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「ジロー!ジロー!」
モッキュの声。
気絶してたのか?
目を開ける。
よし、死んでない。
俺は倒れていて…うん?
右足が強襲艇の残骸の下敷きになってる!
偶然、ほとんど怪我はしてないものの、足が抜けない!
「ジロー!大丈夫!?」
視界にモッキュが入ってきた。
良かった、モッキュも怪我してない!
本当に良かった。
「モッキュ、足が抜けない!」
「今、助けるから待ってて!」
いや、ダメだ。
非力なモッキュだと、この残骸は動かせない。
あ!
前方で何か動いてる。
さっきまで戦ってた敵だ!
奴らも爆発のショックから立ち直ってきてる。
オートガンは!?
くそっ!
アームが折れてる!
大口径ハンドガンを抜いて、ぶっ放す!
敵は遮蔽物に隠れてて、すぐには倒せない!
こっちは、今、撃たれたらハチの巣だ!
「モッキュ、逃げろ!」
「イヤだよ! ジローを置いていけない!」