する間だけ魔力を纏う必要があり、後は自動で魔力を消費し、身体を維持していたのでしょう。身体が軽くなったりしたのは消費する魔力がなくなったからだと思います」


 と説明の最中に、うんうんと分かっているのか分かっていないのか頷いている師匠(笑)より余程師匠的な彩華に尊敬の念を抱きながら、確かめようと再度、剣気を纏わせ能力を使う。

 

 結果は成功で、女性の身体、女性の声へと変化した。


 若干身体が重くなったような気がしたが、これは魔力消費によるものだろう。


 身体を男に戻し、彩華に身体を向ける。


「ありがとうございました」


 そして、深々と礼をする。

 自分にはこれぐらいしか出来ない。だから、出来るだけ尊敬と礼を込めて頭を下げた。

 

「いえいえ。まさか、これ程早く習得出来るとは、お姉さまも余程いい買い物をしたのでしょうね。―――祝福の制御が不要だと言うのなら、祝福の操作方法は教えなくてもよさそうですね」


「いいえ。出来れば教えて欲しいです。......他の能力も使ってみたいですし」


「けれどそれは―――まあ、いいでしょう。お姉さまにはこれで」


 そう言って、僅かに首を傾け、微笑みながら人差し指を口元に宛てる。


「ありがとうございます。引き続きお願い致します」


「はい、こちらこそ」


「ちょっと私には!」

 

 自身を指さすハウメア。


 物欲しそうな顔しやがって。

 

 正直、ハウメアには感謝よりも顔面をぶん殴られた恨みの方が勝っている。

 しかし、基礎とは言え、剣気を教えてくれたのもまた事実。

 礼にはそれ相応の礼で返すのが僕の流儀だ。

 ここはハウメアにも礼を返すべきだろう。


「......あざっしたー」


 僅かにそっぽ向きながら礼を言うと、何故だか怒り出した。


「何でそんなに投げやりなのよ!」


 地団駄を踏みながら不満げに抗議の声を上げるハウメアを上手く諭す彩華。

 怒りが収まり、落ち着いた所で彩華が思い出したかのように口を開く。


「そう言えばエリスのその能力。本当に性別変化なのでしょうか?」


「? どういう事ですか?」


「いいえ。もしかしたら、いろんなものになることが出来る能力だったりしないかなっと思いまして」


「っ! 何それ面白そう!」


 その言葉に真っ先に反応するハウメア。

 

 確かに、思った通りに身体が変化するのなら誰かになったり、他の生物になったり出来る可能性はある。


「―――試してみますか?」


「そうですね。じゃあ試しにわた「龍になりなさい!」......は?」


 彩華に割り込むように僕の前に立ち、好奇心に満ちた爛々とした目をしながら近づいてくる。


「え? 龍ですか......」


「四足で黒い鱗で大きな身体に大きな翼!」


 身体全部を使い、両手を広げながら興奮気味に説明するハウメアに思わず毒気を抜かれ、説明を聞いてしまった。

 彩華も彩華で『ダメで元々でやってみなさい』と。


 じゃあ、やってみるか。確か―――


 フンス! と鼻息荒げなハウメアから距離を取り、再び剣気を纏い、ハウメアの説明に沿った龍を思い浮かべる。

 そして、能力を使うと―――。


「おおーーっ!!」


「ちょ、ちょっと! 本当に出来るなんて! あー建物が!」


 まるで幼い子供のように目をキラキラさせながら見上げるハウメアと珍しく本気で焦っている彩華。

 目線は段々高くなっていき。

 危険を感じたメイド共々二人が離れから飛び出し、庭へ避難した。

 

 更に高くなっていく目線。

 建物内に収まらない巨大な体躯(・・・・・)は天井を破り、更に更に上へと昇っていった。

 気付けば、屋敷よりずっと高い身体に。


 ヤバい。


「AAaaaaaaaaaaa!!」


 声を出そうとすると言葉の代わりに甲高いまるで某怪獣のような金切声に似た泣き声が屋敷のみならず辺りまで響き渡った。

 騒ぎを聞きつけた六花の当主が来るまで、ハウメアは『凄い凄い!』と上機嫌に、彩華はこれから降りかかるお小言の数々に戦々恐々としていた。





 七氏族の区画に巨大な黒龍が現れたとエイル王国中の噂となり、王から直接噂の是非が問われたのはまた別の話である。





 



 

 



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