表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

第4話 フェンリル2世?

「正確に説明すると。マスターに融合吸収されたダンジョンコアが生みの親だよ。そのダンジョンコア吸収して自分の物にしたから、マスターって呼ぶの!」

(良かった、男の俺が生んだんじゃなくて…じゃなくて!)


「ダンジョンコアの融合吸収!?」

「うん。最後にダンジョンコアが転移したでしよ?その時マスターの腕輪と反応して転移が重複発動して、この異世界ディシェイドまで跳んできたの。死にかけの体やコア単体じゃ世界の壁を超えるのに耐えきれないから。コアはマスターの体に融合吸収されたの。コアも自分が主導権を取りたかったけど、マスターに気迫負けして逃げたチキンだから乗っ取れなかったの」


(なるほど。それで体が修復されていたのか。異世界に来たってのは驚いたが生きてるだけマシか。それにしても)

「なんで君はそんなに詳しく知ってるんだ?」

 そう賢治は既に黒狼を警戒していないが、なぜここまで詳しく知っているのか。

 なぜ生きているのかを聞いていく事にした。

 黒狼の気分を害さないように、内心ビビって注意しながら。


「それはねマスターに殺されて魔石になった後。魂がコアに帰る瞬間に転移に巻き込まれたからだよ。一緒に転移して世界の壁は超えたけど、肉体がなかったからマスターと離れ離れになっちゃんだんだ。それで魂が獣人の卵子に落ちちゃって、受精して生まれたの」


 ディシェイドの獣人は混血が進み、熊獣人の父と狼獣人の母から狐獣人の子が生まれるのも当たり前。

 先祖帰りも多々あるので、子供が生まれるまでは何系か不明なのだ。

 そんな理由があるので、目の前の黒狼が獣人として生まれても不思議ではないが、普通は獣耳の人間の姿ではないのか?それは…


「えーっと、獣人って。人間?人?の体に動物の耳とか尻尾がある、あの獣人?」

 メタリカにもサブカルチャーは存在しエルフ、ドワーフ、獣人等が想像されている。

 賢治自身は詳しくないが、友人繋がりで知り合った人物がそういうコスプレを好んだので知っていた。


「うん、そうだよ。じゃー、特別に見せてあげるね?」

「ちょーっと、待ったーっ!!」

 獣人形態?に変身しようとした黒狼を、賢治が全力で止める。

「なに?」

 黒狼はお座りしたまま首を傾げる。

(モフりたい…じゃなくて)

「見せるって言うけど、服は?裸になるなら見せなくていいからな?」

 賢治は事案回避のために黒狼の変身を阻止し、服の有無を問うたのだ。


「大丈夫だよ。魔法で狼に変身してるだけだから、ちゃんと服は着てるよ」

「だったらよかった。それじゃ、見せくれるかな?」

「うん」

 瞬間。アニメちっくな音も煙もなく、一瞬で黒狼が幼女の立ち姿へと変身していた。

 黒狼の言葉を借りるなら、変身を解除したのだろう。


 年齢は、10歳にひとつふたつ届かないくらい、

 ウルフカットと言うより、手の入れられていない腰まで届くボサボサの黒髪、

 顔は将来美少女から美女へとなるだろう、今でもかなり可愛い。

 金の瞳はコロコロして賢治を見つめ。

 狼だからか人間の鼻なのにかなり高い。

 逆に唇は薄く小さく、色素も薄いようだ。

 頭頂部からは賢治には区別がつかない犬…ではなく狼の耳があり。

 麻の貫頭衣の後ろからは太い尻尾が垂れ下がり、正面にいる賢治からは足の間から見えている。

 黒狼幼女は両手をいっぱいに広げ、賢治にアピールしている。


「どう?可愛いでしょ?」

「ああ、とっても可愛いよ」

 賢治が紛れもない本心を口にすると、黒狼幼女は賢治に飛びついた。

「キャー!可愛いだって、可愛いだってー!!」

 黒狼幼女を受け止め、無意識にその頭を撫でる。

(このモフ、たまらん。癖になりそう…)


「ねえ、もっと。もっと撫でて!」

「よーしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」

「キャー!」

 追加要求に答え、賢治は黒狼幼女の頭を撫で続けた。

 時を忘れて…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ