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爆縮と体温の機知(7)

ゴンドラの中では

回転する木馬を眺め

手を振る二人に

カメラを向けている

日差しの強い中で

元気だけが周りにあるから

水分補給と言いながら

一時間おきに休憩をする

賑やかな音楽

曲名は分からないが

何処かで聞いたような気がする


その日の帰りは

おんぶされていた

最後の観覧車が怖くて

降りれなかったからだ

水平に周りを見るだけで

景色なんて楽しめなかった

一番上に来た時には

下を向いて

膝が震えているのを

ずっと見ていた

降りる時になって

父が抱っこしてくれた

見ていてくれたのかもしれない

そのまま

おんぶになって

車まで帰った

妹達がずるいと

ずっと騒いでいた


三人は観覧車の方へ歩く

もう乗れるようにはなった

高所恐怖症は治ってはいないが

人前で消すことは

上手くなったかもしれない

ゆっくりと

また上がっていくゴンドラに

三人で乗り

色んな方角を見ながら

話をしている

あの頃しなかったことは

いつの間にか

したいことになっていたのか

分からないものだと思う


一番上まで来ると

流石にもう震えはしないが

たまに周りを見るだけで

駄目であった

前の二人は

指差しながら

ずっと遠くを見ている

たまにそちらを見ることが

行動として限界だった

一番上の位置で

三人で見た時間は数秒も無いだろう

乗り終わった後に

怖いことを伝えると二人は笑った

今度は手を握ってくれるらしい

また来ようねと言った後

一人は眠ってしまったから

おんぶして車へと向かう

変わらない夕方だった


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