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割愛…と言いたいけど、この痛さは割愛出来ない。
イタタッ。
どのくらい落ちたかな?
殺すつもりにしては、中途半端な高さだな。
モッキュと2人で、カエルとカメレオンを足したようなカヌラ星人の女賞金首、メノの屋敷に乗り込んだら、俺だけまんまと落とし穴に落とされた。
早く上に戻ってモッキュと合流しないと…モッキュ…もう逢いたい!
Give me モッキュ!
しかし、真っ暗だな。
ブレスレットのライトを点ける。
周りには何もない広い空間。
落とされた穴は閉まってる。
とにかく出口を探さないと。
身体を起こして歩きだす。
ほんの少し進んだ所で…前に誰か居る!
大口径ハンドガンを構える。
「ジロー! ボクだよ! モッキュ!」
モッキュだって!?
こっちに駆け寄って来た。
「何でここに?」
「あの後、ボクも落とされたんだ」
「ふーん」
「ジロー、怪我が無くて良かった。それと出口を見つけたよ! こっち、こっち!」
奥の方向を指差す。
「よし、じゃあ行こう」
俺はその方向に歩きだした。
次の瞬間!
振り返って、1発ぶっ放す。
「ぎゃー!!」
相手は右足を撃たれて倒れた。
みるみる元の姿に戻っていく。
そう、カヌラ星人のメノだ。
何にでも化けられる変身能力。
こんなややこしい策略を巡らせるなんて、こいつは敵を騙すことに喜びを感じるタイプなのか?
「な、何故、分かった…私の変身は完璧なはず…」
「完璧…」
はい、頭にきました!
「モッキュはなー! お前の変身の1億倍かわいいんだよ! 全然違う、全く違う、ひと目見て分かったっつーの!!」
「そ、そんなバカな…」
「バカはお前だよ、この大バカ野郎! 俺のモッキュ愛を舐めんなよ! 今も離れ離れでどれだけ苦しいか! お前を100回、八つ裂きにしても足りねーよ!!」
「ギャー!」
「ほら、立てよ! 早くモッキュの所へ案内しろ!!」
「こ、怖い!!」
「うるせー!!」
NO モッキュ NO LIFE!!